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VideoWorks活躍クリエイターインタビュー Vol.2

こんにちは!VideoWorks事務局の梶谷です。

春はキャリアにおいても境目の時期なのか、VideoWorksでも4〜5月は
クリエイター登録数がグンと増える時期です。
この春から制作会社から、代理店から、組織から独立しました!
というクリエイターも多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ということで、VideoWorks活躍クリエイターインタビュー第二弾は、
大手制作会社での経験を踏まえて、現在フリーで活躍するクリエイター
お話をお伺いしました!

制作会社で学んできたことを活かしながらも、
フリーになって感じる悩みや葛藤、そして様々な視点から見てきたからこそ感じる「クリエイターの価値」について語っていただきました。

制作会社に所属した経験のある方は「わかるわかる!」と思うことが詰まっています。

1. クリエイター紹介

ヴァンミーター ニコラス勇樹
映像プロデューサー・ディレクター

愛知県出身。
2014年〜AOI Pro. 、CyberZ、TORIHADAにて、映像制作キャリアを積み、 現在はフリーランスとしてTVCM、WEB広告、 MV、ライブ配信、SNS運営等幅広くクリエイティブ制作を行う。

2. プロダクション時代に身につけた力

梶谷:ニコラスさん、本日はよろしくお願いします!
ニコラスさん:よろしくお願いします!

梶谷:
ニコラスさんは、大手の広告制作会社にて映像のキャリアをスタートされていますよね。どういったきっかけで広告業界に入られたんですか?

ニコラスさん:
映像の裏側に興味があったんですよね。
映画を見たときに、「どうやって作ってるんだこれ。」と考えたり、メイキングをみるのが好きだったり。
人がどう関わって、どう作られていくのかが知りたくて、
1社目はプロダクションマネージャーとして、広告の制作会社に入社しました。

梶谷:
確かにプロダクションマネージャーだと、全部署と関わることができるので、どういう風に映像が作られているのかを知るには最適なポジションですね。

ニコラスさん:
はい。約2年半くらい大手ナショナルクライアントのTVCMの制作に携わっていたのですが、制作部というポジションでは、自分のクリエイティビティを発揮できていないと感じ、制作部ではなく、ディレクターとして映像制作に関われるスマートフォン市場の広告制作会社へ転職しました。

梶谷:
TVCMの制作会社から、デジタル広告の制作会社への転職ですか。
同じ広告の制作会社ですが、どんな違いがありましたか?

ニコラスさん:
TVCM制作では、プランナー・監督・撮影部・美術部・エディターなどと、
各ポジションが細かく分業されているのに対して
デジタル広告の制作では、一人が担当する業務範囲が広く、自分自身も対応できる範囲がすごく広がりましたね。

梶谷:
なるほど。そもそもの制作体制が全然違うんですね。

ニコラスさん:
そうですね。大きな手間とお金をかけて作る映像と、スピーディーで効果的な映像、どちらも、与えられた予算や求められるスピード感に対して最適なものを作るかを判断し、アレンジする力を制作会社で学びました。

3. 数億円の案件も、数万の案件も、クライアントワークで意識すること。

梶谷:
何百人ものスタッフと作る何億円のTVCMから、一人で全部対応する数万のデジタル広告まで、幅広く経験されたと思うのですが、どちらの現場にも適応できた理由はなんだと思いますか。

ニコラスさん:
一番最初に経験したのが、お金がかかっている制作現場だったのが良かったのかなと思います。何にお金がかかるのか、お金をかけるとどうなるのかを理解した上で、「では、限られた予算の中で何ができるのか」を考えられるようになりました。

梶谷:
なるほど。あとは各分野のプロフェッショナルと仕事をしてきたからこそ
細部にまでこだわるようなクリエイティブレベルが高いというのもニコラスさんの経験からくる特徴ですね。

ニコラスさん:
そうですかね。クライアントワークだと、クライアントの意向もあるので、自分の意見をどこまで出すかは考えつつ、やっぱり同業者に「何してんだよ、ここ下手くそだな」って思われないように、意識しながら制作することは結構ありますね。
めちゃくちゃ無駄だなと思うんですけど、自分の作った映像として世に出ると思うと、そこはどうしても意識してしまいます。

梶谷:
それは、クライアントに求められたことだけをこなすのではなく、映像としてより価値のあるものにしたいという想いもあるんだと思うので、決して無駄なことではないですよ!

4.フリーになって感じる クリエイターの価値について


梶谷:
会社に所属している立場から、フリーになられて、大きく変わったことはありますか?

ニコラスさん:
当たり前のことなんですけど、守られなくなりますね。
会社にいると100%頑張らなくてもお金は出るけど、フリーになると120%の力を出し続けないとお金をもらえない。誰にも生活を担保してもらえないですね。

梶谷:
究極!!でも確かに…。

ニコラスさん:
例えば、企画をするということも、会社に所属すると案件を獲得できなくても会社から費やした時間に対してお金が出ます。
ただ、フリーになると企画を出しても、採用されないとその企画に費やした時間が全部無駄になってしまう。
ディレクターは企画や演出コンテを出すところも力の発揮どころなので
それが無償でずっと行われるのは本当にしんどいです…。

梶谷:
CrevoやVideoWorksのお客さまも然りですが、
企画コンペという存在自体が業界的にも結構大きな課題ですよね…。

ニコラスさん:
はい。選んでもらうには出来ることを証明しなければいけないけど、
やりすぎて選ばれなかったら、と思うとお金の流れやステップも模索中です。

梶谷:
難しい…!!けど、価値があるものに対しての対価を支払うのは当たり前。そんなことを理解してもらうようにコミュニケーションをとっていくのが今後は必要となってくるのかもしれませんね。

5. アーティストではない。でもかっこいい映像作りにもチャレンジしたい。

ニコラスさん:
たまに、「かつて制作時代に一緒に仕事をした人たちのレベルまで自分の映像は引き上げられているだろうか。」「当時自分がかっこいいと思っていたような映像を今作れているのだろうか」
という思い悩むことがあるんですよ。

梶谷:
お、それは、自分の力がプロフェッショナルとして足りていないんじゃないか、という不安ですか?

ニコラスさん:
そうですね。制作部時代から、「この編集はこの人にしかできない。」「このジャンルの撮影といえばこの人。」という極めた人たちを見てきた経験があるからこそ、今の”一人で丸っとなんでも対応できること”が、本当に今の自分の強みなのか、と考えることはあります。

梶谷:
なるほど。確かに、「色」が強ければ強いほど、そのジャンルの案件で声をかけてもらいやすいというのはありますよね。

ニコラスさん:
たまに同世代でも、めちゃくちゃかっこいいMVなどを制作する人とかいるんですよね。自分も、そういうかっこいい映像を作りたい。
でも、自分は作品のような映像を作り続けるアーティストでもインフルエンサーでもない。
クライアントワークとして予算の中で最大限の映像を作らなければならない。そんな葛藤を抱くこともあります。

梶谷:
それは、たくさんの種類の映像を見て、多くの現場を経験したニコラスさんだからこその葛藤ですね。
同じように、クライアントワークと個人の作品の間で悩んでいるクリエイターも多くいるのではないでしょうか。
ニコラスさん的に今後どっち方面に振り切りたいとか考えはあるんですか?

ニコラスさん:
クライアントワークもやりたいし、お金にならなかったとしても、かっこいい映像もつくり続けたいです!!

まとめ

大きな案件も、マーケティング要素が必要なデジタル案件も、スタイリッシュでかっこい映像も、幅広い経験をしたニコラスさんには安心して任せられる、とCrevo社内から絶大な信頼を得ているニコラスさん。
一見、順風満帆なクリエイターライフを歩んでいるように見えていたのですが、実は色々な葛藤があるんだな、と今回のお話を聞いて思いました。

また、ニコラスさんと同じように、業界ならではのしきたりや進め方を理解している一方、
フリーになると余計その進め方が本当に正しいのか、を悩まれているクリエイターは多くいらっしゃるのではないでしょうか。

クリエイターエコノミーと言われる時代に、
依頼主がすべての制作ステップにリスペクトできるよう、
どこにどんな価値があるかという発信を私たちのようなプラットフォームが行っていくべきなのかもしれません。

ニコラスさん、お忙しい中、貴重で楽しいお話ありがとうございました!!

▼VideoWorks活躍クリエイターインタビュー
第一弾の岡さんのインタビューはこちら!


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