文章は短ければ短いほどいいのです。
おいしそうなラーメンの写真。ここから「おいしそう」想像できても、おいしいと確信を抱き、食べに行くという行動を起こすことは少ない。でも、面白い記事は、人を動かす。
さて。学校の授業とか、国会中継とか、専門書の中とかで、
えらい人が専門用語で話をしているのをみて
「なんだよわざわざ難しい言葉を使いやがって」
なんて思ったりしません?専門用語出てきて訳わからんようになったとか、誰にでもある経験です。
でも、専門用語って便利なの。それは
「なるべく少ない情報量で正しく伝えられる」です。
「忖度」なんて言葉が登場するまでは「顔色をうかがって」とか「空気を読んで」「〇〇先生がおっしゃるから」など曖昧な言葉で表現していました。でも今は、忖度って言葉でみんなわかっちゃう。便利な言葉ですよね、忖度。
僕たちは、文章を書く。書くから正しく伝えなきゃいけない。この「正しく伝える」ってのはまあまあ難しくて、解釈や読み方で意味が変わることは書けないし、使うべき言葉も状況によって変えなやいけない。
こんな話をすると必ず「伝わりゃいい」って意見が出てきます。
そんな時、僕はいつも反論します。
「本当に伝わってる?」
と。自社内とか、自分の友達にしか理解してもらえない文章を書いてないか。そもそも、助詞間違ってたら文章の意味は変わるよね。
そのノリで書いていて、自分と全く関係のないところに書いた文章が出ていって、正しく意味が伝えられているか。胸を張って言えるのか。記事を書くとはそういうことです。
では、昨日ガチで校正した事案を見てみましょう。
構成前:今日は駅南側の商店街「サンロード小阪」にオープンしたお店を紹介します。駅を南に徒歩2分。2月4日(月)にオープンしたそのお店は、「じゃんぼ總本店」の南隣に位置します。
その名も「らーめん・まぜそば 麺屋ゆいまる」。沖縄・宮古島に本店があり、2店舗めになります。
「ゆいまる」では台湾まぜそばをメインに、醤油ラーメンや担々麺などを提供。まずは、看板メニューの台湾まぜそばをいただきました。
書いてくれた入社3ヶ月めの新人記者くんには「ちょっとダラッとしてるね」と指摘しました。で
校正後:駅を南に徒歩2分。サンロード小阪に2月4日(月)にオープンしたそのお店は、「じゃんぼ總本店」の南隣。その名も「らーめん・まぜそば 麺屋ゆいまる」。沖縄・宮古島に本店があり、2店舗めです。
台湾まぜそばをメインに、しょう油ラーメンや担々麺などを提供。まずは、看板メニューの台湾まぜそばから。
こう直します。完璧ではないですが、文脈から読み取れるであろういらない言葉を削り落とします。
コツは「どうやったら短くなるか」を考えるということ。短くしようとすれば、自然と言葉が正しく使えているかを意識します。”位置する”なんて”ある”のほうが絶対にわかりやすいのに、ダラっと書いちゃう。固有名詞も何度も出さなくてもいい。くどい。
口に出すときはそう言ったほうがリズムが出たりもしますから。無理もないんですが、
何度も言うけど、文章は短ければ短いほどいいのです。少ない情報量で、伝えたいことを伝える。
それはさておき、うちの新人くんが書いたいい記事ができました。
畑違いの仕事から、週刊ひがしおおさかに飛び込んでくれた23歳の彼。取材を終えるなり、「うまく書けそうです」と言ったほど充実した話が聞けたそう。
取材対象も面白く、またテーマもいい。
全力で書いた結果を、ちょっとだけ先を走る先輩たちが校正し、この記事に至りました。
ちゃんとした文章を書くことで、記者も、取材対象も輝いてくる。僕はそう信じて、この仕事をしています。