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AIやRPAによって経理の仕事が無くなるのか?

結論:一部の業務は置き換わるが、無くならない。

AIやRPAの誕生により「仕事無くなるハラスメント」を受けがちな経理という職種。あまつさえ、簿記の知識も不要論まで出ています。
こういった話が出てきた発端としては2013年にオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーンさんが今後10年~20年で自動化される仕事というのを公表したことだと思います。
その中に「薄記、会計、監査の事務員」や「給与・福利厚生担当者」等が含まれていることから「経理はAIに駆逐されるんだ!」という風潮が生まれたのだと推測します。

じゃあ本当に無くなるのか?

しかし、『じゃあ本当に無くなるのか?』という問いにはっきりイエスと答えられる人はどれだけいるのでしょうか。答えられる人の意見は嫌味とかではなく是非聞いてみたいです。
確かに経理の仕事はルーチンが多いです。その部分をフォーカスし、繰り返してやるんであればディープラーニングで覚えさせればいいじゃないかという発想になるのは自然な発想だと思います。
繰り返し行う業務について自動でやってくれるのであれば確かにありがたいですね。その分楽できますしw
では仮に経理の仕事のうち決算書の作成業務(≒仕訳入力)が完全にAIができるようになりましたとしましょう。そうすると日々の会計システムへの入力が無くなり、寝て起きれば自動的に決算書ができています。
ではその決算書の正当性を保証してくれるのは誰でしょう?AIが作った決算書は誰が正しいと言ってくれるのでしょう?
定型的な取引であればルールを決めればいいでしょう。例えば日々の売上や毎月の人件費については勘定科目を決めてしまえばあとは自動的に処理してくれるでしょう。(この程度は既に大半の会社で出来ていると思いますが)
では定型的ではない取引はどうでしょうか。例えば同じ会社に対して売掛金や買掛金が両方あるような場合に相手が買掛金の分を相殺して支払ってきたというような状況にそれはAIが対応できるでしょうか。あるいは税効果会計を適用するにあたって会社を5段階で評価したうえで繰延税金資産の回収可能性を検討しなければいけませんが、それがAIにできるでしょうか。
前者は事務的なものなのでやろうと思えばできるのかもしれません。しかし後者は完全に「判断」を伴うものですし、会社の規模が大きかったり複雑なほど5段階評価は難しくなってきます。
それを「それでもAIなら…AIならきっとなんとかしてくれる…‼」と言わんばかりの期待をAIに込めている人がいるような気がします。

要はAIとかRPAをどう利用するか

もちろん人がやれば常に正しいものが出てくるなんてこれっぽっちも思っていません。そんなことなら粉飾決算なんてものは出てくるはずがありませんから。
しかし少なくとも非定型の取引について「これはこういう理由でこう処理しました」と言える人がいなければその決算書に説得力は出てきませんし誰もその決算書を説明できません。
誰も説明できない決算書に何の意味もありません。そんな物はただの数字の羅列です。
AIやRPAはあくまで経理業務を補助するシステムの1つでしかないと考えるべきでしょう。現状経理で活用されているAIは結局レシートをOCRで読み取る際に用いられていたりする程度です。(それがどの程度の精度なのかは利用したことが無いのでわかりませんが)
RPAも本当に全ての業務を自動化している例は聞いたことがありません。

今後の経理業務はどうなっていくのか

技術革新は目覚ましいですから私の予想より遥かに早く優秀なAIが出てくるかもしれません。もしかしたら本当に全ての業務についてAIが肩代わりしてくれるかもしれません。AIがすべて判断してくれるかもしれません。
全ては想像でしかありませんが、PCの誕生で紙が無くなったかというと現代を見ればわかりますが、少なくなったとはいえまだまだ現役で活躍していますね。電子書籍が誕生しても紙の本は全く無くなりません。私も専門書は紙の本の方が読みやすいと思っています。
上でも触れましたが、今後経理業務をターゲットとしたAIやRPAの製品がどんどん開発されていくと思います。
それによって定型業務はどんどん機械化されていくでしょう。
経理業務とは少し離れますが、三井住友銀行が一般職と総合職の垣根を無くすという記事が挙がっていましたね。
一般職、総合職と統合へ 三井住友銀
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41875800Y9A220C1EE9000/
こうして合理化が図られていくことは良い傾向だと思います。
経理に限った話ではありませんが、合理化を図り、残業を減らせるのであれば経営者にとっても労働者にとってもお互いハッピーな結果ですよね。
今まで定型業務に使っていた時間を非定型業務に充てることで、量より質にこだわることができます。
無くなることを危惧するのではなく、出てきたらどうするかということを事前に考え、対策を打っていきましょう。

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