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#3 信頼からうまれるコミュニケーション。相互に起こる心理的安全性が組織力につながるー比嘉 華奈江さん

こんにちは。「ワーク・ライフチャレンジ〜未来をひらく私たちの働き方〜」本日3話目は沖縄からお届けします!

沖縄で働き方改革コンサルティングを初めて手がけたパイオニアとして、
働き方改革コンサルティングや、改革を推進するリーダーの育成など
数多く担当されている、株式会社Life is Love 代表取締役 比嘉華奈江さんをお迎えしました。

🔽プロフィール
比嘉 華奈江(ひが かなえ)さん
株式会社Life is Love 代表取締役
活動拠点:沖縄を拠点に全国
大分県出身 1998年就職で沖縄に移住。14年間、航空会社で客室乗務員として務める。2012年1月株式会社Life is Love設立。
沖縄では初となる、働き方見直しコンサルティング会社としてスタート。働き方改革のコンサルティングや働き方改革推進リーダー育成の実績多数。
働き方改革や、組織づくり、チーム活性化に必須であるコミュニケーション力の向上やチームビルディング研修、リーダーシップ研修などを得意とし、近年では「組織づくり」「リーダー育成」などのテーマで、一社一社へオーダーメイドカリキュラムを提供している。また、女性活躍推進研修やダイバーシティの研修・講演などのご依頼も多数頂いている。
県内企業支援数500社以上、延べ人数は10000人を超える。クライアント企業様は医療業・不動産業・観光業・製造販売業・IT通信業・建設業・エネルギー業・など多岐に渡る。
一般社団法人沖縄県経営者協会労働雇用対策委員会副委員長
沖縄地方最低賃金審議会委員
沖縄市豊見城市の男女共同参画参画委員なども務める。


自己紹介

──本日お話しいただく比嘉さんのプロフィールをご紹介します。

前川
 比嘉さんは大分県出身、就職で沖縄に移住され14年間、航空会社で客室乗務員として勤務し、2012年1月株式会社Life is Loveを設立されました。

沖縄では初となる、働き方見直しコンサルティング会社として、働き方改革や、組織づくり、チームビルディングの研修などを手掛けられ、近年では企業ごとに異なるニーズに合わせて、一社一社へオーダーメイドカリキュラムを提供し、組織づくりやリーダー育成に携わっておられます。

女性活躍推進研修やダイバーシティの研修・講演なども務められ沖縄県内企業支援数500社以上、延べ人数は10,000人を超える企業様の支援をされています。
今回、比嘉さんは、松本さんのご縁でご出演いただきました。

──比嘉さんとの出会いについて
松本 
比嘉さんとのご縁について少しお話いたします。
私が株式会社ワーク・ライフバランス主催コンサルタント養成講座を受講している時に、沖縄にも上級コンサルタントの方がいらっしゃるというのをホームページで知りました。

その後、どうにかコンタクトを取りたかったのですが、急にアプローチしても驚かれるだろうなと思ってきっかけを探していたのですが、たまたま子供の学校のPTAで知り合った保護者の方の友人であるというのを知って、すぐに頼み込んでつなげていただきました。

元々、私は人見知りなのですが、すぐにやり取りをさせていただき、直接お話もさせていただいたのですが、プロフィールで拝見した通り、第一印象通り、本当に素敵な方です。

ワーク・ライフバランスとの出会い

──具体的な比嘉さんの活動内容を、お伺いできますでしょうか。

比嘉さん 
今日はお招きいただきましてありがとうございます。株式会社Life is Loveの代表をしております比嘉 華奈江と申します。皆さん、どうぞ本日はよろしくお願いいたします。
私は、2012年の1月に今の会社を立ち上げたんですけれども、 当時はまだこのワーク・ライフバランスとか働き方改革という言葉が沖縄の中では浸透していなかった時期だったんですね。
その時期に、自分自身の結婚、妊娠、出産を経て色々と考えることがありまして、その時に株式会社ワーク・ライフバランス小室淑恵さん、それから大塚万紀子さんのお話を聞く機会がありまして、今後、これからの社会ですごく必要となる考え方じゃないだろうかという風に強く思ったので、 当時勤めていた会社を辞めて、今の会社を立ち上げる決心をしました。

沖縄の社会課題から会社設立を決心

──「沖縄にこそワーク・ライフバランスが必要だ」と強く感じられている理由をお話をいただけますでしょうか。

比嘉さん 
はい、ありがとうございます。私が勤めていた前の会社は、実は沖縄に本社がある航空会社で、JALグループの航空会社 JTA(日本トランスオーシャン航空株式会社)だったのですけれど、ちょうど私が新卒で入社をしたのが1998年。今から27、8年前になるのですが、当時からたくさんの先輩たちが、子供を3人、4人と産んでも正社員として会社に戻ってきて働き続けるという状態だったのです。 

沖縄は元々、子だくさんという地域柄で、少子化ではない状態で、その状況の中でも働き続けることが出来る環境にいたので、当然、社外でもそうだろうと思っていたんです。ですが、妊娠を機に産婦人科で、いろんなママさんたちとお話をしたり、いろんな方々と出会ってお話をしたりする中で、そうではないということを知りました。

「夫が長時間労働だから続けられない」、「シフト勤務だから育児と仕事の両立が難しい」、「職場復帰をするか悩んでいる」など、皆さん悩んでいました。そういうことを聞いて

「あれ、社会は今、一体どうなっているんだろう」と思って、沖縄の環境を含め、いろんなことを初めて学び始め、社会課題に目が向いたんですね。その中で、沖縄はやっぱり独特な課題があるということをその時に感じたんです。

松本さんもよくご存知でいらっしゃると思うんですが、例えば子どもの貧困率が全国の2倍とか、あとは、 若年層の妊娠率も全国の2倍ほど高い

それに伴って、例えば早くに結婚、出産をして、早くに離婚をしてしまうというような、シングルペアレントで育児をしている環境の方も多く、全国と比較しても沖縄ならではのそういった課題がある中で、
誰もが働き続けられる環境や企業の状態を整えることが沖縄にこそ必要だと思い、決心をして会社を立ち上げました。

松本 比嘉さんが、今おっしゃっていた通りの内容なのですが、 貧困問題に関しては、行政で働いていた時に社会課題であることを実感する機会が度々ありました。

特にシングルペアレントは、直接子どもの貧困問題につながってしまいます。子供がいて働けない、働けないから貧困が深刻化していくっていうのは、沖縄の本当に大きな社会課題であるというのは感じております。

前川 ありがとうございます。沖縄の社会課題について、比嘉さん、松本さんのお話伺って、リアルにこういった課題があることを実感しました。

ワーク・ライフバランスの取り組み

働き続けられる育成の仕組みと属人化しない風土

──14年勤めた客室乗務員からキャリアチェンジをして、会社を設立したきっかけを具体的に教えてください。

比嘉さん はい。先ほども少しお話した通り、 航空会社に勤めている時は女性が多い職場だったというのもありますし、沖縄は共働きの率についても元々高いんですよね。
そういった理由もあって、客室乗務員である従業員も、みんな本当に子供3人、4人産んでも正社員として復帰してきて働き続けているという職場環境でした。

ふと世の中、社外に目を向けると、そうではない環境があって、なんでかなって考えていくと、その航空会社には、育成の仕組みや、属人化しない教育がしっかりしていて、そして風土面ですよね。

これは先輩方が本当に長年かけて作ってきてくださったものだと思うので、昔からそうだったわけではもちろんないと思うんですけれど、出産してからも好きな仕事、キャリアを追求していくことができる風土や仕組みを作ってくださったから、私がその入社した今から27年前の時には、すでに全体が環境としてあったと思うんですよね。

でも、裏を返すと、沖縄の一企業でそれができているんだから、多くの企業でもポイントを抑えて働き方を変えていけば絶対に働き続けられる環境ができる、と強く思ったので、これからの社会を考えた時に、ワーク・ライフバランスの実現っていうのはもっと必要になると思い会社を立ち上げました。

前川 ありがとうございます。 JTA(日本トランスオーシャン航空株式会社)の育成の仕組みと属人化しない風土が、2000年よりもっと以前からあるということですよね。すごいことですよね。それを、比嘉さんが、会社を立ち上げられ、実際に企業に向けて様々な取り組みや風土を作られ素晴らしいなと思います。

松本 そうですね。先ほども沖縄は共働きが多いってお話があったんですけど、たしかに昔から、多かったと思います。妊娠、出産して、一度、退職するっていう方は本当に多く、 また子育てが落ち着いた頃に、パートなどで、復帰するっていう共働きのスタイルが多かったと思うんですね。

ですが、今の比嘉さんの JTA(日本トランスオーシャン航空株式会社)さんの職場環境が出産して復帰して、それでもずっと働き続けて、先輩もそれが当たり前、後輩も当たり前に思っている環境は素晴らしいなとすごく思いました。

飛行機に乗るたびに客室乗務員の方々に見惚れておりますが、皆さま、大変お綺麗で立ち振る舞いも素敵です。それを維持されているのも、お仕事に対してのプロ意識が高くてすごいなと思いました。

比嘉さん ありがとうございます。実際は大変なんですけれど、色々と。
沖縄はやっぱり、親戚とか、周りのサポートを受けやすいっていう、そういう良い面もすごくあるなと私は感じていたんですけど、どうですか。松本さん。

松本 周りのサポートを受けやすいっていう環境も、もちろんあるとは思うんですけど、一部では受けにくかったり、特に今だとそうなんですけど、 自分が働いていて、自分の親に預けたいんだけど、親も実は働いていたりという環境があったりします。

その上のおじいちゃんおばあちゃんに預けるっていうのも一度見たことあるんです。病院で。やっぱり子供を追いかけるのは、大変だっていうお話をされてましたが、昔は結構あったと思います。

自分の親御さんに預ける環境だったり、あとはご近所さんが、見ておくよっていう感じで言ってくれたりっていうのはあったと思います。

前川 今も、ご近所さんでというのはあるんですか?

松本 今はどうですか。少ないですよね、きっとね。

比嘉さん 周りでも、ご近所さんっていうのは、あんまり聞かないですかね。

前川 もしあったら、すごいなと思ったのですが中々ないですよね。
それとご自身の親御さんが働いているというのは、沖縄では若くして出産される方が多いからでしょうか。それとも定年後も働き続けている方が多い、という意味合い、どちらになるんでしょうか。

比嘉さん 特に最近はどちらもあるかなという風に思っていて。もちろん沖縄も、全国と同じように、働き方が多様化しているっていう部分もたくさんありますし、あとは県外の人が移住してきて、その昔に比べると、県外だったり海外の方もいらしているっていうのもありますし、多様化したなっていう感じはします。


人口減少社会において必須となる働き方改革

──JTAでの勤務時に、社内で働き方改革の担当をされ、外部のコンサルタントへ転身するきっかけはあったのでしょうか?

比嘉さん
 ちょうど私が長女を出産して復帰した年に、組合の執行委員をしていたんですね。組合では働き方を扱ったり働き方を率先して、新しいものを取り入れたりするという役割もあったので、その組合執行委員の中で、いわゆるワーク・ライフバランスの担当の役割を担っていたんです。 

その時に、社内の一人として、ああでもないこうでもないって、色々議論をしたり、そのうちの部署はこうだとか、他の部署はこうだとか、調整をしたりしていたんですけれど、まだ社会もワーク・ライフバランスに対して、事例がなかったり、成熟していないという面もあったと思うんですが、なかなか、社内の人間として推進をしていくことに、ものすごく難しさを感じたんですね。

本当は社内の人として、自分の会社を改革できたり、社員と経営者をつなぐような役割が、もっとできたら良かったとは思うんです。けれど、社内だからこその難しさに加え、これから先の社会を考えた時に、人口減少が加速する日本社会において、絶対に働き方改革は必要になると強く思ったので、多くの企業に向けて、社外の立場から活性化していくような、そんな役割を担いたいと思い、思い切って退職をしました。

経営者の強い意志と熱い思いが組織を動かす

──独立されて企業の外部コンサルタントとして、 現在500社以上働き方改革を推進する中でのエピソードをぜひお願いします。

比嘉さん 実際には、働き方改革だけではなくて、単発の研修から3、4年の中長期スパンで伴走させていただく、そういった企業さんもあるので、500社全部が働き方改革のコンサルティングというわけではないんですけれど、いろんな企業さんに関わらせていただく中で、本当にいろんな事例を見させていただいたり、一緒に走り抜けてきました。

そういう日常の中で一番に思い出すのは、創業当初ですね。 起業した当初、まだワーク・ライフバランスという言葉が社会に浸透していない時に、経営者の皆様向けのセミナーを行ったんですね。当時、経営者限定で20名ぐらいの皆さんが集まってくださったんですけれど、その時に、これから先、重要になるといち早く同じ温度感で課題を見てくださって、まだまだ経験がない私に対して、一緒にやってみようとご依頼いただいた企業様が何社かあったんですね。

要はトップの強い意志や、 会社をより良くしていきたいんだという熱い想いが、最終的には組織を動かしていくというのを間近で感じさせてもらいました。あとは、外部の立ち位置として、一緒に走っていくっていう私たちに対してパートナーという感じで、一緒に頑張っていこうねと言ってくださる組織は確実に変わっていくっていうのを、私は体験させてもらいました。

その後、私もそういう気持ちで一緒に走って一緒に苦楽を共にし、関わらせていただいているので、経営者の皆さんから学ぶことがとても多いと感じています。

企業でのコンサルティング


信頼からうまれるコミュニケーションの重要性

──その意志ある経営者の皆さんは社員に対してどのように接しておられるんでしょうか。

比嘉さん そうですね。ここも別に良し悪しがあるわけではなくて、これまでの歴史とか、風土とかによって、色々と経営者の皆さんの接し方っていうのは、いろんなタイプだったりパターンがあったりすると思います。

働き方改革は二つあると思っています。
一つ目は経営者が
DX化とかIT化などを率先する部分。二つ目は現場の方々が主体となって、アイデアを出し合いながら改革していく部分です。日常業務をもっとこうしたら効率化できるんじゃないかとか、もっとこうした方がお客様にとっていいんじゃないかなどですね。

後者の部分に関しては、いかに現場の皆さんを信頼して任せていけるかという、経営者の姿勢がすごく影響し、成果という点で左右するすごく大きな要因じゃないかなという風に感じています。

前川 ありがとうございます。私は、社員としての立場の人間なので、社員を信頼してもらって任せてもらうっていうところは、本当に大切で、そうしていただくことが一番嬉しいことだなと思っています。 

信じてもらって任せてもらえたら、もっと頑張ろう、みんなで話し合ってやっていこう!と、みんながそう思うからこそ大切ですし、任せていただけるように社員たちも頑張りたいと常に思っています。
経営者の皆さんにも信じてほしいですし、そこをぜひ伝えていきたいです。

比嘉さん ほんとですね。やっぱり仕事をしている中で、もっとこうだったらいいのにと、日常の中で個人が思っていることって、すごくたくさんあると思うんですよ。

それを同じチームメンバーに伝えられることや、伝えてみて、誰かが聞いてくれてということが、相互に起こっている心理的安全性の高い状態の先には、みなさんがもっとこうやったらいいと思っていたことがすぐに改善されてスッキリしてよかったというストレスの改善に繋がります

そして日常のモヤモヤがなくなることで、それが引いては効率化や生産性向上に繋がると思うので、やっぱり主体的にみんなで話し合える場というのは、一番大事だなって私も思ってます。

研修の様子

前川 ありがとうございます。松本さんは、いかがですか。20年間、勤められていた時に、そう思われる体験がありますでしょうか。

松本 今、お話ししていただいた社員同士の思ったことの相互のやり取りっていうお話があったんですけど、おそらく比嘉さんもお力を入れているコミュニケーションはすごく大事なのだなっていうのは思いました。

コミュニケーションあってこそ、気持ちを伝えたりですとか、信頼したり任せたりっていうのが、次に繋がっていくんだろうなっていうのを感じたのと、もう一つ思ったのが、経営者さんが信じて任せることをやってくれると、任せられた社員さんも信頼されていると思って、働くのが楽しくなったりとかっていうのがあると思います。

逆のパターンというか、私がちょっと感じたことがあったのが、同じ“任せる”なのですけど、責任まで取らされるっていうようなやり方があって。「お前がやりたくてやったんだから、その辺の責任も取れよ」じゃないんですけど。そういうのがあったりするなっていうので、コミュニケーションの取り方って本当に大事だなっていうのをお聞きしている中で思いましたし、比嘉さんがお力を入れているのもすごくわかりました。

🔽著書「上司に信頼される話し方 部下を傷つけない話し方」
元客室乗務員が教える84の魔法のフレーズ


「Life is Love」社名に込められた想い

──「あらゆる多様性を、可能性に。」というビジョンの元にある、Life is Love。その社名に込められた想いを伺いたいです。

比嘉さん 
はい、シンプルに言うと、「人生、愛で解決できるものがたくさんある」と思っています。
最後は愛を持って、自分自身の人生を愛していく、そして周りの人たちの人生を尊重しつつ、共に愛を持って接していけば、いろんな問題って解決できるんじゃないかなという風に思っています。

愛を大事にしたコンサルティングや研修を作っていけるといいなと思い、社名にはそういった愛だよねっていう想いを込めました。

前川 ありがとうございます。 社名ってすごく大切で一番伝えたいことを伝えるためのものだなと思うので、素晴らしい社名だと私も思いました。

そして、自分自身の人生を愛していくところ、実は私自身が自分を愛するというところが結構苦手でして、まだまだできてないよとか、もっと頑張りなさいみたいな、自分への追い込む癖というのがあります。

ワーク・ライフバランス、 この考え方を知ることによって、まずは自分を愛するっていうところから取り組むことが大事だなと思って、今、日々取り組んでいます。


──愛というお考えの中での、ご家族やライフの面での取り組みも教えてください。

比嘉さん はい、ありがとうございます。夫とはずっと長年友達で、まさか結婚すると思ってなかったんですけど、本当にわからないなと思って、自分が一番びっくりしているんですが。

本当にいい友達で、いろんなことを話せる友達だったんですよ。20代の時に出会って仕事で、例えばすごいクレームを受けた時に、泣きながら話を聞いてほしい、家族以外の身近な友達は、それが夫だったりして、 結構いろんな話をしていたんですよ。
なので、結婚を意識し始めた時から、いろんな話をしたんです。

結婚するまでの間に、例えば、これまでの生きてきた人生の中で、「すごい楽しかったことは?」とか「どんな時に感動する?」とか。逆に、「どんな時にすごい嫌な気持ちになった?」とか。

要はお互いの価値観ですよね。価値観を話す時間を意図的に持ったわけではなくて、本当に飲みながらそういう話ができる人だったんですよね。それが結果的には、結婚した後もすごく支えになっていて、そういう話ができるっていうところがお互いにいいなと思って結婚をしました。

子供ができて、環境が変わり、すごい忙しくなってコミュニケーションの時間が取れなくなった時に、私たちは話さないといけないから、今度は意識的に二人で話をする時間を取ろうって言って、子供を夫のお父さん、お母さんにみてもらって。

3回目ぐらいの結婚記念日だったと思うんですけど、長女が2歳ぐらいだったので、当時、本当に日々に追われていたんですが、 最近コミュニケーションを取ってないから、逆に意識的に取ろうって言って、 二人で出かけた時に、これからどんな育児をしていきたいかみたいな話ですね。
そう聞くとすごく真面目な感じがすると思うんですけど、あくまで結構自然な感じで、話はしたりしていたんです。

自分が何を大事にしていきたいかとか、これから先どんな生活していきたいかみたいなことを、身近な人だからこそ、改めて言葉にして話す。そういうことがすごく大事だなっていうのを、結婚前、それから出産後、ライフステージの変化のタイミングの時にすごく感じてきたので、今もできる限り話し合う時間は、夫婦間でもそうですし、あとは子供たちとの間でも大事にしています。

前川 改めてそういったお時間を取るとか、なかなかそういう時間って、取ろうとしないですよね。そんな中を時間を取られ、大切にされているっていうところがすごいなと思いますし、私も見習いたいと感じました。

「Every day is holiday.」家族で決めた大切な言葉

──家族の中で決められている言葉があると伺いました。どのような言葉ですか?

比嘉さん 
ありがとうございます。私たちの家族のモットーというか企業で言うところの理念みたいな一言で、これを目指すみたいなものがあると思うんですけど、それを、結婚してから3回目の結婚記念日の時に実は決めたんですね。

それは「 Every day is holiday.」毎日、休日みたいに過ごせたらっていいねっていう、家族理念みたいなものを決めたんですね。

10代の時に、バックパックで旅行していたんですよ。本当にお金をかけずに休暇が1週間取れたら1番安い飛行機を買って、 宿も決めず、バックパックを背負って友達と旅行していたんです。

その延長線上で社会にでてから行ったマレーシアのプルフンティアン島っていう、ちっちゃい島ですけど、本当に何もない島なんですよ。当時はクーラーとかもないし、 冷蔵庫も部屋にないし、時計もないっていう、小さなバンガローみたいなところに泊まって。

島にはずっと島で生まれ育った5歳ぐらい年上の店主、店長さんみたいなその人がちっちゃいスーパーを経営していたんですね。コンビニももちろんないので、 みんな毎日そのスーパーに行くんです。

観光客がたくさん来るんですが、観光客はヨーロッパの人がほとんどで。2週間とか3週間、何にもない島で、何にもせずに過ごすんです。私たちは、最大で1週間しか休みが取れないので、4日間しか滞在してないんですけど、

その4日の中で、その店主の方と色々お話をする中で、どこから来たのとか、日本から来たよとか、何をしに来たのとか。そういう話をする中で、「僕は日本には行ったことがない。ずっとこの島にいて、この島で生まれ育って、いろんな観光客の人が来るのを、この受け入れている状態で、自分自身は実はいろんな世界に行ったことがないんだ」ていう話をしたんですね。

その時に、「みんなは、休暇を求めてこの島に来るけど、
どこにいても、どこに住んでいても、どんな時間を過ごしていても、自分の気持ち次第で「Every day is holiday.」になると思わない?

って言われたんですね。その言葉に、私は、衝撃を受けてですね。「今日という日が休暇のようにワクワク楽しもうって、自分がそういう風にすれば、そうできるじゃない?」って。

ちょうどその時、私は仕事に結構疲れ果てていて、本当に環境を変えなければリセットできないと思い込んでそこに行ったので、その言葉に、すごい衝撃を受けて、 それから、その言葉をずっと大事に思っていたんですね。

多分、その結婚記念日の3回目の時に、夫と飲みながら、そういえばこんなことがあったんだよねっていう話を思い出したみたいな感じで話をしたら、いいねって言ってくれて、我が家のこれから生きていく自信にしようって言って。

そこからもらった言葉なんですけど、どんなふうに過ごしていこうかっていう時に「Every day is holiday.」だと決めました。

前川 すごく素敵なお話で想像しながら伺っていました。“どこにいても休暇のようにワクワクして楽しむ”、私もすごい衝撃を受けました。

理念から広がる選択肢

──どこにいても休暇のようにワクワクして楽しむ。それを実現するために工夫されていることはありますか?

比嘉さん 毎日ワクワクしていないと思った時に、まずこの言葉がパッと思い出されるっていう点では、これを目指すっていう一言みたいなのがある。家族にとっても、それこそ企業の理念だし、企業にとっても、すごく大事だと思うんですよ。

「Every day is holiday.」ってことを、朝に思い出した時に、例えば、「今ここが旅先だったら、今日1日こんなふうに過ごすかなって考えてみる」。
今これから自分がやろうと思っていたことじゃない選択をするかもしれないと思うと、選択肢が広がるというか。

今、もしこれが旅先だったら、今からワーケーションで仕事するぞっていう時に、自分がどう過ごすかなって考えたら、ちょっと選択肢が広がるんですよ。なので、そういう風に考える時は、増えてきたかなっていう風に思います。その言葉を思い出すことで。

前川 そう思うことで選択肢を広げて、自分の視野も広げていくようなイメージですね。やっぱり固定化してしまうと思うんです。考えって。日々、こうだからこうでないといけないとか思いがちなので、今日からぜひやってみたいなと思います。

今のお話に続き、比嘉さんの「今日からできる!一つのアイデア」のメッセージをいただけたらなと思います。

「今日からできる!一つのアイデア」

比嘉さん 最近の研修やコンサルティングの中でもお伝えをしながら、自分自身にも言い聞かせているというか、大事にしていきたいなと思っていることなんです。

娘が今、高校生なんですが、 娘の子のPTA主催の講演会で講師の方から聞いた言葉ですごくいいなと思い、今、大事にしている言葉が、“できているところに目を向ける”です。

育児や、企業さんと伴走していく中で、例えばリーダー向けの研修をしたりするときに、どうしてもできていないところに目が向いてしまうんですね。「○○さんはいつもこうだから、きっと今回もこうに違いない」とか。

私自身もそうですが、我が子に対しても、「何回も言ったのに、やってないの」とかですね。そういう風に、見てしまうんですね。

そうすると、お互いに苦しくて、私も苦しいし、きっとそれを言われ続ける息子や娘、 企業で言うと、お互いの身近な関係性の中で、お互いに苦しいんじゃないかなっていうのをすごく感じていて。

できているところに目を向けると、「何回か言ったことを今日やってくれたんだな」とか、「これまではできなくて、今やろうとしているんだな、ここは確かにできていないかもしれないけど、この部分はすごく頑張っているじゃない!」と思えるようになって。

 今、私自身も日常の中で、周りの人、身近な人に対して、出来ているところに目を向けると、その見方も変わってくるのですでにあるものに感謝する。そういうところをすごく大事にしていきたいなと思っているので、すぐにできる一つのこととして、この言葉が思い浮かびました。

前川 ありがとうございます。出来ているところに目を向けるっていうことは、自分自身も、相手に対しても、 会社のメンバーに対しても、本当に大切だなっていう風に感じます。松本さんもいかがでしょうか。

松本 今、反省中なんですけど、同じ子育てをしてる親として、本当身に染みる言葉です。今、おっしゃってたお話が、いろんなところで、いろんな人と関わりを持つ中で大事な視点だと思いますし、これからも意識して大事にしていかないといけない視点だなと思いました。

先ほどの“Every day is holiday.”すごい感動した言葉だったんですけど、その場面にも通じますが、やっぱり自分に一番近い家族って、本当は大事にしないといけないと思うんですけど、慣れすぎて、素直になれなかったりする場面もあるなっていうのを思いました。
“Every day is holiday.”という言葉に、私もすごく感動したので、意識しようと思います。

先ほど、前川さんもお話してた、今日はこれをやらなきゃ、あれをやらなきゃっという意識の中に、この言葉を思い出すだけで、自分の感情も入れられると思います。

こういうことをするとき、どういうことを選択していくと楽しく進められるかなっていうことに目を向けていくと、”Holiday“のように自分を大切に気持ちよく過ごせていけるんじゃないかっていうのを感じて、私もなんだかワクワクしてきました。ほんと、すごく良い言葉ですね。

前川 そうですね。私の携帯の中に、メモがあるんですけど、“Every day is holiday.”を大きい文字で書いて、毎日見るようにしようと思います。待ち受けでもいいなって思います。本当に素晴らしい言葉ですね。

まだまだお聞きしたいことがたくさんありますが、エンディングのお時間となりました。
比嘉さんは、旦那様とご一緒に会社を運営されており、今後ぜひ旦那様にもお取り組みや家族のことなど、お聞きするインタビューの機会をいただきたいと思っています。

引き続きよろしくお願いいたします。本日は比嘉さん、そして松本さん、大変貴重なお話をありがとうございました!

比嘉さん かしこまりました。今日と全く違う話が出てくるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。ありがとうございました!

松本 ありがとうございました!

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🔽似顔絵イラスト
大家 三佳
東京在住、京都造形芸術大学卒。子育てをしながら、水彩画、ドローイングを中心に人、食べ物、動物を描くイラストレーター。パッケージやポスター、グッズなど幅広い分野で活躍中。透明感のある優しいタッチで、日常の風景や人物を描く。ペーターズギャラリーコンペ2014 宮古美智代さん賞受賞など。


編集、プロデュース、インタビュー:前川美紀(ワーク・ライフチャレンジ プロジェクト代表/ブランディングディレクター)
インタビュー、note編集:松本美奈子(次世代こども教育コンサルタント/認定ワーク・ライフバランスコンサルタント)


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