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0. はじめに

はじめまして、工芸品の店 侘月(わびつき)です。

侘月は日本の工芸品を取り扱うライフスタイルストアです。工芸品とは、その土地に暮らす人々が、その土地に根ざした材料を使用して美しくデザインされ、その土地に調和する方法で生産されてきた、生活に根ざした伝統的な実用品です。工芸品の在るライフスタイルの提案を通して、日常生活が自然体で持続的に美しいものになることを目指しています。(2024年11月時点、実店舗は持たず、オンラインストアのみでの販売)
侘月についての詳細はこちらから https://wabitsuki.jp

「諸国工芸名所百景」は侘月が工芸品の産地を巡った際の道中記です。
全国各地の工芸の名所で見て知って感じたことを書き記していくシリーズとなります。 

工芸品の産地の情報を使い手に伝えることは工芸品の店 侘月の一つの役割であると考えています。この道中記が、そんな役割を果たす一つの手段となることをささやかに願っています。 

「諸国工芸名所百景」という題名は、『諸国名所百景』という題の浮世絵の連作から着想を得ています。 江戸時代、日本国内で空前の旅ブームが発生し、各地の名所を描いた名所絵と呼ばれる風景浮世絵も人気を博していました。デジタルの情報がなかった江戸時代、全国津々浦々の名所を刷ったアナログな風景画は最新の旅情報だったようです。人々に旅気分を味わせたり、旅の思い出に浸らせたりしたのかもしれません。

「浮世絵師が名所絵を通して各地の名所を伝える」という江戸時代の構図を、「工芸品店が道中記を通して各地の工芸名所を伝える」という令和時代の構図に書き換えてみたものがこの道中記です。

そういったことを考えつつも、一番の想いは、
読んでくださった方が旅気分に浸れるような道中記。
さらに言えば、そこへ行きたくなるような道中記。
そういったをものを目指していきたいと思っています。 

・・・

少し話が前後しますが先にふれた浮世絵の名所絵には、葛飾北斎の『富嶽三十六景』、歌川広重『東海道五十三次』『名所江戸百景』などの有名な作品があります。そんな中でなぜ二代歌川広重『諸国名所百景』から題名の着想を得たのか。それは次回、1. 江戸神田神保町 に続きます。

0. はじめに 終

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