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お翼けお涙いらないの


校長先生から放課後にお話。
「今年度は専科で、一人だから寂しい思いをさせてるよね。大丈夫?ごめんね…」
と。

その通り。分かり切ったことを聞かないで欲しい。
悪い方じゃ決して無いのだが、『それでも私を選んだのは貴方ですよね?』という暗い感情が頭をもたげる。
学年部で皆さんが動いている中、入りづらく思うこと。
生き生きと活躍する同期や後輩と比べて、感じてしまう劣等感や羞恥心。
私なんて居なくてもいいんじゃない?という気持ちを押し殺して、毎朝職場へ行ってる。
雑用だって人一倍自分から請け負う。
「担任外だからやって当たり前でしょ?」という気持ちが透ける、おざなりな頼み方に嫌な気持ちになったって、文句言わずにやってる。
「このポジションになった理由があるはず。私だって必要とされているはず。」
と自分に言い聞かせ、騙し騙しやってる。
理不尽を必死に飲み込んでいる。

ごめんね、って謝られるようなポジションなんでしょうか。
同情の言葉は惨めでしかありません。
自分の価値を見出したくて、必死に藻掻いていることを認められていないようで虚しいです。
私が欲しい言葉は、心配でも謝罪でもない。
「貴女が居てくれて良かった。」
ただそれだけなんです。

ぐるぐる、悲しいループに嵌ってしまった。
そんな時は、ほかほかのご飯とサクサクの揚げ物を食べるに限る。
久々におひとりさま。定食屋さんへGo!

チキンカツ&チキン煮込み定食

これで650円は破格。
大きくてサクサクの揚げたてチキンカツと、味の染みたくたくたのチキン煮込み。
お米と一緒に口いっぱいに頬張る。

美味しい……!!
まんまと幸せになってしまった。
さっきまで落ち込んでいたのが嘘みたい。
ここは、サラダのドレッシングがたっぷりでありがたい。
キャベツが浸るぐらいかかってていいんだよね。ドレッシングを衣が吸って少しふやけた揚げ物もまた美味しい。
定食屋さんの、誰にも干渉されず味に浸れるこの時間が好き。
飾らない美味しさの前で、心の芯がほぐれていく。お味噌汁の温かさで、ささくれていた気持ちが鎮まる。
カウンターで黙々と食べ、元気をチャージ。
これで月曜日からも大丈夫。

お翼けお涙いらないの。
私のこと、放っておいてとも分かってくれとも思わない。
ただ見てて欲しい。
一人で乗り越えられるから。

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