雪南瓜

私の背中から首筋にかけて流れる血脈に

無理やり誰かが野菜の種を植え付けてきたのは

もう何年も前のはなし

私はなんの絵画とも似つかない不安を

自室の壁に飾って過ごしてきました

ある冬

殴り裂かれた私の身体に農薬を撒かれて

泪がでました

はじめてみる冬の南瓜の蔓は

首の中から頭にむかって伸び進み

つむじから頭を破り実りました

農薬散布からほんの一瞬のことです

手脚は震え

掻き毟った身体の水分は南瓜にもっていかれたかのよう

冬の南瓜は煮るのがいいとの思いに至るまでには

私は少し青すぎました

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