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より良い共創体験を生み出すこれからのファシリテーションのススメ
わたなべです。5月に株式会社NEWhのサービスデザイナーとしてジョインしました!NEWhでは様々なクライアントさまとのプロジェクトにおいて「共創」を大切にしながら、多様なテーマ、フェーズでの事業開発のお手伝いをしています。前職時代からのクライアントワークの経験を通して、様々な共創プロジェクトに参画・推進してきた中で、今日はよりよい共創をするためのファシリテーションのコツをテーマに書いてみようと思います。
2020年頃からパンデミックをきっかけにオンラインワークが増えた方が多いと思いますが、現在では出社してのコミュニケーションや対面でのワークショップの機会も増えつつあるのではないでしょうか。私自身オンライン/対面でのワークショップを数多く実施してきましたが、その中で改めてオンラインワークの利点を振り返りつつ、よりよい共創のための考え方やTipsを共有できればと思います。
オンラインで共創するメリット・デメリット
プロジェクトを進行していくにあたって日々様々な活動が行われています。メンバー間でラポールを築いたり、日々のコミュニケーションで進捗確認を行ったり、ワークや議論を通して結論を出していく…などなど。こういった一連の活動をオンラインで共創的に行っていく場合、オンラインならではの難しさもありつつ、良いところもたくさんあると思っています。
オンラインで共創するメリット
場所にとらわれることなく、幅広い参加者を募ることができる
移動時間などの制約がないため短時間でもメンバーで予定を合わせやすい
ツールをうまく活用することで情報や議論の結果を記録に残しやすい
オンラインで共創するデメリット
ビデオ会議ツールでは同時に話せないという制約がある分、それぞれの議論に時間がかかってしまう
画面から見える、聞こえるものしか手がかりがないため得られる情報量が全体的に少なくなる
ツールの習熟度や参加環境の違いによって参画度合いに差が出てしまう
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これらのメリット・デメリットを考慮しながら共創の場を設計していくことが大切だと考えています。
今後どのように共創していくか?
オンラインワークがここ数年で当たり前になっていった一方、出社する以前の働き方に戻ったり、対面で集まる機会が増えたりと揺れ戻しが起きていると感じています。ただ、オンラインワークは対面ワークの下位互換というわけでは決してないと思っており、上記のようにメリットも数多くあります。私個人としては今後はオンラインと対面を使い分けるハイブリッド型でプロジェクトを進行する形が主流になってくるのではないかなと思っています。
それを前提に、今後共創の場をどのように作っていくべきか、よりよい共創体験を生み出すためのポイントを考えてみました。
オンライン/対面の良さを引き出す共創のポイント
環境の平等性を担保する
使用するツールやアクセスする環境を揃えることは特にオンラインワークにおいて非常に大事だと思っています。通信環境などの影響があると議論やワークに支障が出て、せっかくの議論がうまく進められないことがあります。
また一部の方が会議室から参加し、一部の人はリモートで参加するようなハイブリット型での開催の場合は、1人ずつそれぞれのパソコンから会議システムにアクセスするやり方をおすすめします。その方が全員の参加環境が平等になり、誰もがコミュニケーションを取りやすくなりますし、ホワイトボードでのワークなどでも全員が手を動かして取り組んでもらえる状況を作りやすいと考えているためです。
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メリハリをつける
個人でじっくり考える時間と全体で話す時間のメリハリをつけることはオンラインワークにおいては特に大事だと思っています。オンラインでは同時に何人も話せない制約があるため、意識しないと全体でだらだら話し続けて結論が出ないことになりがちです。個人でまずアウトプットして意見をまとめる→全体でそれを共有するというメリハリをつけることが重要です。話を聞くタイミングと自分がアウトプットするタイミングのメリハリをつけることで参加者にとって負担の少ない体験にすることができると思います。
またプロジェクト全体で対面開催⇔オンライン開催のメリハリをつけることも工夫の1つになるかと思います。特にプロジェクト開始時にチームメンバーの人となりを知るときやチームでの合意形成を図るための議論が必要なときは対面で進行する方が円滑に進みやすい実感があります。
対面の場合は長めの時間を取ってじっくり話し合う時間を持ち、オンラインの場合は短時間のものを複数回実施するなど、実施方法によってアジェンダの組み方や時間の確保の仕方を変えることも重要です。(オンラインワーク5時間と対面ワークの5時間の身体の疲労感は全然違うのはみなさんも実感としてあるのではないでしょうか。)
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相互的なコミュニケーションを意識する
オンラインでは特に話者が一方的に話してしまい、他方はひたすら聞き続けるという構図になりがちです。会の中で適宜発言を促したり、チャットやホワイトボードに意見や質問をアウトプットしてもらいながらインタラクティブに進められると参加者もより集中力を保ちつつ参画してもらえると思います。会が終わったあとも質問や疑問点を随時受け付けられる体制やルールを明確にしておくと、参加者へのフォローアップもしやすくなります。
オンラインの場合は前述の通り映像や音声など、画面から得られる情報がかなり限られてきてしまうため、ビデオ会議システムのカメラはできる限り全員がONで参加ができると良いと考えています。その前提の上で、身振り手振りなどのノンバーバルコミュニケーションも活用しながらコミュニケーションを取ることが大事だと思っています。私自身もオンラインのときは相槌や反応を意識的に強調しがちかもしれません。大げさなくらいに振る舞おう!とは言いませんが、話している方としては会話に対して何かしらの反応があると嬉しいものです。
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非同期ワークも活用する
「共創」というとその場でのディスカッションやワークを意識しがちですが、顔を合わせていない場での非同期的なコミュニケーションも非常に重要だと思っています。オンライン/対面どちらの場合でも、議論内容はデジタルホワイトボードなどに取りまとめ、チームメンバーがいつでも振り返りができるようにしておくとすごく便利です。時間の取れるときに各自ワークを進めたり、それぞれがオンラインホワイトボード上でフィードバックし合ったり、映像収録を通してお互いの意見や考えを事前に共有しておくなど方法は様々です。私が具体的にやっていることは次回の記事で詳しくご紹介しようと思います。
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デジタルツール活用の際に意識すべきこと
オンライン、ハイブリットでの共創においてデジタルツールの活用は非常に重要です。NEWhではクライアントさまとのワークショップや日々の社内ワークにおいてはZoomとMiroを併用しながら進めることが多いですが、日々ツールのありがたさを身にしみて感じています。
共創においてツールを活用する際の前提として、私は以下を意識することが大事だと考えています。
参加者にとっての良い体験を意識する
特にオンラインの共創ではリアルの場に比べると画面越しでのコミュニケーションになるため、コミュニケーションの取りづらさや意思疎通の難しさを感じることがあるかと思います。より良いコミュニケーションのため、良い議論を重ねるためには、参加者自身の体験(UX)を意識しながら設計していくことがまず大事だと思います。
リモートファーストを前提とする
一部の方が会議室から参加し、一部の人はリモートで参加するハイブリット型での開催の場合、会議室にいる人だけで議論が盛り上がり、オンライン参加の人が置いてけぼりになってしまうことが起きがちです。こういったことを避けるためにも、使用するツールや環境はオンラインでの参加者に合わせ、全員が平等に発言しやすい環境を作ることが重要だと思います。
ツールはあくまで手段
デジタルツールはプロジェクトを成功させるため、ゴール達成のための一つの手段です。ツールを使うことを目的にせず、目の前のワークで何をするべきか、何を議論すべきかなど目的や決めるべきことを明確にしておくことが大切です。
できるだけシンプルにする
デジタルツールは便利で今多種多様なツールがありますが、何でもかんでも取り込んでしまうと混乱を生み、結局うまく活用できない、ということが起きがちです。また1つのツールをとってみても、その中でできることがたくさんあったりします。全ての機能(ツール)を活用する!と考えるのではなく、使い方はシンプルにし、誰もが活用しやすいように整備していくことが重要だと考えます。
またワークなどの設計に際してもある程度の制約を設けながら設計すると参加者にとってもわかりやすく、良い体験になると思います。(特にワークショップなどでワークを短時間で細かく分断してあれもこれもとやることを盛り込んでいくと作業化してしまう傾向があるので注意が必要です。)
さいごに
今回はより良い共創体験を生み出すためのファシリテーション、ツール活用のポイントをご紹介しました。次回は実際にオンラインホワイトボードツールでどのような工夫をしながら設計しているのかをご紹介できればと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!