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ディーゼル車ってほんまにええんか!?

最近、EV(電気自動車)が世界を制覇するんちゃうかとか、ガソリン車はもうオワコンやとかよう聞くけど、ほなディーゼル車はどうなんや?知っとったか?今のディーゼルエンジン車っちゅうのは、燃費もええし、パワーもトルクもバッチリやねん。

今やほとんど排ガスゼロやで、ガソリン車に比べたらな。せやけど、今日はなんでディーゼルが終わっとるんか、あとなんでディーゼル車は絶対買うたらあかんかを教えたるわ。


時速563キロのディーゼル車!?

2006年8月22日、新しい世界記録が打ち立てられたんや。時速350.092マイルやで!アンディ・グリーンっちゅう人がネバダ州ボンネビル・ソルトフラッツでディーゼル車の陸上速度記録を破ったんや。でもこれ、ただの偶然の記録やないねん。何年もかけて準備してきた結果やねん。

1997年5月にさかのぼるんやけどな、34歳のイギリスの戦闘機パイロット、アンディ・グリーンはバケーション中にヨルダンのアルジェフィールで一緒にエンジニアたちと過ごすことにしたんや。彼の計画は、スラストSSCっちゅう11トンのジェットカーを操縦して、アメリカでの世界記録挑戦の準備をすることやったんや。彼の作戦は、車を安定させるために、常に細かい調整をし続けることやった。テスト最終日には、アンディはスラストSSCを時速490マイルまで持っていくことができたんやで。

スラストSSCとアンディ・グリーン英国空軍中佐
ロールスロイス製RB.168 スペイエンジン(ジェットエンジン)搭載

そんでな、アンディはこれで終わりやなかったんや。1994年6月、アンディは新聞で「音速突破を目指すドライバー募集」っちゅう見出しを見つけたんや。アンディは子どもの頃から陸上速度記録に興味津々やったから、そらもう飛びついたわけや。チームに合流して、音速の壁を突破するためのチャレンジに参加したんや。だって、アンディは超音速戦闘機を飛ばしたり、364フィートのバンジージャンプしたりしてたし、肝が据わっとるやつだけにこのポジションにピッタリやったんや。1997年10月15日の朝、アンディ・グリーンはスラストSSCのコックピットに乗り込んだんや。んで、新しい陸上速度記録、時速760.035マイルを叩き出したんやで!それだけやない、初めて超音速の陸上速度記録も作ったんや。

そんでアンディは普通の仕事に戻ったんやけど、2005年になって新しいチャレンジが舞い込んできたんや。イギリスの建設機械メーカーJCBの会長がアンディに話を持ちかけてきたんや。新しいディーゼルエンジンが750馬力を発揮できるっちゅうことで、ディーゼルエンジンの陸上速度記録を破りたい言うてきたんや。当時の記録は時速253マイルやったけど、アンディはその挑戦を受けて、2006年10月22日に時速350.092マイルで新記録を叩き出したんや。信じられへんかもしれんけど、アンディはトップギアに入れることもなかったんや。ええタイヤさえあれば、簡単に時速450マイルに達するって言うてたで。

JCB Dieselmax
ツインコンパウンドターボチャージャーとインタークーラーを備えた、2基のJCB444コモンレールインジェクションディーゼルエンジンを搭載

ディーゼルエンジンてなんや!?

ほな、なんでディーゼルエンジンがオワコンや言う前に、エンジンの話をしよか。ディーゼルエンジンは速さだけやない、他にもええとこがぎょうさんあるんやで。まず、ディーゼルエンジンはめっちゃ効率がええんや。圧縮点火システムっちゅうもんがあって、これが普通のガソリン車よりもはるかに効率的なんや。ディーゼルエンジンはスパークプラグを使わんから、その分手間が省けるんやで。スパークプラグがいらんいうことは、点火チューンアップも不要っちゅうことや。

一般的な4ストロークディーゼルエンジン
噴射された燃料は、シリンダー内の圧縮された高温の空気と反応し自然着火する。このプロセスはスパークプラグによって点火するガソリンエンジンよりも効率的だ。
一般的な4ストロークガソリンエンジン
ガソリンはディーゼル燃料と異なり熱で自然着火しにくい。従って、スパークプラグによる点火が必要である。

エンジンがええ温度になるまで空気を圧縮するんやけど、これがガソリン車よりも高い圧縮を要求するんや。圧縮率が高いっちゅうことは、エンジン内がガソリン車よりも熱いっちゅうことや。これでディーゼルエンジンは少ない燃料でより多くのエネルギーを生み出すことができるんや。つまり、ガソリン車よりも燃費がええっちゅうことや。ガソリンが1ガロン10ドルまで上がる言うてるこのご時世、給油の回数が少なくて済むのは大きな利点やで。実際、ディーゼルはガソリンよりも15%多くのエネルギーを持っとるんじゃ。つまり、ディーゼル車はガソリン車よりも1ガロンで35%も遠くまで走れるっちゅうことや。

ほんでな、もしあんたがこの夏にトレーラー引っ張る予定があんなら、ディーゼルがええ理由がもう一つあるで。ディーゼルエンジンはトルクがでかいから、重いもん引っ張るときの牽引力がめちゃ高いんや。ディーゼルエンジンっちゅうのはパワー業界の働き者って呼ばれとるんやで、その理由もよう分かるわ。工事現場に入ったら、たいてい周りはディーゼル車だらけやで。建設業界では、エネルギーの98%がディーゼルから来とるし、アメリカではオフロード用燃料の55%が建設業で消費されとるんや。

ピータービルト社製の大型トラック Model 579
パッカー製12.9L直列6気筒ディーゼルエンジン搭載

2010年に、超低硫黄ディーゼル燃料っちゅうもんがアメリカで導入されたんやけど、これが先進的なエンジン燃焼と排ガス制御技術を使うもんやったんや。選択的触媒還元システムとか粒子フィルターとかがそうやな。これでメーカーはどんどん排ガスを減らすエンジンや機器を作り始めたんや。これが今で言う4世代目、つまりTier 4の先進ディーゼル技術っちゅうもんや。これのおかげで窒素酸化物の排出が90%も減って、粒子状物質も90%減や。これがショベルカーとかブルドーザーとかホイールローダーとかバックホーみたいな建設関連の車両や機器に適用されとるんやで。建設現場では生産性が上がるからディーゼルエンジンを使うんやけど、この新しいTier 4技術のおかげで排ガスもほとんどゼロや。建設業界はもっとエコにせなあかんっちゅうプレッシャーがあるから、低排出ディーゼルエンジンは未来の業界全体のためにもええ選択肢やで。

ディーゼルのメリット

ディーゼルはな、鉄道のエンジンでもめっちゃ人気なんやで。今の時代、長距離貨物列車のエンジンなんかやと、4500馬力まで出せるんや。強力なディーゼルエンジンのおかげで素早く加速できて、しかも速く走れるんやけど、線路にほとんどダメージを与えへんねん。ディーゼルエンジンは、何トンもある貨物や乗客を効率的に運ぶのにぴったりなんや。例えば、大手貨物鉄道会社のCSXは、自社の列車が1トンの貨物を1ガロンの燃料で平均492マイル(791キロ)も運ぶって言うとるんや。ほな、自分の車が3トンあるとして、1ガロンの燃料で約164マイルも走れるって考えてみてや。もちろん、それはざっくりした推定やけどな、ちょっと想像してみるとええで。しかも、この列車のエンジンにはハイブリッドシステムが載っとるもあるんや。ハイブリッドディーゼルは昔の蒸気機関車よりも5倍効率的なんやで。

GE Transportation社製の貨物列車用ディーゼル機関車 AC6000CW
251L V16気筒ディーゼルエンジン搭載(なんと6000馬力を発揮する)

それだけやないで、発電所もディーゼルからエネルギーを得とるんや。ディーゼル発電機は、だいたいの火力発電所で使われとるんや。大規模な発電所だとな、通常1ユニットごとに1つ緊急用ディーゼル発電機セットがあるんや。この発電機は、電圧低下リレーが作動したときに自動的に起動するんや。これは、たとえば、ステーションサービスの切り替えに失敗した場合とか、いろんな理由があるんやけど。火力発電所で発電ユニットがオフラインになるみたいなシナリオは珍しくないんやで。知っとったか?自分の命がディーゼルのおかげかもしれへんねん。これはすべて、ディーゼル緊急バックアップ発電機のおかげや。短期間でも停電したら、公衆の健康と安全に脅威を与える状況を作り出すことがあるんや。ディーゼル発電機は、緊急およびバックアップ電力システムに最適な選択肢や。主要な電力供給システムが故障した場合、10秒以内にフルパワーの電力を提供してくれるんや。ガソリンエンジン発電機と比べても、同じサイズのエンジンでディーゼル発電機は2倍の電力を生み出せるんや。それに、安定した電力供給をしてくれるし、大きな電力消費の変動にも問題なく対応できるんや。大きな家電製品がオンになるときでも、ディーゼル発電機は電力出力がちらついたりせえへんけど、タービンやガスエンジンは負荷がかかるとスローダウンして、電気機器が完全に故障することがあるんや。だから、ディーゼルはこれらの発電機にとってずっとええし、安全な選択肢なんや。

ほな、なんでアメリカじゃディーゼル車がそんなに人気ないん!?

海の向こう側、ヨーロッパに行ったらドイツからトルコまで、そこらじゅうディーゼルエンジンの車ばっかりやで。ほんで、ディーゼルがそないにええもんやったら、なんでアメリカでディーゼル車もっと見かけへんのかって?答えは簡単や、うちらはガソリン車が好きやからやねん(米国でのディーゼル車の割合は数%程度と思われる)。ディーゼルって聞いたら、多くの人がうるさい、汚い、くさいトラックを思い浮かべるんやろうな。あの排気ガスのにおいも思い出すし、ゼロエミッションなんて夢のまた夢やって思うわな。でも実際のとこ、現代のディーゼルエンジンはそないにうるさないし、排気ガス問題も解決済みやねん。でも、アメリカではガソリン車ほど人気ないんや。広告業界のせいや言う人もおる。ヨーロッパではディーゼル車に向けたキャンペーンが盛んやったんや。地球温暖化を心配する人が増えるたびに、ヨーロッパではディーゼルを地球を救うための奇跡の燃料として推してきたんや。でも、アメリカでディーゼル推しの広告なんて最近見たことあらへんねんな?皮肉やけど、今やヨーロッパではディーゼルを追い出して、電気自動車に置き換えようとしてるんやで。

でもな、ディーゼルがアメリカで流行らん理由はそれだけやないんや。ディーゼルがアメリカで流行ることは一生ない理由を教えたるわ。まず、ディーゼル車の値段が高いねん。ディーゼル車は標準的なガソリン車よりもはるかに高いんや。何千ドルも余分に払わなあかんねん。でも、それに見合う価値があるかって?多くの人が「いや、そんな価値ないわ」と思うんや。たしかに、ディーゼルエンジンは燃費がええけど、トラブルが多いし、修理費用もバカにならんねん。ディーゼル車はスパークプラグやディストリビューターは要らんけど、定期的なメンテナンスは必要やねん。ほとんどのディーゼル車にはシステム内の余分な水を分離する装置がついとるんやけど、その水を定期的に抜かへんかったら大変なことになるんや。修理に持って行ったら、えげつない料金請求される覚悟しとかなあかんねん。ディーゼル車だとメカニックは修理費用を高く設定しがちや。これはディーゼルエンジンが独自の部品とサービスを必要とするからやねん。ディーラーやガレージも、このタイプの仕事ができる認定メカニックを雇っとるから、それも費用に影響しとるんや。結局、ディーゼルを安くするためには、ディーゼル部品や技術者の在庫を豊富に持つプロセスが必要なんやけど、それができへんから、延々と同じサイクルが続くんや。

寒いとディーゼルはあかん

あとな、覚えときや、ディーゼルエンジンっちゅうもんは熱が必要やねん。寒い州に住んどるなら、ディーゼルはホンマに厄介な存在やで。気温が氷点下になったら、エンジンかけるんが難しゅうなってくるねん。燃料を点火するためには高い温度が必要やし、せやから走らん時はエンジンルームを温めとくためのブロックヒーターがいるんや。もしあんたがいつも旅しとるタイプでブロックヒーターの電源が確保できんのやったら、朝早い予定は入れん方がええで。エンジンを温めるのに時間かかるから、時間通りに到着するんはまず無理やわ。

それに、ディーゼルエンジンはガソリン車よりもうるさいねん、特に寒い時はな。普通のディーゼルエンジンは100デシベルも騒音出すんや。それに音楽やカーナビやなんやって他の音が加わったら、耳が痛うなるほどの騒音になるわ。ガソリンエンジンは約75デシベルしか出さへんねんけどな。たとえば時速65マイルで走っとったら85デシベル以上の騒音出るねんけど、このレベルやとすでに聴覚障害の原因になるっちゅうことや。

排ガスがやっぱあかんねん

消費者向けのディーゼル車はもう終わりに近づいとるな。最近、ディーゼルはかつて魔法の燃料やったのに、今ではアスベストみたいに危険なもんやと言われとる。ディーゼルの排気ガスには窒素酸化物や粒子状物質が含まれとるんやけど、これが今では「静かな殺し屋」として変なブランド化されとるんや。ヨーロッパ環境庁によると、ディーゼルの排気ガスに含まれる二酸化窒素が原因で、ヨーロッパ全体でたった一年間に約71,000人が早死にしたらしいわ。世界保健機関もディーゼルの排気ガスを発がん性物質、つまり肺がんの原因になるもんやと認定しとるんやで。これでアスベストやマスタードガスと同じカテゴリーに入ったんや。人々がディーゼルの隠れた危険を知り始めたことと、過去10年で多くのディーゼル関連のスキャンダルがあったせいやな。

アメリカではな、ディーゼルエンジン車っちゅうもんは一度も人気ナンバーワンになったことあらへんねん。ところがどっこい、2020年にはディーゼルエンジン搭載のピックアップトラックとSUVの売上が28%も増えたんやで。なんでか知らんけど、たぶんパンデミックのせいやろな。今年もそのトレンドが続くかどうか、見もんやで。

フォルクスワーゲンがやらかした話

でもな、もっとアカン話があんねん。ディーゼルが世界中でニュースになったんや、あの有名なディーゼルゲートっちゅうスキャンダルのせいや。2014年にフォルクスワーゲンがアメリカで50万台以上、全世界で約1050万台のディーゼル車に排ガス規制用のソフトウェアをこっそり仕込んでたんがバレたんや。そのソフトウェアは環境保護庁の排ガステストの独特なパラメータを感知できるようになってたんやで。その不正装置はテスト中のステアリングやスロットルの入力を感知して、2つの異なる運転モードを切り替えとったんや。テストモードでは、車は完全に正常で、全部の連邦排ガス基準に適合しとるように見せかけとったんやけど、実際に道路を走るときには、コンピュータが別のモードに切り替わっとったんや。この秘密のモードやと、燃料圧力、排気ガス再循環、噴射タイミング、場合によっては排気に噴霧されるアドブルーの尿素水溶液(排 気ガスをきれいにする液体やな)の量まで変えとったんや。まあディーゼル好きならしっとるやろ。そうでないならググってみぃ。このモードのおかげで、窒素酸化物の排出量が連邦基準の40倍にもなっとったんや。フォルクスワーゲンはその後、何十億ドル分も訴えられたんやけど、このスキャンダルは今でも話題になっとるんや。

ほな、あんたに聞きたいんやけど、あんたはディーゼル車に乗っとるんか?ディーゼル車はもう終わりやと思うんか?コメントで教えてな。応援ありがとな!


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