【No.1524】韓非子から学ぶ「人間とルール」
こんにちは、前のめりの藤倉です。
最近、授業の予習で韓非子(かんぴし)の文章を読んだので、今日はその話をしてみます。マンガ『キングダム』にも出てくる人です。
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漢文って、難しいイメージありますよね。でも実は面白い話も多いんです。今回出てきた韓非子、これがまた深い。
まず、こんな話です
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ある国に正直者の青年がいました。彼の父親が盗みをしたので、青年は役人に父親を差し出しました。普通なら「親であっても正しいことをしたね!」って思いますよね?でも、その国の王様はなんと「君主には正直だけど、親不孝だ」と言って、青年のほうを処刑!
一方、別の国では戦争中、徴兵された兵士が逃げ出しました。理由を聞くと「病気の親がいるから死ねない」と言うんです。それを聞いたその国の偉い人、「親孝行だ!」と言って彼を許しました。
結果どうなったか。最初の国では悪事を訴える人がいなくなり、二つ目の国では戦場で逃げる人が増えたそうです。
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韓非子はこれを通じて、「国民にとって良いことと、君主にとって良いことは両立しない」と言い切っています。彼の考えは「性悪説」。つまり、人間はもともと悪いところがあるから、厳しい法律で秩序を守らないとダメだよ、ということ。
冷たいように感じるかもしれませんが、こういう視点も面白いですよね。
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一方で『キングダム』第70巻では、韓非子に主人公の信が「人の本質は、善か悪か?」と聞かれます。
韓非子は「人は悪いところがあるから法律が必要」と性悪説を説きますが
信は「人は善でも悪でもなく、"火"を持っている。命の火と思いの火だ。」と答えます
これを聞いた韓非子は、信が戦場で多くの命を見てきたからこその言葉だと感動します。
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難しいテーマですよね。どっちの考えも否定できない。
君主に忠実か、親孝行か。韓非子は両立できないから法律が必要とするんですよね。「性悪説」も「性善説」も、それぞれの理屈がある。どちらを選ぶかもいいけど、思うのは、どちらか一つ立場を選ばないといけないですよね。
そして、理想的には両方の視点を持って考えることで、より深い理解ができるんじゃないかなと思います。
ということで、今日も「どちらかじゃなく、どちらも」の精神で頑張ります!
■■今日の教訓(ポイント)■■
どちらか、ではなく、どちらも
法律にも人情にも学ぶ柔軟な心を
■■以上■■