【台本】終電
今日は弱ホラーテイストの短い台本(`・ω・´)
同期が投稿していた電車の写真からインスピレーションを得て書いた台本だったはず。
ここ最近めっきり暑くなってきましたねぇ。
春さんの出番があんまり感じられなかったの残念だったなぁ。
配信アプリ等での使用・改変等はご自由に。
転載・自作発言・再配布はご遠慮ください。
クレジット(瀬尾時雨)は任意です。
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終電
疎らな客が1人ずつ降りていき、いつしか自分ひとりになった。
どうやら終電まで行く客は自分1人だけのようだ。
ただひたすら電車に揺られること十数分。
……なんと、電車は終点に止まらず、そのまま走り続けるではないか。
間違っている。
車掌に言ってやらなくては。
そう思って、先頭車両へ向かうために立ち上がる。
途端、激しい音を立てて電車が止まり、尻もちをついてしまう。
パッと視線を上げると、侘しいドアチャイムと共に暗闇へのドアがポッカリと開いた。
呆気にとられたのも束の間。
ポケットの携帯が震えた。
確認すると、そこには新着メッセージが一件。
「ようこそ」
差出人はわからない。……書いていないのだ。
嫌な汗が吹き出してくる。動悸が早くなる。
生ぬるい地下の風が首筋を撫でていく。
早く、早くここからでなくては。
直感で立ち上がったその時。
……背後に立っていたのは。
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2016/09/05 瀬尾時雨
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