リレー小説 note15 『Relation』                #6-1

 この物語は、空音さん主催のリレー小説企画への参加作品です。
 長くなったので、分割してあります。

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#6-1

#6-1-1 東京 某駅前(May 2014)

「ごめーん!待った?」
 『駅前で14:00の約束』に15分遅刻してきた香澄に、明里はため息をついた。
 スマホから顔を上げ、駆けてきた香澄に突きつける。
「うん。アイス、トリプルで手を打つよ?」
「りょ、了解!」
 両手を上げて仰け反る香澄に、にっこりと笑顔を、明里が浮かべた。
 丁度、その時、手にしたスマホから、ノイズのような音が聞こえた。
「ん?」
「何?どした?」
 二人は、明里のスマホを覗き込んだ。
 画面を、長い黒髪の女性が通り過ぎていく。

「「え?」」
 一瞬で消えたその姿は、今度は――――

「「あれ?」」
 ほぼ同じタイミングで、ガリガリ君を齧りながら駅前の大型ディスプレイを見ていた二人も、画面にノイズが走るのを見た。
 そして、今度はその画面を黒髪の女性が通り過ぎる。

「「えー?!」」

 その声に振り向けば、大型ビジョンを指差す後輩の明里と香澄の姿。
 他にも同じように指をさす人達もちらほら見られる。

「何だろう?」
「でも、綺麗な人だったね」
「そうね、私達と互角かもね!」
 ニッと笑う香美に、雪絵はイイネ!と親指を立てた。


#6-1-2 東京 某駅前(Sep 2017)

「綺麗な人だったね」
「へぇ・・・信吾はああ言うのが趣味なんだ?」

 僕の台詞に、高倉はじろりと睨み、ちょっと頬を膨らませた。
 か・・・可愛い!

「な、なにってるよの?!」

 あれ、僕、口にしてた? え? え?!
 って言うか、言えてない所も、真っ赤になってるところも、また可愛い。
 でも、これ以上弄ると、怒り出すので、ほどほどに。

「いや、スタジオの画像とかでもなさそうだしさ、なんか、探してるっぽかったよね?」
「この席からだと、そこまでしっかり見えませーん!」
「いやいや・・・高倉。僕らの座ってる、窓際のカウンター席の真正面だしさ、モニター・・・」

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