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sono_note
夜の終わりの隅端で
何者でもない私です
罪なら山の星の瞬き程に
小さな恥をばら撒いております
心は街のお月さんの様に
わざわざ見上げんと傍観できずにいます
人間の喜びは命の詩を歌うこと
命の詩は産声の如く
涙の湖に小舟を出すこと
真っ白な夜に愛などは無く
いるのは擬態の愛の虫
しかしながらにどんな夜にも
慈悲の白雲は我々を信じ罪と心を隠します
穏やかな夜に嘘なき笑みを
しなやかな程に真っ直ぐな月光を
命の詩を歌ったあなたに
ネオンライトは拍手の代わり
これ以上もない生命の誇り
擬態の虫を琥珀で包み
夜の大地を照らしてほしい
何者でもない私です
生きて歌って朝を向かえんと
母に合わせる顔は無いと
声を絞り出しております
それは夜の終わりの隅端でのこと