ウェブ解析に使われる指標
今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
最近は小難しい話が続いていたので、今週は箸休め回にします。
それで、ウェブ解析にまつわる用語解説でもしようかなと思います。ウェブ解析に限らず、マーケティング界隈はアルファベットを使った用語やカタカナ用語が多くて、初学者にはとっつきにくいですよね。そこで、認定試験対策も兼ねて、よく使われる用語集代わりにになるようなものにしたいと思います。
ウェブ解析の縦軸(列)と横軸(行)
ウェブ解析をする以上、理解しておかなければならないのはディメンション(項目)とメトリクス(指標)です。特に、GoogleAnalyticsがGA4に移行したことで「探索」というUAで言うところのカスタムレポートのようなものがより身近になったことで、これらへの理解の重要度が増しています。
ディメンション
公式テキストの記載通り、ディメンションとはデータ項目のことです。一般的には、表を作成する際に一番左の列に羅列されるものですね。どんな項目で数値を見るのか、といった際の「項目」のことです。(GA4の探索レポートでは一番上の行にもディメンションを設定することができますが。)
メトリクス
まぁ、要するに数値化できる項目のことですね。一般的には、表を作成する際に各列の先頭に指標名を置きますよね。これがメトリクスです。
ウェブ解析に使われる指標と計算方法
さぁ、ここからはアルファベットが頻出しますよ。混同しないように、しっかり覚えていきましょう。
オウンドメディアに関する指標
PV(Page View):ページの閲覧数をカウントした値
UPV(Unique Page View):同一セッション内で複数回同一ページを閲覧した場合、重複してカウントしないPV
イベント:ウェブサイト上でユーザーが行った操作・行動(PVやClickなど)
セッション数:ユーザーがウェブサイトの閲覧を始めてから離脱するまでの一連の行動=訪問の回数
UU(Unique Users):単にユーザー数とも。ウェブサイトに訪れたユーザーの数。同じウェブサイトを複数回訪れても重複してカウントしない。
直帰率:サイトの入口ページのみの閲覧で離脱することを直帰といい、全セッションのうち直帰したセッションの割合を直帰率という。(GA4ではエンゲージメントしなかったセッションを指します)
加重直帰率:直帰率にPVの多さなどを加味して、重要度を考慮した値
直帰率100%だけど1PVのページと、直帰率80%だけど1,000PVのページなら、後者を改善したほうがサイト全体に貢献できますよね。どのページの直帰率から改善するかといった優先順位をつける際に役立ちます。
離脱率:外部サイトへの移動やブラウザを閉じるなど、ウェブサイトから離脱する行動=セッションが途切れる行動を離脱といい、一般には、ページ毎に判断する指標で、該当ページを最後に離脱したPV数を指す。直帰は離脱に含まれる。
計算方法はツールにより異なります。
離脱改善指標:加重直帰率同様に、離脱にそのページの重要度を考慮した値
離脱数は直帰数を含むので、直帰数を除いた離脱改善指標を利用すると離脱による課題のあるページを把握することができます。
回遊離脱率:直帰はしなかったけど、フォームには至らなかったセッションの割合
CVR(Conversion Rate):顧客転換率ともいい、ウェブ運用の目的を達成した割合
ペイドメディアに関する指標
IMP(impression):広告が表示された回数
クリック数:広告がクリックされた回数
CPM(Cost per Mille):1,000IMPあたりの広告料金
CPC(Cost per Click):広告をクリックされた場合のコスト(1クリックあたりの単価)
CTR(Click Through Rate):広告がクリックされた割合
CPA(Cost per Acquisition / Action):1CVあたりの単価=顧客獲得単価
ROI(Return On Investment):投資した広告費に対する利益
費用>利益の場合、ROIはマイナスになる
ROAS(Return On Advertising Spend):投資した広告に対する売上
100%>ROASの場合、売上が広告費を下回っていることを指す
アプリやサブスクに関する指標
DAU(Daily Active Users):1日の間にサービスを利用したユーザー数
WAU(Weekly Active Users):1週間のアクティブユーザー数
MAU( Monthly Active Users):1ヶ月のアクティブユーザー数
ARPU(Average Revenue Per User):ユーザーあたりの購入金額(課金していないユーザーも含める)
ARPPU(Average Revenue Per Paid User):有料ユーザーあたりの購入金額
チャーン率(Churn Rate):サブスクリプション型サービスの解約率
まとめ
ウェブ解析に使用する主要な指標はこんなところでしょうか。
主要指標を理解しておくことは、KPIの設定や管理に役に立ちます。
また、それぞれの指標の意味だけでなく計算式まで頭に入れておくと、戦略・戦術を組み立てる際に、自分でシミュレーションを組むことができます。
あとがき
今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
「今週、手抜きじゃない?」とか思われそうで怖いのですが、案外まとめるのに時間がかかってるんですよ。細かい説明は公式テキストにあるので、どれだけ端的にまとめるかという点で。
そんなことより、この辺の計算や言葉の意味はそれなりに重要です。認定試験対策のアンチョコとして使用してもらえれば嬉しいです。
「中の人」もだいぶ業界に染まってきて、当たり前のようにこれらの言葉を使うようになりましたが、初めてのクライアントさんと話す際にはできるだけ使わないようにしています。これからウェブ解析を学ぼうという意志のある人でさえ手を焼くくらい、ややこしい用語たちですから、全く触れてこなかったクライアントさんにはもはや宇宙人の言葉ですよね。
自分が理解しているからといって、その理解度を他者に強要しないようにという自戒を込めて。
それではまた来週お会いしましょう。