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「運命的な出会い」はいつだったか(3)

もっとヴィジュアル系を知るには

高1の一番最初、自己紹介シートに「趣味:音楽を聴くこと」「好きなアーティスト:Janne Da Arc」と書いた後、よくよく考えてみると、言うほどジャンヌやヴィジュアル系について詳しくないことを思い出して不安になった。

もし、自己紹介シートを見て話しかけてくれる人がいたとして、今の自分の持っている知識量では、逆に嫌厭されてしまうかも…と思ったのだった。

せっかくなら、もっとヴィジュアル系について詳しく知りたい、知らなければと、新しい世界を知ることにワクワクしていたことを今でも覚えている。


そうして 高校生活開始から間もなくして、ヴィジュアル系の音楽雑誌を買い始めるのだった。

当時、私が通っていた高校近くの本屋では、SHOXX・FOOL'S MATE・Cureが並んでいた(今もヴィジュアル系の音楽雑誌を並べてくれているだろうか…)。

明確には覚えていないのだが、たしか FOOL'S MATEの価格が誤差で一番が安く、FOOL'S MATEの購入を始めた(FOOL'S MATEは、この時から休刊するまで買い続けた)。
あの頃は、毎月 本棚に「FOOL'S MATE」が増えていくことが、それだけで嬉しかった。

そして、YouTubeでヴィジュアル系を貪るように聴いた。
ジャンヌだけでなく、気になったバンドは片っ端から。

ネットは、自分が知っているキーワードでヒットしたバンドしか出てこないが、FOOL'S MATEによって、多くのヴィジュアル系バンドの存在を知ることができた。
…気づいた頃には、立派な雑食となっていた。


私がヴィジュアル系に詳しくなっていくことに比例して、私の「ヴィジュアル系が好きな人」の肩書きは定着しつつあった。

いわゆる一般的には、ヴィジュアル系が好きなことを隠す人の方が多いようだが、私自身、隠す必要があるものだと思っていなかったことと、美術専攻がある高校に通っていたので、周りの人はとても寛容的だった。
この環境が幸いにして、同士を見つけることができた。
(その一年後には後輩にも一人、同士を見つけることができたので、なんとも恵まれた環境だったなと今更ながら思う。)


ちなみに今も、ヴィジュアル系好きは隠していない。私の全てなので。
ヴィジュアル系なしで私のことは語れないと自負している 笑。

本棚に並んだヴィジュアル系音楽雑誌の写真
写真を撮っていてFOOL'S MATEが1冊ないことに気づき…、
引越しの時かなとショック。。


ミュージックビデオ

高校受験のとき、自宅で勉強を始める前に必ずしていた習慣があった。

1, その時に見たいミュージックビデオを1 つだけ見る。
2, ミュージックビデオの曲で一番好きな歌詞を一文思い出す。
3, ノートの背表紙の裏に、2 の歌詞をマジックで書く。

…というものだった。
なぜこの習慣になったのかはあまり覚えていないが、歌詞に勇気づけてもらっていたのだと思う。
あの時は、大半がシドだった。

この習慣が高校受験後も少し残り、勉強前には必ずミュージックビデオを見るという流れが続いていた。

この時に、衝撃的なミュージックビデオを見つけるのだった。


Acid Black Cherry 「冬の幻」


ABCの曲は中学から聴いていたし、SPELL MAGIC のMVは何度も見たことがあった。
ただ、なぜか他のMVを見たことがなかったらしい。

曲のかっこよさとMVのストーリー性、ギャグ要素のギャップに釘付けになってしまった。
まさしく、「これは一体なに…!?」の衝撃を受けた瞬間である。

かっこいいだけじゃない、衝撃。
これこそ、ヴィジュアル系のMVなのでは!?と興奮してしまった。

これが、私の「ヴィジュアル系との運命的な出会いを果たした瞬間」である。

この後、ABCのMVを手当たり次第再生していたことは言うまでもない。


なぜこの瞬間が「運命的」なのか

(1)(2)を読んでいただいた方ならご存知だと思うが、ヴィジュアル系を聴き始めたのはこのタイミングではない。

ヴィジュアル系を好きになったタイミングですら、このタイミングではない。

聴き始めて、好きになって、ある程度時間が経った頃だ。

ただ、私はこの時の瞬間が忘れられないのだ。
この時の衝撃。興奮。
10年以上経った今でも。


ヴィジュアル系は、その名の通り「見た目」にもこだわりを持って活動しているバンドだ。

だからこそ、私は、ヴィジュアル系の本当の良さを存分に伝えられる場がMVではないかと思っている(もちろん、一番はライブである)。

この時の私はまだ、どのバンドのライブにも行ったことがない状態。
この時の衝撃こそが、「ヴィジュアル系」というものの真髄に当てられた瞬間で、射抜かれた瞬間なのだ。

この時の衝撃がなければ、こんなにも長い間「ヴィジュアル系」という1 つ文化(ジャンル)を好きにはなっていなかったと思う。

私にとってこの瞬間こそが「運命的」出会いなのだ。



(1)からお付き合いいただいた方、長らくお付き合いいただきありがとうございました!


今日のBGM

👥 Acid Black Cherry
冬の幻


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