
はじめまして、VUILDです。
はじめまして、VUILD株式会社です。
代表・秋吉浩気は、これまで専門家しか携わることのできなかった建築分野においてデジタルファブリケーションを組み合わせることで、みなさんに「つくる喜び」を取り戻して欲しい、そんな思いで「建築の民主化」を目指すスタートアップを2017年に設立しました。

近代の産業化が人々から「ものづくり」を遠ざけた
突然ですが、みなさんは最近どんなものをつくりましたか?
産業革命以降、ありとあらゆる物を安価に入手できる様になった一方で、高度に細分化された近代の産業構造では、普段手にするあらゆる物がいかにして手元に届いているかさえ分からないほどに、私たちは「消費者」になってしまったとも言えるのではないでしょうか。
なんだか出だしから重たい話をしてしまいましたが、ここからは私たちが「ものづくりにこだわる理由」と、「ものづくり環境を一人でも多くの方へ届けるための活動」を紹介させていただきます。
「つくる」ことがもたらす価値
代表・秋吉が「つくる」ことにこだわる理由は、「つくることを通して、自分が生きている実感を得たり、世界を変えられる実感を得たりできる」という哲学的な側面があると信じているからです。
ものづくりが人々にとって当たり前になれば、個々人の「創造性」が発揮され、ひとりひとりが社会の主体者として自発的に考えて生活を営む、多様な文化が共存している社会が実現できるのではないでしょうか。
テクノロジーで「つくる喜び」を取り戻す
そんな人々の創造性を引き立てるものづくりの環境が、テクノロジーの進化によって取り戻されようとしています。
近年身近になってきた3Dプリンターをはじめとする「デジタルファブリケーション機器」。これらの登場は、産業革命以前とはまた違う形で人々がものづくりを日常的に行うことを可能にすると私たちは感じています。
VUILDでは、デジタルファブリケーション機器の中でも特に大型の材を加工できる3D木材加工機「ShopBot」を扱っています。ShopBotは、世界各地でもっとも活用されている木材加工機器で、世界各地に点在するFabLabの標準機材の1つです。それにより、世界中で日々デザインされるデジタルデータを共有し、国を超えて連携することが可能になっています。

国土の7割が森林で覆われたこの国で、木材を使ったものづくりの在り方が中央集約型の大量生産から自律分散型の地域生産へシフトできたらどんな変化がもたらされるでしょうか。
従来の林業では、細分化されたフローの中で地域の生産者に利益が残りにくい仕組みになっています。そこで、テクノロジーによって川上にいる生産者とエンドユーザーを直接繋ぐことで、伐採から加工までの全てを半径10km圏内で完結する。
そして、現在加速するオープンソース化の流れで、デザインデータに個々人が気軽にアクセスできる。そうすることで、みなさんが欲しいと思ったものを、特別な技術や知識がなくても「自らの手で」カスタムメイドでき、それを日本中に設置されたShopBotで出力できる。
使い手が自分の欲しいままにデザインし、自らが住む地域の木材で瞬時に形にできる、そんな世界を私たちは目指しています。

誰もがものづくり」に取り組める環境づくり
私たちは3つの事業を通じて、誰もがものづくりに取り組める環境づくりに取り組んでいます。それぞれの事業に関してはこれから数回に分けて記事にしていきますが、ここでも簡単にご紹介させていただきます。
【事業部の相関関係図】

こちらの図では、各事業部がそれぞれどの様に関係しあっているかを示しています。①ShopBotの数を増やし、②ShopBotの使い方の幅を広げ、③誰もが気軽に・身近に感じられるツールの開発をそれぞれ事業部で進めることにより、より多くの人がものづくりに取り組める環境が整うと考えています。
1. 【ヴィルダーズ事業部(ShopBot Japan)】による「デジタル生産体系の構築」
2013年にShopBot Tools社より、代表・秋吉浩気が国内唯一のShopBot Guru -達人-の認定を受けて以来、これまで国内外61箇所(2021年1月時点)にShopBotを導入してきました。重複しますが、ShopBotを使えば素人・玄人を問わずに誰もが自由にものづくりをすることができます。
この事業部では、ShopBotの輸入代理販売や導入後のサポート、人材育成に加え、工務店などに対してShopBotを用いた自社の商品開発のサポートなどを行うことで、ShopBotの数を増やし、つくり手がShopBotに触れ、つくりたいと思ったものをすぐにつくれる機会を提供します。

2. 【VUILD ARCHITECTS】によるShopBotを使った「事例の増大」
この事業部では、「ShopBot」や5軸加工機「Biesse」用いた家具や内装、住宅建築まで大小問わず設計・施工を行なっています。
クライアントと共に協業し開発したプロダクトは、全て上記の機器で出力しています。クライアントのニーズに合わせて、工法や機器の使い方を研究し、常に「新しい」を追求します。3D木材加工機器だからこそ可能な曲線を生かしたデザインを提案や、家具から建築まで広く、ShopBotの「使い方」の幅を広げています。

▲ShopBotを用いて建設した「まれびとの家(2019.10)」はグッドデザイン金賞(2020)を受賞した。
3. 【EMARF事業部】による「つくりたい」という「需要の増大」
EMARF事業部では、誰もが「つくりたい」ものを気軽につくることができるツール「EMARF」の開発・運営を行っています。
「EMARF」は、デスク、椅⼦、棚などの家具から建築物まで、⽊製ものづくりのデザインからパーツに加⼯するまでの⼯程を、オンラインで完結できるクラウドサービスです。CAD上で設計したものをEMARFにオンライン入稿すれば、全国各地に導入されたShopBotの工房で出力できる。これまで必要とされてきた煩雑なプロセスを省き、徹底的にデザインを追求することができるようになります。

EMARFが⽬指すのは、これまで職人にしかできなかった家具や建築のデザイン・部品加⼯などものづくりを、あなたに解放すること。既成部品の組み合わせではなく、ニーズや好みに合わせた思い通りのデザインを1点からでも、⼤量にでも、ボタン⼀つで速く安くカタチにできる世界、はじまります。

「建築の民主化」を目指して
地域と住民の接点、そして人と人の繋がりのハブとしてShopBotが全国各地に導入されることで、より多くの人々が気軽にものをつくることができる。
そうして「ものづくり」が人々の手に取り戻された時、自分でつくることによって生まれる幸福感や達成感、更に言えば生活者としての手触り感を人々が実感できる。これが私たちの目指す「建築の民主化」です。
このnoteでは、VUILDのヒトやプロジェクトの紹介を通して私たちが「建築の民主化」にチャレンジしていく過程を記録していきます。
そして、みなさんも一緒に「ものづくり」を通して社会の生活者としての在り方を一緒に考えていただけますと幸いです。
それでは、どうぞよろしくお願いします!
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