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時計やブランド品を「資産」として“見える化”することで拓ける未来~戦力外Jリーガー社長の道のり40

2017年10月、私たちは資産管理アプリ『Miney (マイニー)』をリリースしました。これは将来のビジョンを具現化する、一つの実験的な試みでした。

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『Miney』は、自分の持っている時計やジュエリー、バッグ、アパレルなどの写真を撮るだけで、簡単にそのアイテムの過去の価格推移、現在の価格が把握できるアプリでした。

一般の人にはスマホだけで「自分の持ち物の現在の価値を知ることができる」ことを単純に面白がってもらえると思ってましたが、『Miney』のリリースには、もう少し先進的な意図がありました。


あなたの「資産」とは?

あなたの資産を教えてください。

そう聞かれたらあなたはどんなものを思い浮かべるでしょう?

所持している現金、銀行にあずけている預金。これはキャッシュですからすぐに思い浮かぶでしょう。
持ち家がある場合は、マンション。これもわかりやすく資産と考えている人が多いでしょう。
高額なのに多くの人が所有する自動車も資産という認識がある人は多そうです。
株式投資信託生命保険も思いつく人がいるでしょう。

一方で、金や貴金属、ブランド品、アンティークやアート、ヴィンテージワインやウイスキーなど「希少性があるから価値を持つモノ」もあなたの資産です。

現在では、デジタルコンテンツの所有権を証明できるNFT(非代替性トークン)やDAO(分散型自律組織)トークンなどブロックチェーン技術を用いた新しい「資産」も登場しています。

価値を「見える化」する

NFTやDAOトークンについては別の機会に詳しくお話しするとして、『Miney』は時計、ジュエリー、バッグ、アパレルなどの「持ち物」を「資産」として考えるきっかけになるのでは? と思って始めたサービスでした。

自分の所有するモノを記録し、それをリセールマーケットに出したときの価格推移、現在の価値がわかる。つまり、自分の持ち物の価値が「見える化」されている状態をつくり出すわけです。

「モノ」を「お金=資産」として捉え直す

本質的な狙いは、これまで顧客が「モノ」としてしか見ていなかった所有物を「お金」と結びつけることで「資産として見る」ようになることでした。これは単に「『なんぼや』にブランド品を売ってほしい」とか、「リユース市場の在庫を増やしたい」とか目先の利益だけではなく、株や投資に消極的で、「お金の勉強」が足りていないと言われている日本人が、「すでに持っているモノ」とスマホ一つで、資産について考えられるようになるのでは? という思いがあってのことです。

価値が常に可視化されている近未来

クローゼットやタンスに眠るモノを資産として認識してもらい、“潜在的な顧客”を掘り起こすと同時に、資産管理、資産形成、お金と接する教育の機会も創出できる。

私の頭の中には、そこからさらに進んで資産の査定がすべて自動化され、一瞬で終わる仕組みが構築される未来がありました。

例えば、時計やブランド品を購入した瞬間に、自動的にそのアイテムが市場に登録され、購入時からの取引履歴、購買データと紐付けられた状態になる。ブロックチェーンを介して、売る、売らないに関わらず常にそのアイテムの資産価値が把握できる。出品もボタン一つで、過去の履歴や相場から価格が決定するような仕組みです。

未来を先取りした「売りどきアラート」

『Miney』ではリリース後のアップデートで実装した、査定したアイテムに前回の更新から価格変動があった際、プッシュ通知にてユーザーにお知らせする「売りどきアラート」は、バリュエンスグループの持つ買取価格相場と連動していました。つまり、日本最大級のBtoBオークションにおける膨大な販売データが根拠になって、資産価値の予測をしていたわけです。そういう意味では、「売りどきアラート」は、その先の壮大な構想の第一歩という感じでした。

『Miney』が切り開いた新たな可能性

結果から言えば、この構想は少し早すぎたようです。

こちらのnote記事で少し紹介しているように、中国では個人データは信用銀行という形で個人の与信情報としてすでにフル活用されていたり、

NFTやDAOトークンといったデジタル的な所有権の証明を可能にする概念も定着フェーズに入っていますが、当時の日本では一気通貫で私の考える未来に到達するほどの勢いはありませんでした。

とはいえ、『Miney』は、広告宣伝は行っていないにもかかわらずリリースから約1年後の2018年11月末には登録ユーザー数が2万5000人を超え、登録商品の資産総額は40億円以上になるなど注目を集めました。

『Miney』のアプリとしてのリリース、サービスは終了していますが、そのコンセプトはALLUの店舗やオンラインストアで購入した商品がそのままオンライン上のショップに出品することができる『ALLU Fashion Market』

に受け継がれています。

つづく

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