本番に強いらしいわたしの話
周りから「本番に強いよね」と言われることがしばしばある.
たしかに緊張が伴う場面でも,自分で想像しているほどあがることはなくわりとすんなりその時間を過ごせる気はする.
ただ,わたしの場合「緊張しないタイプ」というわけではない.それはもう緊張する.
それなのに「本番に強い」と評価してもらえるのはなぜなのだろう…と思い,自分なりに自分のことを振り返りながら考えてみた.
まず1つに,幼い頃から緊張する場面を経験したことがあるのが大きいと思った.
わたしは幼稚園の頃から小学校を卒業するまでピアノを習っていた.年に1回ピアノの発表会というものがあり,わたしも毎年発表会には参加していた.一人でステージに上がり,演奏するというのは幼いながらにとても緊張したことを覚えている.
それと中学生になってから運悪く(運良く)全校生徒の前でスピーチをさせられたことがある.当然だが緊張した.
思い返してみるとわたしはなかなか緊張する場面に出会ってきたように感じる.これが本番に強いとされる理由の一つだと思う.
そしてなにより,自分が緊張しやすいことをよく知っていることが本番に強くなった一番の理由だと思うのだ.
幼い頃の経験としてピアノの発表会を挙げたが,わたしは一度としてミスなく弾き終えたことがなかった.5回以上は発表会に参加したと思うのだが,間違えずに練習通りの演奏ができた記憶がない.思い出してみると,当時のわたしは本当に緊張していて鍵盤に手を終えた時に震えてしまっていた.
小学生ながらに自分が緊張しやすい人間だということを痛感したのだ.
その後に経験したスピーチ発表だが,それはうまくいったのだ.普段大人しく自信なさげなわたしが全校生徒の前で堂々と話した姿に当時の担任の先生はすごく喜んでくれ,そして褒めてくれた.もちろんその時も緊張はしたのだが,「ああ,やっぱ緊張してるな… まあもう話始めればすぐ終わるでしょ」くらいの気持ちで緊張している自分を客観視していた.
最近では卒論の発表がその緊張する場面であり,その日もわたしは自分が緊張してることを自覚し本番に挑んだことで,目立ったミスもなく発表することができた.
場数を踏むことで慣れるということもあるとは思うが,わたしはそれ以上に緊張する自分を客観的に捉えることが本番に強くなれる一歩だと考える.
自分は本番に弱いな... 失敗するだろうな...という気持ちがおそらく人一倍あるのだが,その分「まあどうせ練習通りにうまくはいかないだろう」と自分に完璧を求めないことで,自分が思っているよりも緊張せずにいられるのかもしれない.
本番に強くなりたいと考えている人がもしいるのなら,上手くやろうとは思わずに緊張している自分を客観視してみて欲しい.