小石

神社の小石を持ち帰った男は、陽が呆れてもいつも歌う

謡い続けて疲れて眠るが、夢のなかでもまだ歌う

今朝も妻の焼いた魚は歌っていたので冷めていた

どこかの誰かの願いが詰まり、破裂するから歌になる

男はいつも神に祈るが、相手にされずにじゃりせん投げる

小石に住う魍魎はもう満足しているだろう

この男が生きているかぎり

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