パートナーについて
わたしにはパートナーがいる。
同性で少し年上、「似た種類」の上位互換といったらいいのか、そういったパートナーだ。わたしと似た種類なので、当然わかり合えることは少ない。
ふたりともわかり合うことに重きを置いてないので、そのことで言い争うことはほぼない。伝えても意味がないとわたしは思っているので、要求は伝えるが、「分かってよ」とは伝えない。
パートナーの特徴を言うと、「偏食」である。油と糖質をこよなく愛している。ダイエットや健康に興味があるようだが、食べるのは即席ラーメンやドーナツである。洋服は高いものを一切買わないのに、高級洋菓子店が焼いたパンは並んで購入する。大量に購入する。ドライブのお供は炭酸飲料水。しゅわしゅわ甘い、様々なフレイバーの、背徳のアレである。
付き合って同じものを食べると、太る太る。体脂肪率もすぐ0.4上昇した。
しかし、彼はわたしが太ることは許せないらしく、何やらネガティブな内容を伝えてくる。わたしも負けじと、血糖値と血圧を持ち出して反撃する。
ある日わたしも体脂肪率20%突破してしまったので、ダイエットを始めた。一食を400gヨーグルトに置き換えるダイエットである。ドライフルーツとナッツを入れて、甘味の少ないヨーグルトを食べる。はじめは味の濃いクランベリーの部分が好きだったが、次第にアーモンドの味はないが、噛みごたえのある部分に惹かれるようになった。わたしがもぐもぐ、無になって食事していると、パートナーもヨーグルトを食べたいと買いだした。食したとき彼は衝撃的な顔をしていた。わたしは不憫に思ったので、彼のヨーグルトにはちみつをかけてあげた。パートナーがヨーグルトダイエットを二日続けたところで、わたしは彼から排泄の量がすごいと相談を受けた。そうだろうともっていたので、わたしはパンツを汚さないように細心の注意を払うようにアドバイスした。しかし、わたしはフォルムの丸いパートナーがいいので、あんまり痩せられると困ると考えている。
夜は、パートナーからの提案でラジオを聞きながら化粧水パックをした。川の字に仰向けになって、冗談言いながらラジオを聞いた。中年でぽっちゃりだから清潔感は大切らしい。そういうところでいきなり常識人になる。わたしにはよく分からない理論で詰めてくるのだが、そういうものなのだから仕方ないと、詰めたいパックをしながらわたしは思った。
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