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Z世代のコンプレックスと向き合うデザインリサーチ|日本のZ世代は自己の外見をどのように認識している?

こんにちは。初めての投稿です。私たちは株式会社ロフトワークで働くメンバー有志で取り組む、未来洞察 / デザインリサーチに取り組むチームで、未来に向かう生活者や社会の変化とその兆しを発信していきます。

最初の投稿として、メンバーが取り組んだZ世代のリサーチをご紹介したいと思います。Z世代と言うと様々な特集が組まれていますが、彼らがどのようにZ世代に着目し、捉えていったのか、こういう見方もあるんだと思ってもらえたら幸いです。

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こんにちは。HOW TO FACE GEN-Z?リサーチチームです。2022年の6月から3ヶ月ほど、「日本のZ世代における自己の外見の捉え方とケアの実態」をリサーチするプロジェクトを実施しました。
HOW TO FACE GEN-Z?の実施メンバーは、全員がZ世代です。リサーチ対象者と同じ目線で、対象者が抱えてきたコンプレックスやその発生源、乗り越え方について対話を続けてきました。
この記事では、プロジェクトの概要やプロセスをレポート内容からピックアップしてお話しします。

プロジェクト概要
メンバー:株式会社ロフトワーク ディレクター 近藤理恵、吉田真貴、幕内稜也
期間:2022年6月〜9月
内容: 日本のZ世代における自己の外見の捉え方とケアの実態について

▼HOW TO FACE GEN-Z?レポートサマリー

以下ページよりレポート全文をダウンロードいただけます。
▼HOW TO FACE GEN-Z?レポートダウンロードリンク(無料)


はじめに|実際、日本のZ世代は自己の外見をどのように認識しているのだろう?

HOW TO FACE GEN-Z?では、「Z世代とどう向き合ったら良いのか?」を考えるための1つのテーマとして、10代後半〜20代前半の若年層へのインタビューをもとに「Z世代における自己の外見の捉え方とケアの実態」を探ってきました。ボディポジティブ、ボディニュートラルのムーブメントが広がり外見に対する価値観が多様になっているとされる世の中で、日本のZ世代は実際どのように自己の外見を認識しているのでしょうか。

HOW TO FACE GEN-Z?の特徴として、Z世代を一括りにして「このような価値観を持っている」という定義づけは行いません。リサーチ対象者と同じくZ世代である著者自身が、自分たちが持つ価値観は一人一人多様で複雑、かつ流動的なものであると考えているためです。メディアで報じられているような「一般的なZ世代」とされる人々が存在することを否定はしませんが、私たちが重要だと考えているのは、生身のZ世代一人ひとりが持つ価値観を丁寧に抽出し、Z世代の中の個人と向き合い続けることです。そのため、リサーチ対象者一人一人が持つ着眼点や過去の経験といった細かい粒度でインタビュー結果を整理し、「アーキタイプ(人物像)」「個人(n1)分析」を今回のアウトプットとしてまとめています。

プロセス|「外見に対する認識」をテーマに対象者の過去から現在を知るインタビュー

今回のリサーチでは「外見に対する認識」をテーマに以下対象者にインタビューを実施しました。(対象者の画像は、個人が特定されない形で「好きなもの」を持った写真をご本人に撮影いただき掲載をしています。※撮影にご協力いただけた対象者のみ)

インタビュー冒頭では対象者が現在外見に対して抱いている価値観がどんな過去の経験から生まれたものなのかを探るため、モチベーションマップ※作成ワークを実施。モチベーションマップに記入された内容を対象者と一緒に振り返りながら、現在抱いている価値観と小学校〜現在に至るまでの価値観の変遷を紐解いていきました。
※モチベーションマップの内容については「アーキタイプの見方」内、「これまでの外見に対する認識(モチベーションマップ)」をご参照ください。

また、今回のテーマは質問によってはセンシティブな内容を含むため、身体のどの部位の話をしているのか(具体的なコンプレックスの部分)について言葉にしたくない場合は言及しなくて良いよう、コミュニケーションシートを使用してインタビューを行っています。

アウトプット①|対象者の特徴を分類した、5つのアーキタイプ(人物像)

インタビュー内容から5つのアーキタイプを作成しました。アーキタイプとは、新たなサービスを発想する際の参考となる顧客の人物像のことです。
アーキタイプの分類は下記2軸で分けています。
①外見に対する価値基準の軸が自分にある/他人にある
②外見に対する自身の価値基準を認識している/認識しておらず探している
また、各アーキタイプに人物のキャラクターがイメージしやすくなるようタイトルを記載しています。

インタビュー全体を通じて話題に挙がっていたのが「外見に対する価値基準」をどのように持つかという視点です。外見に対する価値基準について自分の軸を持ちたいと言葉にする対象者がほとんどであったものの、その内実は個々人で全く異なっていました。例えば「自分の軸だと思っていたものが実は他者の言葉から形成されていた」であったり、「他者に影響されがちだと考えていたが実は自分の譲れない軸を持っていた」など、インタビュー結果から窺えたいくつかの対象者の特徴をアーキタイプとしてまとめています。

アーキタイプの見方

彼ら彼女らを構成するインサイト

アーキタイプを構成する対象者の発言全体から推察される、「無意識の心理」を記載しています。インサイトはまだ市場で顕在化されていないユーザーのツボを突き、新規のサービスアイデアを考える際に役に立ちます。

サービス創出のヒント

インサイトからサービスアイデアを考える際に使用する「問い」を記載しています。単にインサイトに対応するアイデアを考えるのではなく、様々なエッセンスを加えた「問い」を作成することで、インサイトから想起されるサービスアイデアの幅を広げています。

これまでの外見に対する認識(モチベーションマップ)

モチベーションマップ作成ワークでアーキタイプを構成する対象者に記入いただいた、小学校から現在に至るまでの自身の外見に対する認識を記載しています。モチベーションマップ内ではポジティブ/ネガティブの指標をもとに認識の上がり下がりを表現していただき、顕著に上がったところ/下がったところについてインタビューで深掘りを行っています。

ストーリー

アーキタイプを構成する対象者の発言内容を一連のストーリーとしてまとめています。ストーリーを読むことで、アーキタイプを構成する対象者が現在に至るまでにどのような経験をし、何がきっかけで現在の価値観を抱くようになったのかについての概要を知ることができます。

著者(Z世代)の視点

インタビューを行う中で同世代として著者が感じた共感ポイントや推察をコメントとして記載しています。

アウトプット②|対象者一人一人の発言から外見に対する価値観を抽出した、9名の個人分析

「外見の捉え方」に関するインタビューの回答と、小学校から現在までにおける外見に対する認識のモチベーションマップ作成ワークの結果から、9名それぞれの「外見に対する価値観」を抽出しました。
個々人のインタビューから、自身のコンプレックスの捉え方、コンプレックスの発生源、乗り越え方をまとめることで、「Z世代」と一括りでは語ることのできない多様で複雑な「外見に対する価値観」が明らかになっています。

個人分析の見方

コンプレックスに対する考え方・発生源・乗り越え方

対象者の発言内容から、コンプレックスに関する内容を抽出し記載しています。

外見に対する価値観

インタビュー全体から窺える対象者の外見に対する価値観を、きっかけとともに記載しています。

これまでの外見に対する認識

モチベーションマップ作成ワークで対象者個々人に記入いただいた、小学校から現在に至るまでの自身の外見に対する認識を記載しています。モチベーションマップ内ではポジティブ/ネガティブの指標をもとに認識の上がり下がりを表現していただき、顕著に上がったところ/下がったところについてインタビューで深掘りを行っています。

ペイン(避けたいこと)

小学生、中学生、高校生、大学生、社会人の枠組みの中で対象者が感じていた「避けたいこと」を記載しています。

ゲイン(嬉しいこと)

小学生、中学生、高校生、大学生、社会人の枠組みの中で対象者が感じていた「嬉しいこと」を記載しています。

おわりに|Z世代とどう向き合ったら良いのか?

「Z世代とどう向き合ったら良いのか?」
リサーチ対象者個人個人の発言を振り返ると、その答えが浮かび上がってくるように感じます。彼ら彼女らの価値観は複雑かつ流動的で、ともすれば捉えがたいものでありますが、ただ漠然と流動的でいることをよしとしているのではなく、その価値観の中には確かな意志が存在していることが今回のリサーチを通して明らかとなりました。
そういった意味では、このリサーチを完成させることなく彼ら彼女らと共にアップデートし続けることが、Z世代との最適な向き合い方であると言えるのではないでしょうか。
HOW TO FACE GEN-Z?はこれからもZ世代の個々人との対話を続けていきます。

HOW TO FACE GEN-Z?リサーチチーム
(左から)幕内稜也、近藤理恵、吉田真貴


株式会社ロフトワークでは、デザインリサーチを通してユーザーのインサイトを抽出し新規サービスや事業につなげる取り組みをおこなっております。
今回のようなデザインリサーチについてご興味をもっていただけましたら、お気軽にコメント、またはロフトワークのコンタクトページよりご連絡ください。
Z世代の皆さんからのご感想もぜひお待ちしております。

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協力:VU


追記:会社からの公式リリースはこちら!


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