VRChatワールド探索のススメ #ワ探アドカレ
VRChatワールド探索部のタカオミです!
「VRChatワールド探索部」、通称ワ探は、週に一度VRChatで集まって各々の行きたいワールドを探索し、おもしろいと感じたところや、好きなところを語り合う部活です。
そんなワ探の部員が送るアドベントカレンダー、「#ワ探アドカレ」。
1本目となるこの記事では、VRChatをやったことがない!という人にも読んでいただける、ワールドとは何か、ワールドを探索するとはどういうことか、説明する記事を書こうと思います。
ワールドとは?
ソーシャルVRプラットフォームである「VRChat」にアップロードされた3DCG空間を「ワールド」と呼びます。バーチャル上の空間なので、物理世界(リアル)と同じように、空間の中で歩き回れるのが魅力のひとつです。
「ワールド」と一口に言ってもその形態は様々で、
Sunset Serenity — by Koha(こおは)
一部屋サイズのものから
Olympia — by DrMorro
かなり広いものもありますし(見える範囲はすべて行けます!)、
CoinAmusement by UdonChips — by Lura
カジノやビリヤード、サバゲーの撃ち合いなどが楽しめたり、
PROJECT˸ SUMMER FLARE — by y23586
映画やRPGのようにタイムラインとストーリーのあるワールドもあります。
GHOST -降版- — by kinu_kinu
こちらは音楽(ポエトリーリーディング)を用いた空間演出を楽しめるワールド。
などなど……、多種多様な空間が、とにかく無数にあります。
新規にアップロードされるワールドの数は日に日に増しており、週に一回の活動ではとても周りきれないほど。
当然ですが、いずれのワールドも人がつくった「作品」です。それらを実物大のスケールで自由に体験できるとは全くすごい時代ですよね。
制作にはもちろんスキルが必要ですが、設計やデザインは自由自在。ワールド探索をしていると、いつもクリエイターの発想力に驚かされます。
inorganic space — by mikka-bouzu
VRChatワールドの魅力と可能性については、以前のバーチャル空間対談の記事を参照していただけるとよりわかりやすいですが、
その魅力のひとつに、「個人的な想いから形成される空間である」という要素があります。
現実の空間は、必要だから存在するものがほとんどだと思います。食事や睡眠などのための空間として家がつくられますし、仕事をするためにオフィスが、移動するために交通機関がつくられます。
しかしバーチャル空間は、必ずしもそういった「必要条件」に応じてつくられるわけではありません。「こんな景色が見たいから」「こういう表現をやりたかったから」という、純粋で個人的な動機からつくられた空間や世界が、VRChatには多く存在するように感じます。
私は工場や腕時計などの機能美的デザインも好きですが、VRChatのワールドに多く見られるような、機能性や公共性を度外視したモノにはとても美しさを感じます。
そういった純度の高いクリエイティブや、そのためにデザインされた空間の設計を鑑賞することが、ワールド探索の楽しさです!
Steps of the Campanula - カンパニュラの足音 — by EstyOctober
ワールド探索の楽しさ
話は変わりますが、自分は学生時代に「毎週1本映画を見て、得た学びを文章でアウトプットする授業」を受けていました。この経験は自分の武器にもなっていますし、何より楽しかったのですが、卒業してからはずいぶんとそうしたことをできていませんでした。
それを映画ではなく、VRChatのワールドでやりたいな、と思ったのが「VRChatワールド探索部」設立のきっかけです(最近は部活動中の会話で満足してしまい、あまり記事を書けていませんが…)。
鑑賞したものを自分の糧とするためには、作品を読み解く必要があります。ワールド制作者がなにを思ってこのワールドをつくったのか、この場所にこのオブジェクトを置いたのはなぜか。そういった風にワールドと対話するのも、探索の醍醐味です。
そもそも、クリエイターが「つくりたい」と思わなければ存在することもないのが「ワールド」。探索をしていて「制作者の意思」に触れたような気がする瞬間は、本当に魅力的です。
Invitation from a Butterfly — by wata_pj
また、ワールドについてフレンドと語り合うのも楽しい。
ワールド探索部のメンバーには、ワールドをつくるクリエイターの方がいたり、物理世界の建築に詳しい方や、エンジニアの方、アーティストの方、いろいろなバックボーンを持つ方がいますが、それぞれ着眼点が違っていてとてもおもしろいです。
このワールドのこの部分めっちゃいいよね、こだわりを感じるよね、みたいな話をワイワイしながらみんなで同じ空間と時間を共有する体験は、他になかなかないものだと思います。
Procedural milky way — by AYANO_TFT
ところで、VRChatを始める前の自分がまさにそうだったのですが、物理世界で「空間」を意識することってあまりないですよね?
自分の部屋の家具とか、おしゃれなカフェの内装とか、その程度のことは見たりするけど、例えば建築物の構造や、植えられている植物のレイアウトといったことまで意識して見ることはほとんどありませんでした。そこに人の意思があると認識していなかったからですね。
前述のとおりVRChatのワールドは人がつくったものなので、一見すると適当に置かれているだけのように見えるオブジェクトにも、なんらかの理由や目的があるはずです。そう思うと世界の見え方が変わってきて、物理世界で空間を見るときにも、そういったことを考えるようになりました。ワールド探索をするようになって、空間に対する意識が変化したのだと思います。
日常生活にも良い影響を及ぼす、それがワールド探索!!
C․Library — by しーわん
まとめ
いろいろ書きましたが、「ワールド探索はとってもたのしい!」ということが一番言いたいことです!
歩き回って見ているだけでも楽しいですし、写真を撮ったり、自分やフレンドのアバターと組み合わせることで新たな作品へと昇華することも可能。もちろん、VRでしかできないような様々な体験を得られるのもワールド探索の魅力。
ワールドをいろいろ見てみることで、自分はこういう空間が好きなんだ、こういうところにおもしろさを感じるんだ、とわかってくるのも楽しいです。楽しみ方はまさに無限!
"MoonFishing" — by rakurai5
個人的にはやはり、VRゴーグルをつけて行くのをオススメしたいですが、デスクトップモードでもワールド巡りは楽しめますので、この記事を読んで興味が湧いたという人はぜひVRChatをインストールして、できたらほかにも興味のありそうな人を呼んだりして、遊んでみてください!
VRChatユーザーは初心者に優しい方も多いので、どなたかに案内を頼んでみるのもいいかもしれませんね。(私の知人の方で、VRChatやってみたいという方がいたら気軽に声かけてね!)
というわけで、#ワ探アドカレ 第1回目となる記事は「ワールドと、ワールド探索について」でした。この後もいろいろな記事が出る予定なので、お楽しみに~!
yayoi lost city — by 猫屋敷やよい
(記事サムネイル写真)