河井寛次郎記念館
京都に行くと必ず立ち寄ります。
一階リビングのハイバックチェアか、2階の窓際の無垢材の椅子がお気に入りで、何をするでもなく、ただぼんやりと小一時間ぐらい座っているだけです。
民藝運動の是非はもう散々語り尽くされたでしょうが、今の生活工芸という新しい酒は、民藝 という革袋から注がれているはずです。
『仕事が暮らし暮らしが仕事』は、恐らく河井の残した最も有名なフレーズですが、この記念館にいると、嫌味にもお説教にも聞こえない。
ただ素直に説得されます。
駒場の日本民藝館や 益子の濱田庄司の自宅は重厚(×偉そう)で少し気後れしますが、五条坂の記念館は一人の人間が志を持ち、それとともに没する事の意味を、さりげなく教えてくれているようです。
きっと存命中のご本人が浴びたのと同様に、五条坂を吹き抜ける心地よい風を受けながら、人生なんてあっという間なんだな、と改めて思い直します。
そうそう、動画内のにゃんこは記念館館長のえきちゃん(駅ちゃん)
名前の由来は記念館の方にお尋ねください。
他のネコのような、爪研ぎのために柱をガリガリやったり、障子を突き破ったことも一切なし。気が向けば、どんな客とだってからむし、ご機嫌が斜めだとどこにいるのか、見つからない。
もともと迷い猫だったようですが、今日も悠然と記念館内を巡回しているはずです。
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