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私は貴方の手を取り続ける

彼と入籍した。
婚姻届を出して、夫婦になった。
意外にも、嬉しいとか高揚感とかは無く。
夫婦になれど、二人の関係は何も変わらないな、なんて思った。
「これからもずっと愛してるよ」「幸せにするよ」
と彼に言われた時も心が動かなかった。
こんな時まで、甘言を信じきれないネガティブな自分に嫌気がさす。
「私は彼を愛し続けることができるだろうか」
「彼は本当に私を愛し続けてくれるのだろうか」
「自分の両親のように冷え切った仲になってしまうのではないか」
不安を挙げればキリがない。
でも、この不安は、私が乗り越えなければならない課題だ。
彼には伝えない。
ただ一言、
「ありがとう」
と口にした。

結婚したからといって、彼とは他人。
子育てや同居する上でのパートナーかもしれないが、彼にだって彼の人生がある。
だから、彼が私のことを愛し続けるかどうか、ということに期待したり固執したりするのは意味がないし、彼に幸せにしてもらおうとも思わない。

私は、私自身が、彼と一緒に居続けるための努力を一生続けていきたい。
私が望んでそうするのだと常に言い聞かせよう。
彼に、完璧でなくとも栄養を考えたものを食べさせてあげる。
彼の話を笑って聞く。
彼の良いところを常に探し、愛情をもって伝え続ける。
何か課題にぶつかる度に、柔軟に自分を改める。
そうやって、一生懸命に彼に向き合えば、自ずと彼も応えようとしてくれるはず。
がむしゃらに働くご両親の背中を見て、努力し続けた彼だから。
彼のことを信じよう。


結婚生活、別に上手くいかなくても死ぬもんじゃない。
初めてなんだし、上手くいかなくて当然。
無理に自分をよく見せようとしたり、『結婚したからには責任とって、私のことを愛し続けてよ』なんて彼に押し付けるのも烏滸がましい。
結婚したら幸せになれるとかいう夢見る夢子な理想も持たない。
もし、彼の愛情が減っているように感じる時があっても、くよくよ悩まず自分のするべきことのみに目を向け続ける。



「彼に一生美味しいものを食べさせてあげたいから、私は結婚したの」
それぐらいの理由でいい。それだけでいい。
理由はともあれ、貴方と一緒に居るための選択肢を選び続ける。
何があっても、貴方の手を握り続ける。
その覚悟を持つ。



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