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tr413
美しい熱
記憶失うほどにきつく
あふれた嘘はシーツに溶け込む
薔薇の花でいっぱいのベッドで
私は棘に刺さって沢山出した
あなたの声は囁きながら
遠くのあの子へ送る恋文
私でしょ ここにいるのは
目の前の薔薇の精
くだらない脳天直下型快楽
誠に誠実な秤を騙し
重い方を上に傾かせ
一夜に溺れさせてくる
愛は流星群の如く
最後には消えてしまう事情
ほどけない縄で私を縛って
微熱じゃ物足りない地獄
後ろ向きで包まれたなら
顔も見えない面でも被って
奥の方では馬鹿にしているの
違うでしょ こっちを向いて
朝がくれば太陽に焼けて
あなたは死んでしまうのだから
棘口から垂れてる紅血を
すすっておくとよろしい
優しく弾いたピアノの様に
揺れるピアスがはしゃいでいるから
悔しくて涙こらえた
私も面を被って
嫌いになったことにして
美しい熱はこの夜に置いていく
あなたは天女にはぐらかされ
知らない聖域へ流れればいい
愛を失って
愛に裏切られ
愛の尻尾を追って
歩き出すの
まだ何も知らない仔犬の様に