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西オーストラリア州で保護犬との出会い


私が住むここ西オーストラリア州では、保護犬を飼っている方がたくさんいらっしゃいます。オーストラリアで保護犬を迎えるにはどんな方法があるのか、海外生活や保護犬について興味がある方に向けて私の事例をご紹介します。

コロナ渦で仕事を失くし、動物が飼育できなくなった方が増えたことにより、シェルターには元ペットの犬が増えたそうです。

パース近郊で保護犬を探すならどこがあるか検索すると、このようにたくさん動物を保護している動物愛護団体、シェルターがヒットしました。

各家庭の生活スタイルに合う犬や猫をその団体へリクエストすることもできるのです。

我が家は彼がFIFO(Fly-in-Fly-out)の生活※で隔週家を空け、私は家を7時間空けることもあるような仕事のスタイル。そんな私たちの生活にあっている犬種は、グレイハウンド Greyhound であろうということになりました。

※仕事場が遠方のため、飛行機で仕事先に行ったり帰宅したりするスタイル

グレイハウンドは毛がもともと少なく、部屋の掃除も楽で臭いは少ない犬種です。性格は好奇心が高く遊び好きで、かつ温和で忠実。10分ぐらい走れば、あとは一日中寝て過ごすという、あまり手がかからない犬種のため、周りの方からも初心者向けと言われました。
また、グレイハウンドは足がとても速い犬として知られています。ここ西オーストラリア州ではレース犬として活躍し、怪我や加齢のため引退した後は、ペットとして家庭で飼われることが多いようです。


保護団体のイベントで犬とのご対面編

一番初めに出会ったグレイハウンドを扱う保護団体と、実際に日曜開催のマーケットに足を運びました。担当の方と会話をしてアダプション※とフォスターケア※※に興味を持ち、そのまま申請書類を提出することに。その後、私の家にインスペクター₍家の状況を検査する人)がやってきて、家屋を確認していきました。
結果は残念なことに、木の枝がたくさんあるからという理由でダメになってしまいました。グレイハウンドは毛が少ないため、皮膚へのダメージを受けやすく、枝で脚を痛めることを懸念したからだろうと思われます。

2件目の団体との出会いは、季節ごとにある保護団体のイベントで、ここではアダプションする際の金額が半額というキャンペーンをしていました。
そのイベントに参加し、実際に犬に触れ、アダプションとフォスターケアに興味があることを伝えました。

ボランティア活動(フォスターケア)で4週間犬を預かり、犬との相性を確認したうえで問題なければアダプションしていく、という流れです。

※「アダプション(adoption)」とは養子縁組という意味で、保護動物の譲渡に使われている言葉です。
※※「フォスターケア(foster care)」とはボランティア活動のひとつ。ボランティアは無償で、ドッグフードなどの必要な備品は全て保護団体から提供されます。

参考サイト:オーストラリアでグレイハウンドのアダプションを支援している団体
Greyhounds as Pets | Adopt A Greyhound | Racing WA


フォスターケアをするための手続き編

アダプションするためには、まずはフォスターケアの申し込みが必要です。質問項目はたくさんありました。その中の一部をご紹介しましょう。

・フォスターになりたいと思った理由
・過去に動物と暮らした経験
・住環境(持ち家が賃貸か、一軒家か集合住宅など)
・生活スタイルや職業
・一日のうち犬がひとりで過ごす時間や環境
・他のペットの有無、子どもの有無
このように、フォスターケアを行うためにはさまざまな問いに答えていく必要があるのです。

幸運なことに、私たちの申し込み内容は承認されました!
保護団体の方とは先のイベントにて面識があったため、あらためての面接はありませんでした。シェルターから選ばれた犬と無事ご対面し、その日のうちに家に連れて帰り、私たちのフォスターとして保護犬を預かる生活がスタートしたのです。


フォスターケア編

私自身、犬を飼うのは初めてで、右も左も全くわからない状態からのスタートでした。
保護団体の方からは、フォスターとして活動するために必要な心構えや知識が詰まっているファイルをいただきました。各週ごとのTO-DO-LISTもあり、毎日届くメールにも励まされ、徐々に不安は軽減されました。
しかし、いろいろな規定があるのはやはり大変です。例えば、1週間目は30分間の裏庭散歩のみが許されていました。これは犬の過剰なストレスを避けるためです。公共の場での散歩は2週目まで避け、外に連れ出す代わりに犬用のおもちゃで遊ばせて、脳に刺激を与えるように言われました。その後は家以外でもマズル(Muzzle)といわれる口先をカバーするものとリーシュを装着して公園を散歩できるようになりました。なお、この4週間の間に犬に何かあった場合は動物病院(VET)に連れていくことも可能で、その際の費用は保護団体が支払うことになっています。
 



マズルを付けているうちのVienna

アダプション編

うちの犬は、雌犬で3歳。私たちと出会う前にレースで脚を複雑骨折したため手術をすることになり、そのままレース犬としての人生を終えた犬でした。
その大きなけがのため普段から怪我した脚をかばうように歩く犬だったので、私たちはどうサポートしてよいのかわからず悩み、犬のスペシャリストに直接会って相談することにしました。今後の対応策を具体的に相談し、納得してからアダプトしようと思ったのです。脚のレントゲン写真を見せていただき、どうやってマッサージするのか、リハビリの方法なども詳しく相談することで不安は解消されていきました。
また、このときはタイミングよくキャンペーンが行われていました。アダプトには通常350ドルかかるところが75ドルという金額になっていたのです。(ちなみに2023年6月30日までこのキャンペーンは実施されています)
団体へ支払いを済ませると、郵送でアダプションの認定書が届きました。市にはペットとして犬の登録を届け出る必要がありますが、こちらはオンラインで済ませることができました。私たちはスターリングという市に属しているため100ドルの申請費用が掛かりましたが、他の市ではフリーのところもあり、住んでいる市によって申請料金は異なるようです。
申請から1週間後、無事に首輪に付けるタグが郵送で届きました。


最後に

彼女と出会って4か月。だんだんと彼女がリラックスして私たちに馴染んできているのがわかります。今では彼と私と犬とで川の字になってベットで寝ることができるように。
まだまだ彼女のことを理解しきれていませんが、犬との生活を楽しみながら、家族として成長できればと願っています。犬の散歩に公園に行くとたくさんの方と犬を通して会話が弾みます。ボランティア活動が盛んなこの国では、保護犬を養っているオーナーさんがたくさんいます。この方たちは、犬・猫の殺処分をなくすために欠かせない存在。みんなでより良い生活をしていこうという気持ちに触れることが多々あり、このような環境で暮らしている自分がつくづく幸せだと感じています。
あなたもこの機会に、ボランティア活動のひとつとしてフォスターケアをしてみませんか?




なぜかこのポーズで眠るのが好き


柵のある公園でリードを外し、他の犬と遊ぶのも大好き

書いた人
白鹿 恵宇宙(はくろく めぐみ)オーストラリア在住。太陽星座うお座で癒し系が大好き。占星術鑑定、生命の樹タロットリーディング、リメディアルマッサージセラピスト、エネジーヒーラー(直伝&西洋レイキ、アクセスバーズ®、アキュトニクス®サウンドヒーリングプラクティショナー)でもある。

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