見出し画像

SCOUTのドイツボードゲーム大賞を期待しつつカード/サプライカード兼用スタンドを作る(1)

いよいよ2022年のドイツボードゲーム大賞の発表まで約1週間となりました。(現地時間2022/7/16 18:00に発表)

今年は国産ボードゲームの「SCOUT!」がノミネートされており、期待が膨らみます。ノミネート作品になるまで知りませんでしたが早速購入して遊びました。ルールは一度覚えてしまえば非常にシンプルで、ご高齢の方と遊んだ時にも分かりやすくて、ゲーム時間も短くて良いと高評価でした。

詳しい内容は開発元の「ワンモアゲーム!」様がルールのpdfを公開しています。

特徴としては以下の2点があります。

  • 最初に配られたカードの順番を変えずにゲームを始める(手札全体の上下反転は良い)

  • カードを場に出す代わりに他プレイヤーが場に出したカードの両端いずれかを「スカウト」すると、スカウトしたカードを場所、上下を好きなように自分の手札に入れることができる

◇ 発端

「SCOUT!」を4人で遊んでいたとき、前述のご高齢の方から、「配られた手札を崩さないように意識しながらカードを持っていると手が疲れるね」という意見がありました。たしかに手札も11枚ありますし、それもそうだと思いました。
そこで少し前にイエローサブマリンで見かけた「ボードゲーム屋さんがつくったカードスタンド」を思い出しました。

250 x 25 x 14mm(幅 x 奥行 x 高さ)の木材に幅2mm、高さ8mmの溝が斜めに彫ってあります。これを購入しようと思ったときに昔からドミニオンのようなサプライカードがあるゲーム用にスタンドが欲しかったことを思い出しまして、どちらも兼ねるものを作れないか手持ちの端材で試作することにしました。

◇ 仕組みを考える

カードスタンドに対してサプライカードスタンドはカードが2枚以上のためカードを重ねることができませんし、溝の幅を変えないといけません。
そこで木材に溝を掘るのではなく、板の上に溝の高さ分の板を重ね、重ねた板を移動させることで溝の幅を調整したいと思います。板同士は6mmのネオジム磁石で固定します。
またカードを挟む両側の木の高さを変えることでカードを斜めに安定して置けるようにします。

制作物イメージ(横面)、左はサプライスタンド時、右はカードスタンド時

◇ 寸法を考える

どのようなカードゲームに対応するかでカードスタンドの大きさが決まります。あまり大きいと持ち運びに支障が出ますので、対象ゲームを以下に絞りました。

  • SCOUT!

  • ドミニオン

  • イーオンズエンド

カードスタンドとして使うときはカードを重ねて使いますので、カードスタンドの幅はサプライカードを置くときの寸法で考えます。幅を一番必要とするのが、4枚並べるドミニオンです。ハードスリーブに入れたドミニオンのカード寸法は66mmで、幅に5%の隙間を入れますと約280mm(66 x 4 x 1.05) です。

溝の幅は最小は2mmで、最大の場合は36mmとします。最大幅につきましてはドミニオンのカードの厚さが0.6mmで、最大で40枚置かれるカードがあります。垂直にカードを置くとカードを取りづらいため、幅を1.5倍して斜めに収まるように36mmとしました(0.6 x 40 x 1.5)

展開図は以下のようにしました。ダイソーの6mm MDF板を使うことを前提としているため、溝の深さを6mm以上にする場合には板を貼り合わせます。丸いところは6mm ネオジム磁石を埋め込みます。接着するときはN極、S極に注意します。

展開図(上から背面板、底板、溝幅の調節板 x 2(貼り合わせます)

◇ 必要なものをそろえる

今回も極力100均でそろえていきます。材料だけであれば最初は550円ですが、2枚目以降は300円以下になると思います。

1. MDF板

屋内でのみ使うこと、加工がしやすいことから厚さが6mmのMDF板を使います。カードスタンド1個につき1枚使用します。

2. ネオジム磁石

溝を固定する直径6mmのネオジム磁石です。小さいですが、期待以上の強さで固定してくれます。カードスタンド1個につき6個使います。

3. エポキシ系接着剤

MDF板にドリルで幅6mm、厚さ3mmの穴を開けてネオジム磁石を埋め込みますが、固定には接着剤が必要ですので硬化してくれるエポキシ系接着剤を使います。

4. 木工用ボンド

背面板と底板を固定する接着剤です。

5. クッションゴム

カードスタンドが滑らないよう、ゴム足を付けます。

6. 電動ドリル

6mmのドリル刃を使ってMDF板にネオジム磁石を埋め込む穴を開けます。磁石は厚さ3mmのため、3mmより少し浅い穴を掘ります。これ以上の穴を掘って磁石を入れますと、磁力が非常に弱くなります。

7. ノコギリ

MDF板を切るために使います。MDF板でしたら、ファミリーソーで十分です。

8. ニトリルゴム手袋

エポキシ系接着剤を使うときには手袋をしておいた方が良いと思います。

9. クリアファイルを切ったもの、ようじ

エポキシ系接着剤を混ぜるときにクリアファイルを切ったものの上で混ぜ、ようじを使って接着面に塗っていきます。直接接着剤を入れると接着剤跡ができてしまいます。

◇ 試作する

家にあった端材で作ってみました。MDF板が足りず、背面版は25 x 25mmの角材で代用しました。

まずはSCOUT!のカードスタンドとして使った場合です。磁石を固定した接着剤跡が汚いです。直接塗らなければ改善すると思います。

カードスタンドとして使った場合

カードの溝を広げてドミニオンのサプライ スタンドにしました。一番多いカードは銀貨の40枚です。ハードスリーブに入ったカードが40枚になりますと重さもそれなりに出てきます。磁力が足りないと思ったら真ん中にもう一つ追加します。

サプライスタンドとして使った場合

次回は試作の反省を踏まえて制作したいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集