観るまでシネマ撰 幻のSF映画
知らないひとのための、映画版 第四間氷期
さて…。
昨夜(ここでは2021年10月10日 日曜日を指す)から始まったドラマ版日本沈没。
映画化2回、ドラマ化2回、アニメ化1回…。
もう充分だと思いませんか?
(今にして思えば、世間の小松御大信者を敵に回した瞬間は、まさにこの時だったのだ…。)
だからこそ僕は、今こそ敢えて安部公房原作の”第四間氷期”を持ち出してみたい。
本作は、思春期の僕のその後の人生観にすら影響を及ぼしたSF小説なのだが、実のところ、タイトルは知っていても、読んだ人は少ない作品でもある。
まー。
初版が1959年刊行でもあるし、作者も作者(笑)だから、敬遠している”読まず嫌い(笑)”な向きも少なくないのかもしれない…。
駄菓子菓子…。
1970年に新潮文庫から刊行されて以降、本作はただの一度も絶版になっていない今も手軽に入手出来る”幻のSF小説”なのである。
文庫の電子書籍化には慎重な新潮(笑)なので、紙の本で読むしかないがな…www
無論、僕も文庫で持ってはいるけど、老眼が進行して以降、当時の新潮文庫の活字サイズはもうキツくてなぁ…www
で、まぁ。
それはさておき…。
それでも尚、コアなファンがいる作品だし、僕だってそのコアなひとりな訳で…www
だから、世界に通用する本格的なSF映画を欲した東宝が、1966年に映画化企画をぶちあげたとしても何の不思議もない。
実際、監督として堀川弘通が立候補し、原作者自身の手で脚本も書かれたのだから。
そして、これは秘話でも何でもない。
脚本脱稿後、当時の映画専門雑誌に全文が掲載されているし、経緯はwikiにも載っている謂わば、秀知院学園、周知の事実!(by ラブ探偵チカ♡かぐやさま)なのである。
なに?
そんな昔の雑誌に載った脚本に興味があったとして誰が持っているのか…と?
それこそネットオークションで法外な値段をふっ掛けられるのが関の山ではないかと?
(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
…とご指摘を受けそうだったので、冒頭に証拠(笑)写真を挙げたのだよ…www
ちなみに僕はたいした苦労もせずにこのコピーを手に入れている。
えぇ、国会図書館のコピーサービスを利用して、実費分だけで自宅へ郵送して貰っただけっす。
つまり、この脚本は誰でも読もうと読めるし、何なら在京の人なら実際に国会図書館へ行けばえぇやん???
※国会図書館所蔵の書籍コピーは著作権法に基づいた複写物なので、著作権者の許可がなければ、転載、もろもろが出来まへん。
だから、ここに引用は出来ないのであらかじめご了承ください…www
読みたい人は国会図書館へGO!
(* ̄∇ ̄)ノ
と、これだけで終わってはこの記事には何の意味もない。
えぇ、ここからが本旨です。
とにもかくにも”第四間氷期”の話である…www
本作はその発表当時から諸々の物議を文壇のみならず、後年のSF界にも何度も波紋を投げかけているいわゆる”問題作”でもある。
が、その辺の小ネタも、それこそwikiにも載ってることなので、ここでは割愛する。
第四間氷期のキーワードは、大雑把に云うと三つある。
・最新の電子計算機によってもたらされる最悪の未来予測。
・海洋面上昇による全世界水没の危機。
・人類の生き残りを賭けた国家主導の極秘プロジェクト。
ほら、ね?
何かこう、いまさら日本沈没のリメイクじゃなくてもこれでも良くない?
(あくまでも個人の極論と暴論です)
(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
無論、発表当時から半世紀を過ぎているから、当然、登場するガジェットや下敷きとなっている科学考証もすっかり過去のもの…だが…。
だが…駄菓子菓子!!
敢えて云おう!!
それは本作のテーマを描くにあたっては瑣末な問題でしかない!!
とっ!!
パンチカードでプログラムを入力する予言機械と呼ばれる電子計算機は、今なら量子コンピューターに置き換えれば良い。
地球環境全体の温暖化による海面上昇など、その原因が違っても、要は世界が水没する未来が描ければ良いので、ノープロブレム。
さらに今は否定されている医学説に基づく極秘プロジェクトなど、いくらでも最新の生物工学技術やら何やらで練り直しても、そんなにプロット改変もしくは逸脱には至らない。
そう!
第四間氷期とは、そう云う作品なのだ。
刊行当時の最新科学は文字通り、物語を語る上でのガジェットでしかないのだ。
だから、社会情勢も含めて、マルっと全部、イマドキのものに置き変えて、現代を舞台に設定し直しても、何の問題もないのだ!
ないのだ!
ないのだ!
ないのだっ! だっ! だっ! だっ! だっ!….(各自脳内エコー再生希望)
大事なトコだから3回云ってみました。
そして、是非とも機会があったら、まずは原作を。
そして、さらに興味がある向きは、是非ともシナリオも。
で…。
もし、当時、この映画化企画が通っていたとしたら…と想像して戦慄するが良い。
まだ”2001年宇宙の旅”は公開されていない時代である。
いやさ、原作に至っては小松御大も筒井師もデビューする前、そもクラークの”幼年期の終わり”が発表されたのは1953年であり、そのわずか6年後に日本のSFはこの聖域に到達していたのであることよ…www
僕などあまりに愕然として、いまだに言語野がバグるレベルであるほどよ…www
あの時、映画”第四間氷期”が公開されていたら世界のSF映画の、いやさ映画史そのものに確実に衝撃を与えていたであろうことは、ただの映画ヲタの個人的妄想ではあるまいて…。
それに…。
これをただの過去の企画案にしてしまうのは、勿体ないと思いませんか?
でね…。
僕、個人は、原作発表当時の現代、すなわち昭和34年の日本と世界を舞台にして、現代の最新映像技術を駆使した映画として見てみたいのよねぇ…www
だって、今や“3丁目の夕日”だって撮れる時代なんだから、これも当時の空気で撮ってみたら…。
あ、何だ?
あんたら???
え?
“委員会”って何だよ???
あ!
いったい何を!!
コッチャコイ(・_・ )=C(o;_ _)o…..ズルズル
(以下音信不通)