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ATF圧送交換でよくある誤解


みんなよう聞いてくんねん、「オートマチックトランスミッションを洗浄して、新しいATF(オートマチックトランスミッション内部のオイル)に全部入れ替えなあかんってよく言うねんけど、ほんまかいな?」てな。よく巷で言われとるATF圧送交換ちゅうやつやな。要するにオイルポンプでATFをミッション内部に一気に入れてしまう方法や。

なぜ圧送交換が良くないか

結論から言うと、それはちゃうで。綺麗にすること自体は悪くないけどな。普通のオートマチックトランスミッションは、パンを外して中の古いATFを抜くと、大体3~4クォート(3.3~4.4リッター)くらいしか出てけえへんねん。でも実際は14~15クォートくらいATF入ってるから、古いATFが大量に中に残るんや。特にトルクコンバーターの中にな。

オートマチックトランスミッションのオイルパン
https://yourcovers.com/pml-toyota-ab60e-ab60f-deep-transmission-pan.html
トルクコンバータの仕組み
エンジン側のタービン(左側)がATFをかき混ぜることで、トルクコンバータ(右)も回転しトランスミッションに動力を伝える。
https://www.britannica.com/technology/transmission-engineering/images-videos

ラジエーターの洗浄とは全然違うんや、ラジエーターはもっと簡単や。ラジエーターには冷却液が通るちっちゃい穴があって、それをキレイに保たなあかんねん。冷却システムはシンプルや。ラジエーターがあって、ウォーターポンプがシステムを通して冷却液を流して、エンジンの中を通って熱を取って、ラジエーターを通して冷却する。シンプルなシステムや。とにかく詰まったらあかん。機械的なポンプか、最近のやつは電動ポンプもあるけど、どっちもただのポンプやから、洗浄して汚れを全部出したら問題ないんや。

ラジエーターの仕組み
冷却水(水色の矢印)を空気で冷やし、ポンプを介してエンジン側に供給する。
https://www.britannica.com/technology/automobile/Cooling-system

でもオートマチックトランスミッションは全然違う生き物や。中はめっちゃ複雑やねん。電動ソレノイドやちっちゃい通路があって、圧力差で動いてる。汚れたオートマチックトランスミッションに圧送交換かけたら、その圧力で汚れがちっちゃい通路に詰まってまうかもしれん。ほんまに何百人も、どっかでトランスミッション洗浄してもらった人が、「トランスミッションが滑るようになってん」とか「ギアが入らへんねん」とか「シフトがガタガタするねん」とか言うて持ってくるんや。洗浄する前はそんなことなかったのに、それが原因で起こることもあるんや。ほんまに。

一番良いATFメンテナンス方法

だから一番ええのは、オイルパンを外して、中を全部キレイにしてフィルターを交換することや。フィルターは大部分の汚れを捕まえるためにあるんや。だから、パンを外して、底の汚れをキレイにして、新しいフィルターを入れてちゅう流れを定期的にやってたらシステムは問題なしやで。

ATの油圧機構
https://www.goo-net.com/magazine/carmaintenance/repair/216585/
バルブボディ
https://advancedtransmission.com/valve-body/

俺が若い頃、1960年代のメカニックやった頃な、30,000マイル(5万キロ)ごとにATFとフィルターを交換してたんや。ATFも今ほど良くなかったし、トランスミッションもあんまりやったから、もっと頻繁にやらなあかんかった。今はトランスミッションもATFもええやんか。せやからそんなせかせか変える必要はないんやけど、俺はどんなに新しい車でも60,000マイル(10万キロ)ごとに交換するようにしとる。

あとな、「今のATFは一生もんやから交換せんでええ」とか言うてる奴らには絶対耳貸したらあかんで。もしエンジニアに「一生もんのATFって何なん?」って聞いたら、正直な奴は「トランスミッションの寿命と一緒ってことやで」って答えるやろな。ほな、保証期間どれくらいか聞いてみ?大体60,000マイルとかやろ。60,000マイルとか80,000マイル走った矢先にトランスミッションが壊れよったら最悪や。理論的にはATFがまだ大丈夫やったとしても、トランスミッションがシフトせんかったら、4,000ドルとか5,000ドルかけて新しいの買うか、修理せなあかんねんで。そんなんアホちゃうかいう話やろ。

俺の古いセリカなんか、230,000マイル走っても、トランスミッションはまだ夢みたいにスムーズにシフトするで。30,000マイルごとにATF交換してるからな。そんな大したことちゃうわ。この車のATFオイルフィルターなんか気にしたこともあらへん。トヨタのデザインは、大半が実際のフィルターやのうて、窓の蚊取り網みたいなスクリーンが付いてるだけや。こんなんただ掃除するだけでええねん。交換せんでもええ。

トヨタ・セリカ6代目(T200; 1993–1999)
セリカのミッションフィルター

これ重要やけど、ミッション交換が必要なレベルちゅうのは相当重大な故障や。そこまでいかんようにせなあかんで。ギアがシフトする前に回転数がめっちゃ上がるトランスミッションなんか、アカンわな。出だしでガクガクするトランスミッションとか、アクセル踏んでも滑って前に進まんとか、逆に入れてもアクセル踏んでも動かんとか、そんなん全部トランスミッション不良のサインや。こんなん絶対避けなあかんけど、ATFずーっと放っとってトランスミッションがめっちゃ汚れてもうたら全然あり得るで。こんな状態でATF交換しようとしたら、ゴミ全部がシステムに回ってもうて完全に逆効果や。理論的には圧力でゴミを取り除いて新しいATFを入れるってのはええ考えに思えるけど、実際にはうまくいかんことが多いんや。

あと、古いトランスミッションは摩擦で動いてるんやからな。ATFには摩擦があって、それが車を動かす助けになってるんや。ほんでな、汚れたATFの方が摩擦しやすいんや。だから、洗浄して汚れたATFを全部出して、新しくて滑りやすいATFを入れた途端にトランスミッションが滑り始めることがよくあるんや。

ほんなら、古いトランスミッションをどうメンテするかやけど、例えばシフトソレノイドを交換せなあかん場合、プロのメカニックやったら古いATFを取っておいて、また戻すんや。アホみたいに聞こえるかもしれんけどな。古いATFを出して、壊れた部品を交換して、またその古いATFを元に戻すんや。150,000マイルとか200,000マイル走った車やったら、それが賢いやり方や。そんだけの走行距離があると、新しいフルードを入れることで、今までの余命が一気に縮むことがあるんや。

巷のショップがATF圧送交換を勧める理由

ほんなら、なんでメカニックやショップが「ATF圧送交換しましょう」って言うんかやけどな、理由は二つや。第一に、儲けるためや。インジェクターを洗浄せなあかんって言うてくる奴らみたいや。車が普通に走ってるんなら、ただの売り込みやで。ATF交換もよくある過剰販売の場合が多いんや。そんなんな、設備がある店やったらめっちゃ簡単にできるで。

俺が今勧めとる方法はめんどくさいねん。フィルターとATF変えるんやったら、まずオイルパンはずさなあかんやろ。最近のオイルパンって、ガスケットすらついてへんねん、接着剤でくっついてるんやで。それを剥がすんがまた大変やねん。壊さんように、叩いたり、こじ開けたり、引っ張ったりせなあかんねん。汚れるし、フィルターも買わなあかんし、そんでまた全部戻さんとあかんねん。

でもな、圧送交換マシン使ったらめっちゃ簡単やで。ATにはクーラーラインってのがあって、ラジエーターとか専用のクーラーに繋がってんねん。そこのラインを2本外して、マシンに繋げて、ATFを圧送するだけや。設備があったら、ほんまに簡単やねん。だいたいパッキン落としてATF変えるよりも圧送する方が高い料金取れるんやから、そら儲かるわな。

ATFをラジエーターで冷やす機構
https://www.etrailer.com/faq-about-engine-transmission-coolers.aspx

だからATF圧送交換はあんまりええアイデアちゃうで。そら、ATFは綺麗な方がええけど、頻繁に変えてたらそれで十分や。全部変えるんちゃうけど、ちょっとずつ変えることで、問題が起きる前に防げるんや。特に最近の車には言えることや。新しい車はだいたい全合成油のATF使ってるから長持ちするんや。ATFオイルフィルターとATFをちょっとずつ変えると、当然新しいATFと古いATFが混ざるんやけど、別に問題ないねん。今のATFの劣化は60年代みたいに激しいもんちゃうからな。あの頃は、ほんまにATFがすぐにダメになってたんやけど、今はそんなことあらへんで。

ほんでな、今のトランスミッションは昔のんよりめっちゃええ作りになっとるんや。昔のアメ車のATっちゅうたら、だいたい中にオートマチッククラッチが入っとったんや。そのクラッチの材料がアスベストやったから、そりゃあいろんなとこ詰まらせよったんや。でも、今はそんな作り方せえへんから、昔みたいにひどい汚れを気にせんでええんや。頻繁に変えんかったら、昔やったら大問題になっとったけど、今はそんなことあらへん。設計もフルードも良うなっとるんや。だから、圧送交換はやめといた方がええねん。

圧送交換した方が良い時

せやけどな、これには例外が一個だけあるねん。例えばやけど、車が全然走らへんとか、滑りまくってほとんど運転できへんぐらいやったら、どうする?それで博打うちたかったら、圧送交換マシン繋げてシステムの汚れ全部取ってもらうんもありやで、特にアメ車のATなら試してみる価値あるかもしれん。例えばほとんど運転できへん状態で、3、4万ドルかけてリビルトトランスミッション入れる必要がある言われてるなら、圧送交換を試してみてもええかもしれん。でも自己責任やで。大抵の場合圧送交換しても結局トランスミッション交換やリビルトが必要になるんやから。もしやるんやったら、ちゃんとしたプロに頼むんやで、ほんまに腕のええ人にな。

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