
スウェットロッジというもの ①
それに出会って何年が経つだろう
知ったのは随分前だったと思う
繋がる人のFacebookで子宮回帰という儀式があるのを知り興味をひかれたが、まだまだ自分には遠い存在だな、いつか、と思っていた
自分が体験することになったのは3年前の2019年の2月のこと
それから通算6回めのスウェットロッジ
そのうちの2回はヴィジョンクエスト=ハンブレチアという同じくネイティブアメリカンに伝わる儀式の最中に行われるスウェットロッジで、スウェットロッジだけを行う時とは自分の中で少し違う位置づけになるので純粋にスウェットロッジを体験するのは4回目となる
毎度毎度カンカンに焼かれた溶岩がどんどんスウェットロッジの中に運び込まれている最中に恐れがやってくる
ああ、また始まる
それまではスウェットロッジに入れることを嬉しく思いここに来るのに、運び込まれる石を見ながら後悔が始まる
なんでまた来たんやろ
今回はどうなるんやろ
そんなことを思って恐怖がどんどんと湧いてくる
扉が閉じ、目を閉じているのか開いているかもわからない真っ暗闇の中で赤く焼けた溶岩のほのかな色味がチラッと見えそしてまた暗闇が訪れる
祈りの言葉がはじまり、歌がはじまり、熱くなってくる室内と比例して怖さが増してゆく
そんなとき落ち着きを取り戻してくれるのはいつもスウェットロッジの始まりにきくこの言葉
ここは母なる地球の子宮の中
熱々に焼けた溶岩はその胎盤であり
自分のへそから伸びたへその緒をその胎盤と結ぶ
私は守られ、ここは安全な場所である
…
スウェットロッジに行く前に何故スウェットロッジに入るのかとぼんやりと自問してみた
祈り
それはスウェットロッジとは切り離せない
想像を超える暑さの中で人々は祈りを捧げる
こうありたいと願う 祈り
こうあってほしいと願う 祈り
宣言することも 祈り
感謝することも 祈り
そしてなぜこうなのかと尋ねることも 祈り
昔セレモニーリーダーに様々な祈りの形があると教えてもらった
最近の私は自分の肚からの声がきこえていないような感覚になっていた
思考優位で生きてきたが、ようやく感覚に目を向けられるようになりつつも、最近はその感覚を感じることが少なくなり、そしてからだも重かった
私がこのスウェットロッジに出会い、惹かれた理由はいくつある
生と死、生まれ変わりの儀式と言われていること
自分の体験したことのない未知の世界を体験してみたかったこと
そして、このセレモニーの間祈りと共に歌われる歌に無性に惹かれたこと
ネイティブアメリカンのラコタ、スー族の言葉で歌われるこの歌はもちろん初めてきく歌であったし、言葉の意味もわからない
それでもパニックになりそうでどうしていいかわからない灼熱の暗闇の中でこの歌を歌うことで正気を保てたし、そして終わってからもこの歌を歌うと喜ぶ自分がいて、もっともっと歌いたいという欲求が湧いてきた
ネイティブアメリカンというものに深く触れたのはこのときが2回目だったが、スウェットロッジの中に入る前にしたワークショップでも衝撃の体験をした私は、この世界をもっと知りたいと思うようになっていった
話を戻すと、1年ぶりにスウェットロッジに入りたい気持ちもあったし、昨年知り合った友人が10年ぶりくらいにスウェットに入りたい、入るときは私と一緒に入りたいと言ってくれて、私もそうしたいなと思い早々にそれが叶った
純粋に私は何を祈りたいのだろうと自問したとき
自分の中とつながる感覚を取り戻したいと言う気持ちがあることに気づいた
私にとって歌うことは自分や自然と繋がるツールでもあった
ただ自分の声をからだに響かせたい
肚から出る声をからだに感じたい
今の自分の声はどんなふうに響くのだろう
そもそも肚から声は出るのだろうか
今回の祈りはそんなふうに始まった
続く
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