カードスリーブを角丸加工する
いつからボードゲームのカードにスリーブを盲目的に付けるようになったのでしょうか。
最初は、いつでも入手できるゲームのカードにはスリーブを付けないという方針でした。代表的なゲームは「カタン」です。「カタン」であれば、大型スーパーのおもちゃ売り場でも扱いがある定番ゲームですので、タイルやカードが劣化したら買い替えることができます。
しかし「ドミニオン」からカードを主体とするトレーディングカードゲームのようなボードゲームが出始めますと、こんな理由でカードの消耗が早くなりました。
カード同士の擦れ、それにともなう角、側面部分の破損
カードを長い時間手に持つことによる皮脂の付着、カード同士の貼りつき
1番目はゲーム中にカードを良くシャッフルしたり、誰よりも早くカードを取るようなゲームで起こりやすい破損です。「ドミニオン」あたりが該当します。「ドブル」はカードを丸くすることで耐久性を上げているんだなと感心します。
2番目は不特定多数でのボードゲーム大会でカードを持つようなゲームを長時間遊びますと、大量の皮脂がカードに付着して、これが粘つきや貼りつきの原因となります。スリーブを付けていればセスキ炭酸ソーダなどのアルカリ剤で拭き取ることができます。
1. 多くのスリーブはなぜ角丸加工していないのか
私がカードスリーブの存在を知ったのはNBAのトレーディングカードを収集し始めたころでした。お気に入りのトレーディングカードのコンディションを維持するため、カードスリーブに入れてカードが傷つかないように、またカードの角が折れないようにしていました。
それは海外製スポーツ関連のトレーディングカードは、以下の画像のようにカードの角を角丸加工をしていないものが多いため角がすぐに折れてしまうからです。
その後「マジック:ザ・ギャザリング」では、トレード価値の高いカードを傷めずにデッキで使いたいということでスリーブに入れました。そうなりますと他のカードもスリーブに入れる必要が出てきたわけです。
当時はすべてのカードをスリーブに入れる金銭的な余裕はなかったため、デッキを構築するたびにスリーブを入れ替えていました。しかしソフトスリーブはカードの入れ替えを繰り返すとすぐに伸びてしまうため、途中からUltra Proのハードスリーブを使うことにしました。Ultra Proというと現在は高級品ですが、当時はハードスリーブの選択肢がこれくらいしかなかったのです。しかしそれからはソフトスリーブを付けたカードの感触に違和感を覚えるようになりハードスリーブ一択となりました。
「マジック:ザ・ギャザリング」の頃から大半のトレーディングカードゲーム、ボードゲームはカードの角を3~5mmの角丸加工しているのですが、カードスリーブは依然として角丸加工していないのが主流です。やはり価値の高いカードを大切に保存するということが優先されているのか、それとも加工に手間がかかるのでしょうか。次の章で検証していますが、特に5mm径の角丸加工になりますとスリーブ自体のサイズをさらに大きくしないと穴が空いてしまいますので、そのあたりが理由かもしれません。
2. スリーブに入れたいが触感を近づけたい
カードの汚れや傷みを防ぐためにカードをスリーブに入れるのが現状では最善です。しかし前述のとおり角丸加工したスリーブは非常に少なく「カドまるスリーブ」くらいです。
角丸処理していないスリーブでボードゲームをすると、たまにスリーブの角が爪の間に入って痛いという話を聞きますし、せっかく紙カードでゲームをしているので、触感を近づけたい気持ちが強くなりました。そこで始めたのが手作業でスリーブを角丸加工していく作業です。コーナーカッターの3mm径で四隅をスリーブ1枚ずつ切っていきます。
実際に「ウィングスパン」のカードを角丸加工しました。このゲームはカードを手に持つ時間も長く、配置したカードの下に他のカードを差し込むといったアクションもあるため、触り心地を良くしたいと考えていました。
3. スリーブの角丸加工で穴は開かないのか
カード下部を角丸加工するとスリーブに穴が開くのではないか心配するかもしれませんので検証しました。以下のソフト/ハードスリーブで3mm径、5mm径で角丸加工を行い、水を注ぎ入れたときに角丸加工した箇所から水が漏れないかという確認方法です。
トレーディングカードのスタンダードサイズで使う「ホビーベース T.C.G.ハード」
トレーディングカードのスタンダードサイズで使う「ホビーベース T.C.G.ソフト」
「ウィングスパン」で使う「ホビーベース ボードゲームサイズ・ハード」
「ドミニオン」で使う「ホビーベース ユーロサイズ・ハード」
使った角丸加工の工具は「コーナーカッター かどまるPRO」です。こちらは1台で3mm、5mm、8mm径の角丸加工ができます。
結果は以下のとおりです。要は穴が開かないのはハードスリーブで3mm径の角丸加工一択ということです。
ハードスリーブであれば3mm径の角丸加工しても穴は開きません
ソフトスリーブは3mm径の角丸加工で穴が開きます
ハードスリーブでも5mm径の角丸加工は穴が開きます
「ドミニオン」、「Splendor 宝石の煌めき」などのボードゲームのカードは5mm径の角丸加工されています。形を揃えるのであれば穴が開いても5mm径の角丸加工にするという選択もありますが、個人的には穴の開いた角を触るとスリーブがめくれる感触がありましたので3mm径の角丸加工にしています。
手間は非常に掛かりますが、改めてカードを見ながら楽しく作業できますし、音楽やラジオを聴きながらの作業としてもおすすめです。
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