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Leicaが見たIndia ー Through Leica ✈︎Day6・7

Leica SL2-Sを持って旅したインドの記録


混沌のデリーから聖地へ

東京に生まれ育った私は、井の頭線のたった5両に詰め込まれる通勤ラッシュの凄まじさや夕方の山手線で体が宙に浮くほどの混雑を体験している。
故にちょっとやそっとの混雑では驚いたことがなかった。
デリーの人混みをこの目で見るまでは。

カオスという言葉がこれほどまでに似合う都市はないのではないか。すごいとしか言えない語彙力も許されるほどの過密ぶりであった。


前回同様、デリーの中日ではLeicaで撮影しなかったため翌日のDay7へと飛ぶ。

この日、聖地と呼ばれるバラナシへ移動した。デリーから飛行機で約2時間。北インドの東部に位置するバラナシは有名なガンジス川が流れており、その水を飲めばインド人ですらお腹を壊すとも言われている。

バラナシについた日、インド初の女性大統領がバラナシを訪れる日と重なりまたは厳重体制だったこともあり撮影がままならず、憧れのガンガー撮影は翌日が決戦の日となった。


朝陽登るガンジス川へ

大人7人を乗せて手漕ぎしてくれた

4時半起床、5時にホテルを出てガンジス川まで歩く。まだ陽も登らないうちから冷たい水の中へ歩みを進める人たち。
彼らの信仰心の深さは計り知れない。

ガンジスの静寂

ここから先の写真たちに、私の言葉は必要ないだろう。だれもが信じる神につかえ、愛と強さを支えに命を削りながら生きている姿をただ見て欲しい。

昇る
野良犬と自撮り
祈りのための灯火
水温は10度を下回っている
姉妹なのか近所の方なのか親族なのか
野良犬を優しく撫でる男性
冷たいと叫ぶ若い女性


何時間でもいられた。
生まれて初めて見る光景に寒さも忘れひたすらに眺め、思いつくままファインダーを覗き、無心でシャッターを切った。

私がインドを好きな理由に日本と真逆であることがある。国民の多くが強く宗教を信仰しているインドと深い歴史を持つ仏教がメインでありながら国民の多くが信仰に無関心である日本、道はどこを見ても汚いインドとほとんどの道が綺麗な日本、カメラを向ければ多くの笑顔が見れるインドと顔を背け逃げる日本。

どちらが良い悪いではなく、自分が生まれ育った国と180度違うものを持っているインドにどこか惹かれる。それは母国の良さを浮き彫りにしてくれる反面、足りないものに気がつかせてくれるからかもしれない。


ガンジス川で見た景色は生涯忘れないだろう。

聖なる川よ


37歳でThank youとI'm sorryしか言えなかった私はそれから人生で一番英語を勉強した。英語ができればどこの国にでも行けると思っていたからだ。そうして数年後、英語を使って撮影の仕事ができるまでになった。
しかしインドでは英語が通じないことの方が多い。しかし言葉が通じ合えなくても私がインドを愛していることはきっと伝わっている。こんなにも愛おしく感じる国はそう他にはない。

きっと私はまたこのガンジス川に戻ってくるだろう。
言葉にならない思いが心の川に流れている。


たくさんの写真を撮って思う。この川は彼らにとっての秩序なのかもしれない。

つづく

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