昼鷹

ダムの底を覗き込んだ

緑色の大きなドブは

私の生活を支えている

文明とはなんて素晴らしいのか

それは犠牲を差し出しても次の彫刻を掘り進めるからだ

その犠牲は無駄ではないと彫刻家達は口をそろえるが

泪が一粒でもそのダム底に沈んでいるのならば

私はその水を飲もうとは思わない

もし塞き止められない花火の様な感情が

水中に咲き乱れるのであれば

私は鷹になって傍観する人食いになろう

翼が生えつつある私の背中は

激痛に耐えられず朽ち果てるとおもうが

もしも鷹に受け入れられたら

ダムへの微熱を空から謳おう

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