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Photo by
daraz
ぬるい炎
燃え盛る炎の輪は
私の仕事場
これを跳び潜ると
拍手が飛び交う
高揚するのは跳び潜る一瞬でも
拍手を浴びる時でも無い
私の出番のほんの前
舞台袖から見えてくる
空中を舞い落ちる
彼女のショーを見る時だ
それは天女の様に神々しく
悪魔の様に妖艶だ
私という存在をもっと彼女に知ってもらいたい
その一心でステージへと向かい
タテガミを揺らし
炎の輪を潜る
見てくれ
王者の舞いを
感じてくれ
人間にはない野性の匂いを
私は連続で炎の輪を跳び抜けると
思わず雄叫びを上げた
どよめく観客は喝采をあげ
皆が私を讃える
強靭でしなやかな肉体は人間には魅力的だろ
だから彼女もきっと好きな筈だ
勇猛な私をもっと見てくれ
野性の王者は火傷をしているようだ