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支援級か特別支援学校か・・・進路決定に至るまでにやったこと3つ

そろそろ来年小学1年の子たちは、就学先が確定する時期ですね。

軽度知的障害な5年の息子。
過ぎ去った進路決定時期を思い出しながら、綴ります。

保育園年長時代、
特別支援学校か地域小の支援級が
進路選択を決めかねていました。

自治体の答申結果は、
「支援学校相当」。

ただ、その結果に従う必要はなく、
自分たちで進路を決めてください
とのことだったので、
さらに悩ましい・・・
という状況でした。


1.支援学校の見学と体験

特別支援学校の見学や体験は、
正直参考になりませんでした。

むしろ不安になったのが実際のところ。

というのも、親的には、
自分の小学校時代とは程遠い授業風景。

教壇にいる先生のお話をみんなで聞く

という風景はなく、
学習の時間は、
子供たちそれぞれに別々の課題に取り組んでいました。

学習時間は、一瞬(そう感じた)で終わり、
机を片付け、
イスを並べ、先生を中心に
なにやら手遊びがはじまります。

教室にはおもちゃが見え隠れ。

当時の我が子(保育園年長)の授業体験も、
知らない場所、知らない先生や子供たち
ということもあり、
息子自身が楽しんでいる様子もありませんでした。

こんなんで、学習になるのか?

というのが
支援学校に対する
はじめに抱いた印象。

2.地域小学校支援級の見学

一方、地域小の支援級も見学しました。
こちらは体験の受け入れがなかったので、
見学のみ。

支援級の種類としては、
大きく情緒学級と知的学級に分けられていました。

国語と算数だけは、
支援級で学習し、
それ以外は、通常のクラスでとのこと。

うーん…

国語、算数以外の授業時間は
通常クラスで
授業内容をほとんど理解できないまま
時間を過ごすことになるのか・・・

「無駄な時間が多すぎる・・・」

学習面では、
自分が経験した通りのイメージで
学習指導要綱に合わせて進んでいくスタイル。

表面的には、
学んでいる感はあるものの、
マスで進んでいく授業スタイルは
知的発達っこの息子にとって
学びになるのかどうか・・・

「ならないよな~」

と漠然と感じていました。

ただ、地域小なだけに、
1歳から5年通い続けた保育園のお友達が
たくさんいる。

顔なじみがたくさんいるほうが
学校生活を楽しく送れるんじゃないか?

母親的な迷いの焦点は
「園のお友達」「地域のつながり」
でした。

3.療育園へ相談

お友達問題と地域とのつながり問題で
進路を迷っている
ということを当時通っていた
療育園の先生に相談しました。

すると、
息子くんは社交性あり、
すぐにお友達はできますよ

地域とのつながりは、
居住地校交流という制度を利用して(現在は副籍制度)、
定期的に、地域小で
地元の子供たちと一緒に授業を受けられる

という助言をいただきました。

それよりなにより、
息子のようなまだ心身ともに
小学一年生として土台の固まっていない状態で
数字や文字を定型っ子と同じようなやり方で
学習していくのは、
長い目で見たときに身につきにくい、
余計に時間がかかる
という忠告ももらいました。

「やっぱり先生は支援学校推しですよね・・・」

っていう先生の気持ちをひしひしと感じながら
息子の人生を俯瞰して見たとき
彼にとってベストなのは?

【支援級】
・保育園からの顔なじみ
・国語、算数以外は通常級
・定型児にあわせた学習内容を加配付きで学習
・地域とのつながり

【支援学校】
・少人数制(1クラス6-8人に先生3人!)
・各生徒のペースに合わせて学習が進む
・一般小学校の(基本)教科書は使わない
・個人が尊重され劣等感を感じにくい

決め手はどちらの進路が息子の自尊心を育めるか

発達年齢が2歳遅れな息子。
2歳分を大人になるまでに取り戻すのが
非現実的なことは
かかりつけの医師からも聞いていました。

同年齢の子といると
圧倒的な年齢差を感じる

どう考えても

「合わない」

定型児からすると

「おもしろくないかも」

周りの友達と比較して
劣等感を常に持ちながら学校生活を送るのか、
個が尊重される場所で
マイペースにできることを積み上げていくのか。

実は、私を一番迷わせたのは、
当時、同じ発達年齢の子をもつママ友でした。

ママ友もまた進路に悩んでいたわけだが、
支援学校の学習内容では
我が子はどんどん定型児から離れ、
戻れなくなるのでは?

そうなる前に一度、
支援級でチャレンジする

という選択。

そうか、そういう考えもある。
わたしたち障害をもつ子の親は
可能性が少しでもあるなら、
定型の子として育てたい...
その道をなくしたくない
というような複雑な気持ちを常に抱いています。

なので、そのママ友の気持ちは
痛いほどよく分かりました。

だが、我が家の場合は
息子軸で考えたとき、
彼が伸び伸びと過ごせるのはどちらか?
という基準。

親的には地域の学校が・・・
という思いはあるが、
子供的にはそれが一番ふさわしいとは
限りません。

やればできる
あきらめずにやってみる

人より4倍も5倍もできるようになるのに
時間がかかる息子にとって
確実に、丁寧に
成功体験を積ませてくれるのは、
間違いなく

「支援学校」

子供ファーストで考えたとき、
心の成長に多大な影響を与える学齢期に
存分に自尊心を育める環境がいい。

悩んで悩んで選んだのは、
支援学校でした。

現在、5年生の息子。

漢字はまだ学習がはじまらず、九九もまだ。
まだまだまだまだカメの歩みレベル。

かたや小2の妹は
現在九九の暗記真っ最中。

でも、息子にとって、
我が家の選択は間違っていなかったと感じています。

それは、
彼が学校大好きで、
学校での出来事をつたない言葉で
一生懸命お話してくれる、
休日に学校行きたいと言う、
そんな日頃の様子から確信しています。

彼は、彼らしく、彼の人生を歩めばいい。

家族にできるのは、
彼が自分の人生を歩めるように
できる限り、最適な環境を設定してやることのみ

数年前、悩みぬいて就学先を支援学校に決めたときから
そう思っています。

ここまで、お付き合いくださった方、ありがとうございます(感謝)

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