Gremlin's Inc.が面白いという話

Steamサマーセールで表題のゲームを買ったのですが思った以上にハマったのでみんなもやってみようというお話です。6人までオンライン対戦可能でいまなら(ほぼ)ワンコイン!

スチームパンク世界観のデジタルボードゲーム

この作品は、腐敗した資本主義者のグレムリン達が、スチームパンクの世界で金や権力、名声を求めて競い合うドキドキハラハラの戦略的ボードゲームです。貯金して、投資して、盗んで脅して、逮捕して逮捕されて――シングルプレイや多人数プレイを、ランキング、ラダー制、チームモードや観戦モードと一緒に楽しみましょう。季節のコンテンツ アップデート、アイテムドロップ、Steam コミュニティ マーケットの完全サポート等の要素も盛り沢山です!

Gremlin's Inc. ストアページ紹介文より

このゲームを簡単に表すなら「ミニゲームが無い代わりに各ターンの行動によるプレイヤー干渉の多いマリオパーティ」でしょうか。それって桃鉄

ゲームの勝利目的は勝利点を一定数稼ぐこと。そのためにお金を様々な手段で稼ぎましょう。というのが基本です。

ここから長い説明パートなので先に「何が面白いの?」パートに行ってもいいかもしれません。

具体的なルール

コミュニティガイド:5 minute guide to Gremlins, Inc.より

プレイヤーは自分のターンになると以下の行動を行います。

  1. 6枚のカードのうち1枚を選び、左上のサイコロの目だけ進む。カードは使用した直後に補充され、常に6枚が維持される。外周にある家の形をしたマス(ロケーションマス)に途中で到達した場合、移動をやめてそこに留まっても良い。

  2. 右下にアイコンのあるマスを通過した場合はそのマス効果を受ける。

  3. マスに止まったら、そのマスのアイコンとカード左下のアイコンが一致したカードを1枚選んで使用し、そのカードの効果を発動させる。発動させるためにコストが必要なカードもある(右上)。中央下にある「+○○」が得られる資源になる。歯車が勝利点、Gが所持金、手のマークが支持票、三又のマークが悪意となる。

  4. 次のプレイヤーのターンとなり、これを繰り返す。

  5. 誰かが規定以上の勝利点を稼ぎ、そのラウンド終了時まで維持出来たら勝者確定。複数人が同ラウンド中に勝利条件を達成した場合、勝利点の多い方>所持金の多い方>悪意の少ない方>ランダムの順で決定される。延長戦はない。

基本的には外周にある家の形をしたマス(ロケーションマス)に止まり、そこでカードを使用していくことになります。ロケーションマスの効果は大まかに次の通りです。

  • 気球|アストラル界:到達するのが大変だが、ここで使用できるカードは効果が豪快であるものが多い。マスの効果として、1ターン休むことで悪意を一定量減らし、3枚の候補からカードを1枚選び手札を交換できる。

  • 黄色のG|銀行:投資を行うことで収入(プレイヤーステータス、歯車右にある+の数値)を増やすことができる。収入の獲得方法は後述。使用できるカードの効果は銀行らしくお金・収入に関わるカードが多い。

  • 手|オフィス:支持票を売ることができる(一回につき1票)。支持票に関するカードが多い。

  • 歯車|工場:1ターン休むことでお金を得ることができる。ここで使用できるカードはお金と引き換えに勝利点を得るカードが非常に多い。使用できればゲームを決定づけるカードもあり、勝利点を稼ぐ上で基本となるロケーション。

  • 靴|ゴミ捨て場:サイコロを振り、受ける内容を決定する。目的も無しに寄ることはほぼないが、使用できるカードの効果が面白い。

  • コインと革袋|市場:勝利点を売ることができる(一度につき1点)。交換レートが高いので序盤では資金源の確保にお世話になる。市場らしく交換やお金に関するカードが多め。

  • 檻|刑務所:逮捕されると強制的に移動する場所。何ターンか拘束されるため基本的には寄りたくないところ。刑務所内ではターンごとに態度を選び、刑務所内での行動を専用のカードで決定する。ワルであり続けると「刑務所内での立場」が上がり、得をする行動が増えていく。当然ここで使用できる手札カードもあり、中には替え玉を行うカードなんてものも…

  • 三又|地獄:手札を全交換し、悪意とお金を得る。使用できるカードも悪意を増加させつつ相手を貶めるものが多く、逆転要素が強い。

  • ルーレット|カジノ:サイコロを振ってカジノの結果を受ける。期待値は0Gなので基本的にカードを使用するために向かうマス。ギャンブルチックな要素を持つカードが多いが、大博打となるようなカードはない。

  • 頭|裁判所:お金を払って支持票を奪える。逮捕したりステータスに応じた罰則を与えるなど攻撃的なカードが多い。直接的な勝利点は稼ぎにくい。

  • 宝石|宝物庫:サイコロを振ってお金を得る。カードもお宝がコンセプトとなっており、中には複数のカードを集めて完成させるエグゾディア的なものもある。

…意外と説明多いな!通常マスは次の通りです。意外とマイナス効果が多い。

  • 手紙|リスク:サイコロを振り、1が出ると「不幸」を受ける。不幸はイベントカードの類でそれ用の山札があり、そこから選ばれる。基本的にマイナス効果が目白押しなのでなるべく不幸になりたくないところ。なおサイコロを振る前に少しお金を払うことで1が出た時の不幸を他人に押し付けることができる。16%を信じて投資をするかどうかはあなた次第。

  • 赤いドクロ|不運:通過した時点で「不幸」を受ける。止まった場合は自分以外の一人に受ける不幸を選んでもらう(ランダムに2枚提示されて一つを選んでもらう)。例によってここで使用できるカードがあり、効果はお察しの通り。みんなで不幸を押し付け合え!

  • メガホン|トリビューン:お金を払ってサイコロを振り、成功すれば支持票を得られる。基本的にマスの費用対効果は弱いのでカードを使用したいところ。

  • ベル|警察:サイコロを振り1が出ると逮捕される(=刑務所マスに強制移動)。賄賂を払うことで回避できる。腐ってやがる…

  • サイコロ|ギャンブル:サイコロを振ってギャンブルの結果を受ける。振らない選択肢もある。ここで使用できるカードは勝利点には繋がりにくいものの効果自体は中々に強力。

  • お札|ワイロ:通過するだけで支出(プレイヤーステータス、歯車右にあるマイナスの数値)が発生する。丁度止まると2倍払うことになるが、カードを使うことでワイロの支払いを他人に押し付けたり逆にプラスになったりする。

  • コイン|収入:通過するだけで収入が発生する。丁度止まったら2倍。

また支持票を一番多く集めることで定期的に行われる選挙で知事になることができ、知事になるとワイロの支払いが無くなる、逆にワイロを受け取ることができるなど有利にゲームを進められる。もちろんカードにクーデターなど失脚させるものがあるのですが!
悪意ステータスは悪い行動を取る(主に相手を貶める効果のカードを使う)と増加し、支出の増加・選挙戦や同数勝負での不利を被ることになります。ワルになることのメリットは無く、染まり過ぎると周回するだけで資金繰りが難しくなるのでほどほどに…

他にも細かいルールはありますが実際にやっていくうちに自然と覚えられますので割愛します。

で、何が面白いの?

個人的にはサイコロではなくカードで進む量を決めるところが難しく一番面白い所ですね。勝利点に直結するカードは基本的に大きく進むことができるため、「素早くロケーションマスを巡ってカードを使用し、手札の回転率を上げる」というカードゲームにおける有利を引き寄せる行動と衝突してしまうわけです。特定のカードを常に温存しているのは1枠無駄にしていると同義ですから…
またカードベースのすごろくであることで相手の戦略が見えやすいのも大きいですね。「お金がある状態で工場に行こうとしているから不幸を押し付けよう・刑務所に送る手段を講じよう」であったり「進み方が遅いから強いカードを温存している可能性が高いな」「地獄に行って逆転される前にカードを破棄させよう(手札を見られるだけで破棄されるカード群があります)」と、腹の探り合いが面白いです。ヘイト管理を行いつつ一気に出し抜き、自分のプランを成功させたときは本当に気持ちがいい。
またプレイヤーキャラ(毎回ランダムな候補から一人選びます)ごとに特殊な効果が3つ~4つ存在し、それがゲームプランに食い込んでくるのもいいですね。毎回違った気分で対戦を楽しめます。

運要素と実力のバランスも良く(2人対戦は干渉する相手が決まっているのでかなり実力勝負ですが)、パーティゲームとしてはかなり良作の部類になると思います。興味があれば是非!みんなで黒い思惑をぶつけ合おう!

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