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時事問題をシステムに組み込んだボードゲーム「アティワ」

週末がようやく来ました。今週も金曜の夜にゲームマーケットで購入したゲームを遊ぶ一週間の努力が報われる時間がやってきました。今週はホビージャパンのワケアリ品コーナーで購入した「アティワ」を遊びました。こちらはウヴェ・ローゼンベルクさんの最新作で、この方といえばワーカープレイスメントのゲームです。

ゲームマーケットから帰ったときは箱のへこみは激しいものの、中身は問題ないと思っていました。しかし駒を仕分けしていましたところ、半身のヤギが一体いました。特にゲームに支障がない上にワケアリ品なので仕方ないです。

半身のヤギ

ワーカープレイスメントというゲームシステムは、ボード上の駒を置けるところに自分のワーカーを置くことで資源を得ることができるゲームです。例外はありますが1つの場所は先着1人しか駒を置けないことが多いので、人数が増えるほど人気の場所は取り合いになります。

このゲームはワーカーをボードに配置することで資源と土地の両方を取得できます。土地は8カ所に区分けされており、区分けされたマスごとに置ける資源の制約があります。資源を土地に置かないと勝利点が伸びないため、資源を集めながら資源を置くための土地をバランスよく獲得する必要があります。

1.テーマ先行のボードゲーム

ワーカーをボードに置いて資源や土地を集め、土地を資源で豊かにしていくというところまでは非常に良くできたワーカープレイスメントです。
ここからこのゲームのクセがでてきます。ゲーム中では得点ウェイトの高い住民を増やすことになりますが、「教育された住民」と「教育されていない住民」ではゲーム内の振る舞いが変わります。(翻訳では訓練された住民と表現されています)
「教育されていない住民」はもたらす財産が不安定(教育された住民より高いこともある)で、また生み出す際に土地の一部を汚染して永久に使えなくさせます。また住民が生活するためには生活費を支払う必要がありますが、もとの環境に戻すために必要なオオコウモリで支払うことが可能です。
「教育された住民」はもたらす財産が一定で、財産を生み出すときに土地を汚染しません。また将来的な緑地化に貢献するオオコウモリを生活するための資源ではなく共存する生物として扱います。

ゲームをプレイさせながら、あなたはどちら側の住民ですかと問いかけられている感じがテーマ先行を感じさせます。

2.オオコウモリを中心に据えたわけ

本来、オオコウモリは森に植物の種をまき、森林を保持する役割を担っています。しかし「教育されていない住民」の都合で排除されることで森が減少し、オオコウモリの減少に拍車をかける悪循環が起こっているそうです。
もし「教育された住民」が増えればオオコウモリと住民が共存し、森林が戻るのではないかという仮定の上で資源の動きをシステムとしてゲーム内で再現しています。

得意なシステムにテーマ性をルールに組み込むことにより一味ちがう演出をしているのかも知れませんが、私は少々説教くさいと思いました。それは自身が「教育されていない住民」だから感じたのか、あるいはボードゲームを遊んで感じる必要があるのかという違和感からだと思います。
個人的にボードゲームのシステムに生々しさは不要かなと「アティワ」を通して思いました。ゲームとしてはかなり短時間で手軽に遊べるワーカープレイスメイントのボードゲームだと思います。一番時間が長く感じるのはゲーム準備する時に個人ボードに配置する資源と思うくらいにゲーム自体の展開はスムーズです。

BGGでもそんなに評価が低いわけでもないのに売れていないのか値引きが大きい理由はこのあたりに原因があるのかもしれません。

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