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みかんが産んだ厄災

みかんの皮を剥くときは、頭の中で無意識に
自分の理想のみかんの味を思い浮かべる。

皮を剥き終わると、すじを掃除して口に運ぶ。



その一瞬、みかんの実が少しでも酸っぱかったり、甘すぎたりと先程頭の中で思い浮かべた味との
相違が生じるとなんだか少し損をした気分になる。



そして損をしたという感情に支配された直ぐ後には、いろいろな軌跡を辿りいただいた聖なるみかんを、自身の弱々しい直感ひとつで損をした、などの軽率な感情を抱いたことを酷く恨んだりする。









アイドルが煙草を吸っていた。
などの週刊誌の記事を読んだ時も、その人のバックボーンをなにひとつ知らないくせに創り上げた理想のズレに裏切られたなどの感情を含ませ吐き出させる。






理想とはあくまで自分の中の薄っぺらりの
殻にすぎないのに。





だからその殻を破壊された時、
本当の自分や本当にその対象のことを想っているか、などの真実が明白に産まれでるんだ。









だけど、損をしたり裏切られたなどの直感的な感情を生み出さないということは無理に近いだろう。



だから、その殻から産まれ出てきた怪獣を
ワンルームのアパートでも飼えるくらいの小さくて愛おしい怪獣に育てあげるしかない。




理想のズレから産まれた怪獣を、理想の怪獣になるように考え育てあげる。












なんだか頭が悪い話しだが、




要約すると、







私は冬のみかんが大好きだということだ。



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