#90 テック投資、最近のマクロ動向との戦い
先週は、米連邦準備制度理事会(FRB)がFF金利のピークを従来の予想よりやや高い4.5%超と見ているということから、マーケットは再び売りに転じ、幅広い企業の株価が下落しました。S&P500は3,800を割り込み、今は3,600前後で推移しています。
このような「マクロ動向」の中、ファンダメンタルズとは関係なく、多くの優良企業が割安になっており、投資家にとってはそれらの企業に投資する絶好の機会となっています(関連記事:今は優良スタートアップのセール期間中)。
例えば、データクラウドサービスを提供するSnowflake(スノーフレーク)社は2020年に上場して以来、事業面では絶好調です。しかし、会社としての成長は順調でヘルシーにもかかわらず、株価は今日現在、IPO価格すら下回っています。
これは、財務情報やKPIなどの重要な指標は公開されていないため、あまり知らされてないですが、グロースステージのスタートアップにも起こっていることなのです。Coatue(コートゥ)やAtreides(アトレイディース)のようなグロースステージの投資家は、この記事でも紹介したように、資金が必要な健全なスタートアップに対して、ストラクチャード・エクイティ(Structured Equity)を提供するファンドを立ち上げています。
今のマーケット、そしてこれから投資機会について、自分たちなりの非コンセンサスな見立てを持つことが本当に重要です。例えば、Snowflakeのようなデータ領域に対する確信は非コンセンサスの一つになり得ます。市場の低迷により、人々や企業が利用するデータ量が減少するのか?または、市場の低迷によって、Snowflakeが提供するサービスの質が著しく落ちてしまうのか?ここで投資のアドバイスをしているわけではありませんが、少なくとも私は上記の2つの質問に対する答えが「イエス」になるとは思えません(私はSnowflakeの投資家ではありません)。今のようなマクロ動向に関係なく、一部の投資家は利益を上げるでしょう。投資家として、マクロ動向(他の人の意見)に従うのではなく、マーケットに対する自分なりの見立てをたて、ニッチな機会を見つけることが必要です。
私は、キャッシー・ウッドさん(ARK InvestのCEO)の発言全てに賛成するわけではないが、以下のツイットには同意します:”Innovation solves problems, and the world is facing many more problems today than two years ago. Innovation is key to real Growth”。私もテクノロジーは、私たちの社会が抱える多くの問題を解決し、私たちの生活を次のレベルへと変化させる鍵であることに変わりはないと思います。
Coatue(コートゥ)やAtreides(アトレイディース)がやっているストラクチャード・エクイティ(Structured Equity)のような比較的に一般的ではない方法で資本を提供するにしても、データ領域やエネルギーなど特定の分野を狙うにしても、この環境下でもテック投資には発掘されてないチャンスがあると心から信じています。多くの人が言っていることと違うことを言うのは勇気がいることだと思います。しかし、その分、経済的な豊かさだけでなく、将来のキャリアという観点からも大きな収穫があるはずです。
References:
After the tech sell-off: will growth investors keep the faith? https://www.ft.com/content/6dedb1e8-19d8-48f7-b838-d181e158c8f0