【No.1168】断るにもお作法
学習塾に勤めていると、辞めたいというお客さんはどうしても一定数います。営業マンとしては辞めないでと引き止めるのですが、お客さんの側からすると「辞めるつってんじゃん」と億劫になりますよね。少なくとも僕は引き留められると面倒だなと思ってしまいます。
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昨日も一人、辞めたいという方がおりました。本人にやる気がないのだと。ただ、辞めたいという方法がエレガントで、残念より前に関心させられてしまいました。
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突然電話がかかってきました。この時点で、ある程度察知はしていたのですが、「今、うちの子は勉強に対してこういう状態で、どうしたら良いですかね?」というご相談をいただきます。あれ、辞めるのではないのかと、電話の目的が分からなくなります。
勉強にやる気を出すにはこういうことをしたら良いかもしれません。
年頃的にしょうがないですが、将来的にこういうことは気をつけた方が良いでしょう。
などなどと、念のため辞めより少しでも続けると良いだろうとほのめかしますが、「少しお休みさせてください」と本題を切り出されます。やっぱりそういう目的だったかとガックリきますが、こちらとしては「そうですよね」というしかありません。
しかもこのお客さんのすごいところは、直前にお客さんをご紹介くださっていて、この間ご紹介した方はどうですか?などと話題になさいます。
エレガントだなぁと。
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もちろん関係をブチ切りたい相手に断る場合は、「さようなら、もう決めたんで、ブチっ」とするのも良いかもしれませんが、僕のような小心者は、立つ鳥跡を濁したくないのです。
とするなら、ちゃんとお作法にのっとるのが良さそうに思いました。
・せめて電話する。メールで完結できる相手でも、できれば対面で、せめて電話する。
・相談する。辞めると心に決めていても、どうしたらいいですかね?と相談することで相手を立てる。
・別のお客さんを紹介する。
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これに限らず、常日頃からの関係をよくし、常に丁寧なコミュニケーションを心がけようということですし、また、どれだけ仁義を切っても、相手には一定の失望を与えてしまうかもしれませんが、
こんな丁寧にしてくれる人を、無下にはできませんよね。
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そういえば昔の元カノにもいました。僕が大好きで未練タラタラに引き留めますが「もう決めたから」と。気の強いところが魅力的な女性でしたが、それはさておき、僕はやっぱり波風を立てずにいきたい派です。断るにも最低限のマナーを守りたいものです。
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