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イレギュラー運航、同一機材が1日に2度の引き返し

前回の記事で、イレギュラー運航の日毎の発生件数はポアソン分布に従うのかを検証しました。

その記事の中ではさらっと述べましたが、国土交通省が公開しているイレギュラー運航のデータ内に、重複と思われるデータが6件掲載されていました。

これら6件は、「発生日」、「運航者」、「航空機型式」、「便名」、「出発地」、「目的地」、「着陸地」、「概要」全てが同じだったことから、集計ミスと判断しそれぞれ1件としてカウントすることにしていました。



1日2度、引き返すこともある

24日、関空発バンコク行きのエアアジア機が、1日に2度、同じ理由で関空に引き返したとのこと。

これもイレギュラー運航に該当するため、来月には国土交通省のホームページに掲載されるはず。普通に掲載された場合は、集計ミスで重複して記載してしまったのか、判別がつかなくなりそう。重複していた6件の詳細を見てみましょう。

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\begin{array}{|l|l|l|l|l|l|l|l|} \hline
\text{発生日} & \text{運航者} & \text{航空機型式} & \text{便名} & \text{出発地} & \text{目的地} & \text{着陸地} & \text{概要} \\ \hline
\text{2015/01/31} & \text{フェデラル エクスプレス} & \text{マクドネル・ダグラス式MD-11F型} & \text{FDX5924} & \text{関西国際空港} & \text{アンカレッジ} & \text{関西国際空港} & \text{離陸上昇中、非常用風力発電機(ラムエア・タービン)が展開したことを示す計器表示があったため引き返した。} \\ \hline
\text{2016/09/26} & \text{ユナイテッド航空} & \text{ボーイング式777-200型} & \text{UAL87} & \text{上海(浦東)} & \text{ニューアーク} & \text{成田国際空港} & \text{飛行中、第2(右側)エンジンの燃料制御系統に不具合が発生したことを示す計器表示があったため、目的地を変更した。} \\ \hline
\text{2019/05/27} & \text{オリエンタルエアブリッジ} & \text{ボンバルディア式DHC-8-201型} & \text{ORC43} & \text{長崎空港} & \text{壱岐空港} & \text{長崎空港} & \text{飛行中、対地接近警報装置に不具合が発生した可能性があるため引き返した。} \\ \hline
\text{2019/06/29} & \text{全日本空輸} & \text{ボーイング式737-800型} & \text{ANA1272} & \text{新千歳空港} & \text{広島空港} & \text{中部国際空港} & \text{進入中、自動着陸に支障を及ぼす不具合が発生したことを示す計器表示があったため、目的地を変更した。} \\ \hline
\text{2019/08/29} & \text{ANAウイングス} & \text{ボーイング式737-800型} & \text{ANA1263} & \text{静岡空港} & \text{那覇空港} & \text{中部国際空港} & \text{上昇中、高揚力装置(前縁フラップ)の作動状況を示すライトの点灯状態が同装置に不具合が発生したことを示したため目的地を変更した。} \\ \hline
\text{2022/08/29} & \text{ロンハオ航空} & \text{ボーイング式737-800型} & \text{LHA4210} & \text{成田国際空港} & \text{鄭州(中国)} & \text{成田国際空港} & \text{離陸後、脚上げ操作を実施したが、前脚に不具合が発生したことを示すライトが点灯したため引き返した。} \\ \hline
\end{array}
$$

このうち、出発地と到着地が異なる場合は、全く同じイレギュラー運航が発生することはあり得ないので、UAL87, ANA1272, ANA1263の3件は確実に集計ミスであることがわかります。
残りの3件はもしかすると、実際に同一便が二度イレギュラー運航したのかもしれません。

今回のエアアジア機のイレギュラー運航2件がどのように掲載されるのか、注目したいと思います。


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