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懐かしの給食とドラマ『おいしい給食』の魅力

はじめに

「私は給食が好きだ。給食のために学校に来てるといっても過言ではない。」

市原隼人が演じる甘利田先生のこのセリフから、ドラマ『おいしい給食』は始まる。2019年から放送が始まったこのドラマは、普段は厳格で真面目な教師が、給食の時間になるとまるで別人のように変わるというギャップが面白い。テレビ神奈川やTOKYO MXなど地方局を中心に放映され、現在はSeason3まで制作されている。さらに劇場版も3作公開されており、隠れた?ヒット作と言えるだろう。

ドラマの魅力

このドラマの魅力は、なんと言っても給食を通じて描かれる人間模様だ。甘利田先生が通う中学校では、給食前に校歌を歌うのが習わしなのだが、この場面が実に面白い。生徒たちが座ったまま校歌を斉唱する間、甘利田先生は机に座ってウキウキと体をくねらせているのだ。

「神樹の抱く 学び舎に〜♪」

生徒たちの歌声が教室に響き渡る中、甘利田先生はまるで子供のように無邪気な表情を浮かべ、リズムに合わせて体を揺らす。この姿を見ているだけで、思わず笑みがこぼれてしまう。

そして、もう一つの見どころが甘利田先生と生徒の間で繰り広げられる給食をめぐる「闘い」だ。甘利田先生が給食の蘊蓄を語りながら大人の食べ方をする一方、神野ゴウ(Season1, 2)や粒来ケン(Season3)といった生徒たちは創意工夫をこらし、「うまそげ」な食べ方を披露する。そして、基本的には甘利田先生の負け!?というオチが毎回笑いを誘うのだ。

給食の思い出

このドラマを見ていると、つい自分の給食の思い出が蘇ってくる。時代が昭和から平成に変わる頃、私は中学生だった。給食の時間が近づくと学校に隣接する給食センターからおいしい匂いが漂ってきたものだ。

私の町の給食は、月水金がご飯、火木がパンというローテーションだった。カレーやスパゲッティ(その頃パスタなんて言葉はなかった)、焼きそばなどの王道メニューはもちろん、鯨の煮しめや白身魚のホイル焼きなど、渋いメニューも意外と美味しかった記憶がある。

そして、忘れてはならないのが毎日欠かさず出る牛乳だ。ドラマでは「ミルメーク」なるものが登場するが、私の町の給食では見たことがなかった。そもそも牛乳は瓶ではなく、四角いパックだったのだ。
正直、どう考えてもご飯に牛乳は合わない…..。

給食着

時は流れて令和の世となった今、今度は子供が給食を楽しみにしている。現在、私が住む横浜市では、小学校までは給食があるのだが、残念ながら中学校では給食がなくなってしまう。
横浜市では、ベイスターズカレーのような地域色のあるメニューも登場するらしい。

そして、子供が給食当番の週には使った給食着を持って帰ってくる。私はそれにアイロンをかける係だ。ファストファッションが当たり前の時代に、なぜ給食着だけが昔のままなのか。
そんなことを考えながらアイロンを滑らせる。

家族で楽しむ『おいしい給食』

『おいしい給食』のいいところは、子供と一緒に見て楽しめるところだ。小学生の息子と共通の話題として給食談義ができるのは、親子のコミュニケーションとしても貴重な時間だ。家族で笑いながら、給食の思い出を共有する。そんな何気ない時間が、実は何物にも代えがたい宝物なのかもしれない。

おわりに

『おいしい給食』は、Amazonプライムで過去のシーズンや劇場版を楽しむことができる。また、テレビ神奈川では火曜24時から再放送もしているので、気になった方はぜひチェックしてみてほしい(2024年7月27日現在)。

気楽に見れる番組を探している人、グルメドラマが好きな人、親子で楽しめるドラマを求めている人、そして何より給食が大好きな人にとって、このドラマはきっと心に響くはずだ。

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