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デザインの力で株価2倍に...?! 企業の価値を高めるコーポレートサイトリニューアル|株式会社ダイブ 【制作事例】

株式会社ダイブは、【一生モノの「あの日」を創り出す。】をミッションに、観光HR事業や地方創生事業など観光業の課題解決のためのサービスを提供しています。2024年3月には東京証券取引所グロース市場へ新規上場し、さらなる成長を続けている同社のコーポレートサイトリニューアルをワヴデザインが担当しました。今回のリニューアルはどのように進められたのか、そしてリニューアルがもたらしたものは何か?両社の担当者たちによる座談会を通して振り返ります。

こんな方にオススメ
⚫︎上場をひかえ、投資家に向けて企業価値をアピールしたい企業担当者
⚫︎
株式会社ダイブに興味を持っている方
⚫︎ビジネス理解力や本質的思考力のある制作会社を探している方

プロフィール
増田 勇人(株式会社ダイブ/CMO 兼 地方創生事業 GM)
ソーシャルゲーム業界を経て、2016年にダイブ入社。WEBマーケティング/ディレククターとして従事し、2019年から自ら新規事業で発案した地方創生事業の立ち上げ。2023年からCMOに着任。今回、ダイブのリブランディングの全体統括を担当。

工藤 紗奈(株式会社ダイブ/マーケター)
2020年にダイブに新卒入社。観光HR事業部のマーケティングチームに所属し、コンテンツ制作やフロントサイトリニューアルに関わる。今回のサイトリニューアルのメイン担当。

松本 龍彦(Wab Design INC. / CEO、クリエイティブディレクター)
ショップスタッフ、デザインプロダクション、アパレルのグラフィックデザイナーを経て2003年に独立。2006年ワヴデザイン株式会社を設立。主に衣食住の分野に豊富な知識と実績をもつ。本案件では、クリエイティブディレクションを担当。

武藤 真理子(Wab Design INC. / デザイナー) 
印刷会社・制作会社を経て2018年にワヴデザインに入社。主にデジタル関連のアートディレクションとデザインに関わる。本案件では、情報設計・アートディレクション・デザインを担当。

安藤 名穂(Wab Design INC. / ディレクター) 
ホテル運営会社を経て2022年にワヴデザインに入社。主にデジタル関連の制作進行、ディレクション、デザインに関わる。本案件では、制作進行を担当。


両社の出会い

第一印象は無愛想…?

ーまずは両社の出会いや、お互いの印象について聞かせてください。

増田:当時業務委託でお付き合いのあった方からワヴデザインさんをオススメされて、コーポレートサイトからお問い合わせさせていただきました。正直、打ち合わせの感じは、ポジティブにいうと落ち着いてる、ネガティブにいうと無愛想な感じだったのかも(笑)。

株式会社ダイブ CMO 兼 地方創生事業 GMの増田さん

武藤:そういう風に見えてるんですね(笑)。社内にも共有し、うまく改善していきます…!

増田:営業マンによくある何にでも「良いっすね!」みたいな明るいノリではなく淡々とされてたので。でも複数社検討した中で一番、落ち着いて話が出来、会話が表面的にならずに成り立っていたという印象がありますね。信頼出来そうだなと思いました。

安藤:私は前職が観光業だったので、観光業の難しさはある程度理解しているのですが、コロナ禍がありつつも成長してる企業だったので、これからどんどん大きくなっていく企業だろうなという印象を持っていました。

進行管理を担当したワヴデザイン 安藤


プロジェクトの概要

失敗できないプロジェクト

ー今回のコーポレートサイトリニューアルにおいては、どんな課題がありましたか?

増田:上場にあたり、失敗できないプロジェクトでした。LPと違って、表層的にデザインされるとちょっと困るなと思っていたので、ビジネス理解力や本質的思考力を重要視していました。その点、ワヴデザインさんは本質的思考力とデザイン性が高い評価だったのでお願いすることになりました。

上場にあたり、信頼できるデザインパートナーを探していた。

松本:プロジェクトのメインターゲットが投資家ということもあって、事業内容やビジネスモデルの理解を深めるところに時間を掛けましたね。規模も大きくなって、やっている事業も多角的になっていったので、注力している事業とその競合優位性を聞いたりとか。

増田:予算感については、最初にご提示いただいた見積が概算だったので見込みが少し立てづらいかも?と思いましたが、打ち合わせの中で「STUDIO」を提案してもらって、これなら収まるな、と。


制作のプロセス

クオリティの高いワイヤーフレームから意図を汲み取る

ー具体的にはどのように制作を進めていきましたか?

松本:業務的には振り分けて進んで行きましたね。情報設計はダイブさんで担当して、ワイヤーフレームを書いていただく。できたワイヤーフレームに対して、こちらがサポートしたりアップデートしたり。

工藤:ワヴデザインさんがどういう意図で提案をしているのか、提案の背景までお伝えいただいたので、納得感を持ってワイヤーフレームをアップデートしていけたなと思っています。

株式会社ダイブ マーケターの工藤さん

松本:制作側の意図と、ユーザー側の受け取り方は相違があることが多いので、自分たちが双方の視点をくみ取って、客観的な立場でお伝えしサポートしました。

ープロジェクトを進めていく上で、印象的だった点はありますか?

安藤:ダイブさんに引いていただいたワイヤーフレームのクオリティが非常に高くて、武藤と一緒に「もうデザインになっている!」という話をした記憶があります。

武藤:これを絶対超えたデザインをしないとまずい、みたいな気合いが入りました。

アートディレクションを担当したワヴデザイン 武藤

増田:こちらとしては80点で出したワイヤーを120点のデザインで返してくれることを期待しているんですけど、大体80点のデザインで返してくる会社さんが多い気が(笑)。そこに関してワヴデザインさんは、こちらの意図を汲み取って150点くらいに発展させて返してくれたんで、その時点でこのプロジェクトは成功するなと思いました。

松本:ワイヤー通りでも良いものにはなりそうだったのですが、使い勝手や伝え方に関しては、もう少しデザインの力で改善できそうな部分があるなと思って。週1回の定例ミーティングで、思考の整理マップを見て頂きながら丁寧にコミュニケーションをとっていたので、両者の認識にズレがなかったというのも質の高い提案ができた大きなポイントだと思います。

ヒアリングシート。こちらを基本とし、追加の質問をしてダイブさんへの理解を深めていった。
思考の整理をし、キーワード、ポイントとしてまとめ、デザインの方向性を決めていった。
ダイブさん制作のワイヤーフレーム。
ここに縛られないように意識をし、分かりやすく伝わるデザインを目指した。
デザイン。Figmaにて、思考の整理、WF、デザインを行い、いつでも行き来が出来るようにした。
また、週次のミーティングは軽微な進捗共有、認識のすりあわせも行い、必ず開催することでチームの一体感が醸成されていった。


良いものを作る上で重要な関係性

増田:あとはオンラインミーティングで進めてたんですけど、夕方の定例ミーティングの時間になると、自宅から参加してる松本さんが窓からの夕日を浴びて、夕焼け色に染まっていたのもエモーショナルで印象的でしたね(笑)。あの時は度々ネタにしてしまい、すいません(笑)。

一同:笑

良い空気感のお二人。組織のフラットさがうかがえる瞬間。

武藤:増田さんがいつも和ませることを言ってくださったので、良い空気感で制作を進めることができました。

ーその空気づくりは、受託側からすると非常にありがたいですね。

増田:やっぱり発注元と外注先という関係性になってしまうと良いものはできないと思っていて。利害関係はあれど、いかに1つのチームになれるか、いかに高いモチベーションでコミットするかというのは良いものを作る上で非常に重要だと思っています。ハイクオリティーを求めるなら、フィードバックしつつも、褒めるというのはクライアント側は絶対に意識したほうがいいです。


プロジェクトを振り返って

結果にコミットし、価値のあるものが出来上がった

ー完成したコーポレートサイトはいかがですか?

増田:上場したときにどうなるかが定量的な評価基準となったのですが、初値が公募価格の2倍近くに跳ねるという結果を出せました。企業と一般投資家が接するのって成長可能性資料とコーポレートサイトくらいしかないので、目指してたゴールに対して、適切なクオリティーを発揮できてたんだなと思いますね。

ダイブさん上場時の映像を制作メンバーで鑑賞。
デザインが経済に及ぼす影響を定量的に示したプロジェクトだった。

工藤:上場をひかえたタイミングでのリニューアルだったので、サイトに求められているものが大きい状態で、まずは無事にリリースできたという安心感と、ダイブがどんな会社でどんな価値を提供しているのかがしっかり伝えられるサイトになったというのは弊社にとって非常に価値のあるものが出来上がったなと思いました。

ー社内の反応はいかがでしたか?

増田:もうめちゃくちゃよかったですよ。

安藤:盛り上がってる社内チャットのキャプチャを共有していただいて、すごく嬉しかったですね。担当者以外の感想を聞く機会は少ないので貴重でした。

共有してもらった社内チャット。
嬉しい反響に、ワヴデザインのメンバーも安堵と共に喜びが。
完成したコーポレートサイト。ファーストビューの動画が印象的な仕上がりに。
WEBサイトのデザイン

武藤:今回のリニューアルの目的とはまた別にはなるんですけど、インナーブランディングとして、自社のコーポレートサイトを働く皆さんに気に入ってもらえたというのは励みにもなり、嬉しかったですね。

増田:投資家がメインターゲットではありましたけど、人事的にもエンジニアを口説きやすくなったとか採用にもいい影響があったり、あとから副産物的に助かってるという声はもらえたりしましたね。デザイン軽視まではいかないですけど、僕自身マーケターなので「マーケティングの4P」などの仕組みが重要だと思ってたんですが、デザインがユーザーに与える情報量って本当に多いんだなって改めて感じましたね。デザインってすごいな、と。


今後の展望

観光業の中心にいるような企業を目指して

ー今後新たに双方で取り組みたいことなどがあれば聞かせてください。

増田:事業理解や本質的思考力がワヴデザインさんの優れているところだと思うので、そういったプロジェクトがあればまたご一緒したいですね。ビジネスサイドの理解をしている制作会社ってあまりないので、自社としてもお願いしたいですし、これから上場する企業さんにもオススメですね。

コーポレートサイトのリニューアルは、企業価値を高める上で有効な手段となり得る。

松本:我々としては「GLAMPICKS」とか、ダイブさんが手掛けているサービスをユーザーとして利用したいですね。リゾートバイト楽しそう!って社内でも盛り上がってましたね。

安藤:リモートワークだから頑張ればリゾートバイトできそうですよね。

増田:あ、じゃあ社内イベントでグランピングとかぜひ(笑)。

ー最後に、ダイブさんから事業のPRがあればぜひお願いします。

増田:それはもうコーポレートサイトを見ていただければ(笑)。でも、観光業が国からも期待されている産業だというのはまだまだ知られていないと思っていて。その中で、人材や宿泊などを起点に他の事業を展開していき、観光業の中心にいるような企業を目指していきたいというメッセージを、今回はデザインを通して表現していただきました。デザインで上げていただいた価値を下げないようにしていかないとな、と思っています。

ダイブの本社にて。ミーティングは常にオンラインだったので初めての対面。
最初は様子を伺いつつもすぐに慣れ、終始和やかな雰囲気で座談会は行われた。

Credits
Client: Dive
Creative Director: Tatsuhiko Matsumoto
Web Director: Naho Ando, Sachino Iwasa(Re:design)
Art Director: Mariko Muto
Designer: Mariko Muto, Naho Ando, Saho Ogura(Re:design)
Developer: Saho Ogura(Re:design)

製作期間
ヒアリング:0.5ヶ月
情報設計:1ヶ月
デザイン:1.5ヶ月
構築:1.5ヶ月

使用ツール
miro、Figma など

撮影 / 新江 周平
聞き手・文 / 佐藤 教子(Wab Design INC.) 



株式会社ダイブ
Diveは、【一生モノの「あの日」を創り出す。】をミッションに、観光HR事業や地方創生事業など観光業の課題解決のためのサービスを提供しています。リゾートバイト紹介サービス「リゾートバイトダイブ」やグランピング施設・アウトドアホテルに特化したWEBメディア「GLAMPICKS」など幅広く事業を展開しています。



ワヴデザイン
ワヴデザインは、ブランディングやデザインコンサルティング、サービス開発支援などを手掛けるデザインファームです。領域を定めず、本質的な発想で課題の抽出から戦略立案、クリエイティブ制作まで幅広く価値を提供しています。