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【セミナーレポート】学習とアウトプットの関係


今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
「中の人」は先週、Flashセミナーに登壇いたしまして、「学習とアウトプットの関係」というテーマで小一時間お話しする機会をいただきました。シルバーウィークにもかかわらず、多くの方にご視聴いただき改めて御礼申し上げます。
ということで、今週は手前味噌ながらセミナレポートをお届けします。講義内容をこの記事にまとめますので、セミナーをご覧いただいた方は復習がわりに、「見逃した〜」という方は見逃し配信だと思ってご覧いただければ幸いです。
登壇したイベントはこちら。


「中の人」的学習の仕方

「中の人」の学習スタイルを一言で表すと、「アウトプットを前提に学ぶ」です。アウトプットを前提にすることで、学習効率と知識の吸収率が向上すると考えているからです。
アウトプットを意識することで、アウトプットに必要な情報は何かを選別しながら必要な知識のみをインプットしていくことができるようになります。

上図のように、インプットできるキャパシティに対して情報をむやみやたらに流し込んでしまうと必要のない情報と必要な情報の取捨選択ができずに、オーバーフローを起こします。この、溢れ出た情報というのは身につきません。
必要な情報を正確に選んでインプットするために、アウトプットイメージが大切なんです。
この時、インプット量がキャパシティを超えないように、小分けにしてインプットしていくことをオススメします。例え、一回のインプット量が少なくても、回数を重ねることで一度にインプットした時よりも確実に定着させることができるようになると感じています。

インプットのコツ

アウトプットを前提にインプットするとして、インプットする際に意識することがあります。それは、とにかく自分ごと化することです。
例えば、ビジネス書を読んでいるときに「ふ〜ん。なるほどなぁ。」で終わってしまうと、すごくもったいないなぁと思うんです。そこで、「中の人」は本を読みながら、「この方法、この前の業務で使えたかもなぁ」とか、「この考え方はあのプロジェクトで使えるかも!」なんてことを考えています。
セミナーでは、『USJを劇的に変えた、たった一つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』という書籍の記載と、それをどんな風に自分ごと化したのかをお伝えしました。

コアターゲットの見つけ方についてのインプット
「コアターゲットの見つけ方」を自分ごと化した時のアウトプット

詳細は、上図を確認いただく程度に割愛しよう思いますが、なぜそんなことをするのかについては理解いただきたいと思います。
こうやって「自分だったらどう使うか」を考えることで、仕入れた知識を経験に転換することができるんです。
「経験則で話しますが〜」とか「これは経験談なんですけど〜」とか、経験ってすごくアウトプットしやすいんですよ。なので「自分なりに考えた」という経験に昇華することで、アウトプットをしやすくする効果があるんです。

学習のステップ

さぁ、いよいよ学習のステップについてです。
中の人的学習のステップは大きく分けて2ステップです。それぞれのステップがさらに3つのステップに細分化されます。

ステップ1 知識を整理する

このステップは下記の要領で自身の持っている知識を整理していきます。

・メタ認知
わからないことに気づくことから始めます。
・要件整理
「わからないところがわからない」状況を脱し、何がわからないのかを特定します。
・インプット
わからないことが特定できたら、その情報のみインプットします。

最初のメタ認知のことをセミナー内ではソクラテスの「無知の知」に重ねてご紹介しました。まぁ実際これはやってみるとなかなか難しいものなんです。
人間というのは分からないことを「分からないままにするスキル」というのを備えているそうです。そのスキルを発動していることに自覚しないと始まらないんですよね。なので自分の認識に「穴」がないかを問い直す習慣をつけましょう。

そして、分からないことに気づけたら、何が分からないのかを特定するために要件を整理していきます。セミナー内では「分数の足し算」の要素について例を挙げて、実際に「ウェブ解析」を例にちょっとしたワークショップを行いました。「ウェブ解析」ができないので、ウェブ解析を学ぼうとした場合、何を学べばいいのか。という問いに答えるための作業です。
ウェブ解析は要素を分解すると下記のようになりますね。(公式テキスト参照)

切り口を変えればこんな感じ。

どんな切り口であれ、「自分はわかってないな」と思う要素を洗い出すための作業です。

で、分からない箇所の特定ができればあとはそれをインプットして自分のものにするだけです。
ここまでが知識を整理するステップです。

ステップ2 知識を経験に転換する

そして、ふたつめのステップはアウトプットしやすいように経験へと転換していくフェーズです。
ちょっとこちらをご覧ください。

三角形に内接する円の半径を求める公式の求め方

セミナー内で使用した資料なんですが、これ「三角形に内接する円の半径を求める公式」がなぜ成り立つのかを証明する数式なんです。これをもって何が言いたいのかというと、公式は覚えるだけでは上手く使いこなせないので、そのロジックや背景を理解しましょう。ということです。
そうすることで、「知っている」を「理解している」状態に昇華することができます。

理解することができたなら、次は「使える」ようにしましょう。使えるようになるためには、「学習の転移」を起こす必要があります。
学習の転移とは学んだ事柄の本質を掴むことで、別の事象にも応用を効かせることを言います。例えば、下の図をご覧ください。

数学の図形問題の本質を「ロジカルに考えること」と捉えると、そこで鍛えたロジカルシンキングは国語であったり、社会科であったり、まったく別の教科で応用を効かせることができます。
実際に「中の人」で起きた学習の転移の例をご紹介します。

上図のように、『フレームワークの背景を知ろう。-ファイブフォース分析編-』で学んだ内容からこのフレームワークの本質は「完全競争」を抜け出すための状況整理だと捉え、新規事業やキャッチコピー作成の際に応用を効かすことができるのではないかと考えました。
このように、学習の転移は今まで点で学んできたことを線として繋ぎ合わせ学習を体系化する役割も担うことになります。

学んだ内容が体系化されていくイメージ

さぁ、ここまで来たらあとはアウトプットするだけです。
ここで重要なのは、インプットの総量=アウトプットの総量であるということです。思うようにアウトプットできなかったことはしっかりとインプットできなかったと考え、再び最初のステップからやり直します。

学習サイクル

まとめ

セミナーではもう少し細かく説明したり、アウトプットのコツ、継続するためのヒントなどをお伝えしましたが、大まかな流れというか伝えたいことはこのnoteに記載した内容です。
インプットの質を上げるためには、アウトプットをイメージする必要があります。一方でアウトプットの質を上げるためにはインプットの質を上げなければなりません。
といったように、アウトプットとインプットは相互補完の関係にあります。
思うようにアウトプットができない場合は、インプットが足りていない証拠であり、インプットがうまくできない場合はアウトプットの解像度が低いのかもしれません。
ウェブ解析士協会のYouTubeチャンネルに、セミナーのダイジェスト動画がアップされていますので、こちらも是非。


あとがき

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
また、Flashセミナーにお申込みいただいた方に改めてお礼申し上げます。
セミナーも一つのインプットなので、皆さんがどう自分ごと化し、何をアウトプットしたのかが気になっている「中の人」です。
ただ、お伝えした内容は「中の人」が実践する中で見つけた一つの答えに過ぎず、唯一の学び方というわけではないので、皆さんにあった学び方が見つかると良いなと思っています。

そして、最後にまた宣伝になります。
「中の人」、10月28日29日で行われるウェブ解析士協会主催「デジタル人材育成セミナー」のライトニングトークというセッションに参加します!
28日の11:00〜11:10が「中の人」のセッションになります。
内容は同じく「学び方」になりますが、復習がてら覗きに来てくださると大変喜びます。

それではまた来週お会いしましょう。

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