見出し画像

星空散歩で発見する、獅子座の輝きと宇宙の神秘

風薫る5月となりました。新緑が輝く季節、自然の息吹が心地よく感じられます。
そんな爽やかな夜は、散歩を楽しみながら夜空を見上げてみませんか?
今回は獅子座の星座の見つけ方、獅子座にまつわる神話、そして星の誕生からその終わりまでをお話ししますね。


獅子座を見つけよう

春から夏にかけて、南西の空を見上げると「獅子座」がよく見えます。
獅子座の中には複数の明るい恒星があり、特に1等星のレグルス(Regulus)は目立ちますし、とてもわかりやすい形の星座なのでぜひ見つけてみてください。


獅子座の見つけ方


https://www.study-style.com/seiza/img_catalog.html (88星座図鑑より)

まず最初に北斗七星を見つけます。
北斗七星のひしゃくの持ち手のカーブを南に伸ばしていくとオレンジ色の1等星アークトゥルス、さらに弧を書くように延長していくと白い1等星のスピカにたどり着きます。この曲線のことを「春の大曲線」と呼びます。
アークトゥルスからネクタイのような星の並びが特徴的な「うしかい座」スピカからアルファベットのyの形をした星の並びが目印の「おとめ座」を見つけてみましょう。

「うしかい座」のアークトゥルス、「おとめ座」のスピカ、「獅子座」のデネボラ(2.1等星)を結んだ正3角形を「春の大三角形」と呼びます。
デネボラは「ライオンのしっぽ」という意味でここには「獅子座」があります。
デネボラの西には明るい1等星のレグルスがあります。
レグルスとは「小さな王」という意味があり、ちょうど太陽の通り道 ( 黄道 ) にある1 等星で、昔は王様の運命を占うときに使われていた星でした。「ロイヤルスター」という別名もここから来ています。  
このレグルスから裏返した「?」マークのような星の並びが「獅子の大鎌」と呼ばれ、獅子の頭の部分にあたります。
獅子座は別名「といかけ座」ともいわれ、雨桶をかけるフックをイメージして名づけられたそうです。このフックが傾く頃、日本では梅雨がやってくるといわれます。その一方で、夏の代表的な星座であるさそり座の1等星『アンタレス』が昇ってきます。
こうやって季節の移り変わりも夜空で観察できますよ。


獅子座の神話


https://www.study-style.com/seiza/img_catalog.html (88星座図鑑より)

獅子座は百獣の王ライオンの姿を実に見事に描き出した美しい星座ですが、ギリシャ神話ではそのイメージとは違い英雄ヘラクレスに退治されてしまった暴れ獅子とされています。
ネメアの森には鋼のように硬い皮膚をもった人食いライオンが住みつき、度々村人や旅人を襲っていました。何人もの勇者が退治に森に向かいましたが、帰ってきた者はいませんでした。
ある時、この話がティリュンスのエウリュステウス王の耳に入りました。王は妻子殺しの大罪を犯したヘラクレスに、罪の償いとして与える12の苦難の1つに、人食いライオンの退治を命じたのです。
早速、ヘラクレスはネメアの森へと向かいました。ライオンはヘラクレスが近づいてきたことに気が付いて襲いかかります。
ヘラクレスは弓矢や刀でこれを防ぎますが、固い皮膚のライオンにはこれらの武器では退治できません。ヘラクレスはライオンの鋭い爪での攻撃を交わしながら、ライオンの首を捕まえ三日三晩の間ライオンの首を絞め続け、退治しました。
この様子を見ていた女神ヘラはヘラクレスを憎んでいたため、よく戦ったとライオンを称えて星座にしたのです。

星の誕生から終わりまで


星の誕生

皆さんは夜空に輝いている星がどのように生まれてきたのか知っていますか?
宇宙のいたるところで星は今も生まれ続けていますが、どこにでも生まれるというわけではないのです。


星の誕生地

星はガスやちりの集まりで形成されます。宇宙では、大きな分子雲と呼ばれる巨大なガス雲があり、これらの分子雲の中には、水素やヘリウムなどの元素が含まれています。
この分子雲こそが星が生まれる場所であり、ここから星の長い長い一生がスタートするのです。


分子雲の収縮

ある程度の密度を持つ分子雲が重力の影響で収縮し始めます。
この収縮が始まると、分子雲の中心部に周りにあったガスが集まっていき、100万年程の時を経てダイナミックな形を作っていきます。
原始星の誕生
分子雲の中心部では、収縮が進むと温度や圧力が上昇し、核融合反応が起こります。
これによって、水素原子からヘリウムを作る過程でエネルギーが放出され、これが星のエネルギー源となります。これが原始星と呼ばれるもの、すなわち、生まれたばかりの星の卵のことです。


星の成長

原始星は徐々に大きくなり、核融合反応が安定して行われるようになります。
これによって、きらきらと自ら輝く恒星として、自身の周囲にガスやちりを放出しながら一人前の星に成長していくのです。


星の寿命

では、星の最後ってどうなるのでしょうか?
星は核融合反応が燃料を消費することで徐々に変化し、最終的には核融合反応が停止します。その後、星はさまざまな過程を経て、白色矮星、中性子星、またはブラックホールなどの最終段階に進むことがあります。
恒星(みずから光る星)の中には爆発するものもあります。
例えば、星座の代表ともいえるオリオン座のベテルギウスはいまにも爆発する可能性があるといわれているのです。
オリオン座の1等星べテルギウスはオリオン座の四角形の左上にあり、赤く輝いている星です。
その大きさは直径は約14億km。太陽の直径の約1000倍、地球の10万倍もあります。
ベテルギウスの寿命は1000万年ほどで、研究者たちの間ではもう寿命を終える日も近いのではないかと考えられていました。人間に例えるとかなりのご高齢なわけですね。

星は爆発が近づくと大きく膨らみ、赤くなります。その中でも特に大きなものを「赤色超巨星」と呼びます。ベテルギウスはこの状態にあるといわれていましたが、2022年のニュースではベテルギウスの質量は太陽の14倍で、現在1400万歳であり、超新星爆発で一生を終えるまでの寿命は150万年も残っていると推定されたと発表されました。


地球から約640光年(光の速さで約640年かかる距離)離れているので、もし、今日ベテルギウスが爆発したとしても、その光が地球に届くのは640年後になりますね。そして爆発が起こったとしても地球にはほとんど影響はないといわれています。
“超新星爆発”は一瞬にして金や銀や銅、ウランやプラチナなどを作り出し、宇宙空間へ
と撒き散らします。その新しい元素は、次の世代の新しい星を作る材料となっていくのです。


「やがては地球も爆発するのかしら?」と疑問に思った方もいるかもしれませんね、
地球は恒星ではないので爆発はしませんが、やがては大きくなった太陽に飲み込まれるのではないかと予測されています。
太陽の寿命はおよそ100億年で現在は47億歳です。
ベテルギウス同様に太陽もやがて大きくなるのではと考えられています。

分子雲で生まれ成長し、燃料がなくなり、寿命を迎え、爆発して撒き散らすという、宇宙のサイクルが示す壮大な営みを垣間見ると、私たちの存在の意味や役割について考えさせられます。私たちそれぞれが宇宙の一部であり、同時にその神秘を理解する冒険者でもあるのです。
爽やかな春の夜にそんなことを感じながら夜空を眺める散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。


書いた人:かやの
秋田県山奥在住
長い冬が終わり、やっと家庭菜園を楽しめる季節になりました。
土いじりをしていると最高に癒され、毎日、自然の力強さに驚かされる永遠の33才です。

==================================
五感を通じて、日々の暮らしにハッピーを。
自然のリズムや星の動きを、あなたの生活のスパイスに。
Wattle Sunshine(ワトルサンシャイン)

▼ ▼ Wattle Sunshine Site ▼ ▼ ▼ 

https://sites.google.com/view/w-shine

==================================

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?