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最新VR機「PICO4」を旧世代機と比べてみたら意外な結果に

最新VR機であるPICO4を入手したので、その実力を、その辺に転がっていたOculus Rift S、PSVRと比較してレビューします。

PICO4が他を圧倒するのかと思いきや、VR元年から頑張っているPSVRが奮闘する展開になりました。

直接対決を前に対峙する3機種、左からPICO4、Rift S、PSVR

PICO4はどのようなVR機なのか

TikTokを運営する中国企業のByteDanceが10月に発売したVR機です。META Quest2のようにスタンドアローンで動き、PCに繋げることもできます。

公式Webサイトで紹介されている特徴をまとめると以下の通りです。

  • パンケーキレンズによる薄型で快適な装着感

  • パンケーキレンズによる広い視野と鮮明な画質

  • 4K+解像度による鮮やかで没入感のある色彩

PICO4はパンケーキレンズという薄型のレンズを採用しているのが最大の特徴です。このタイプのレンズはMETA Quest Proにも採用されています。

VR機を比較する設定と判定方法

以下の環境でVR機を装着して、色々なゲームを遊んで主観で判定をします。できるだけ似たような環境に揃えてあります。

  • PICO4 レンダリング2544×2544 PC無線接続(VD 150Mbps)

  • Rift S レンダリング2444×2636 PC有線接続

  • PSVR レンダリング不明 PS4Pro有線接続 

①「解像感」対決、勝者PICO4

解像感はスペック表の通りPICO4が最も精細に感じられました。片目あたりのパネルの解像度は、PICO4が2160×2160、Rift Sが1280×1440、PSVRが960×1080であるため、その差が現れました。

PICO4とRift Sでは解像度の数字なりに違いがあります。さらに、Rift Sではドットの粒が見えてしまうスクリーンドアエフェクトが目立っていて少し煤けて見えます。

PSVRはパネルの解像度に加えて本体性能も低いため、かなりボケています。6年も前のVR機なので順当な結果です。

②「発色」対決、勝者PSVR

解像感で遅れをとったPSVRですが、発色は最も良く感じられました。パネルがPSVRは有機EL、PICO4とRift Sは液晶であるため、その差が現れました。

有機ELであるPSVRは色が濃く、液晶の2つは色が薄いです。最も差が出る黒は、黒色と灰色くらいの違いがあり、暗い場所の表現は段違いです。

PICO4とRift Sは方向性の違いはありますが、大きくは変わらない印象です。

③「視野角」対決、引き分け

視野の広さはPICO4とPSVRで同程度に感じられました。スペック表ではPICO4は視野角105°、PSVRは視野角100°です。

交互に比べると、左右はPICO4がわずかに広いかも?上下はPSVRがわずかに広いかも?という程度の差であるため、引き分けです。

Rift Sは他の2つより視野が一回り狭いのがすぐに分かります。

④「付け心地」対決、勝者PSVR

薄型のパンケーキレンズを採用したPICO4で一番期待したところでしたが、付け心地はPSVRが最も良かったです。重さはPICO4が585g、Rift Sが560g、PSVRが600gとあまり差がないため、支えのクッションで差がでました。

PICO4は重心のバランスがとれていて付け心地は基本的に良好ですが、支えのクッションが狭くて硬いためオデコの圧迫が少し鬱陶しいです。

PSVRは支えのクッションが広くて柔らかいため付け心地は良好です。Rift Sはやや前重心ですが支えが安定しており悪くはありません。

ただし、PICO4は他の2つと違い無線であるため、煩わしいコードがありません。ダンスなどのゲームをする場合は快適に動くことができます。

総合判定 勝者…PSVR!ではない

私が特に重視するVR機の4項目で比較したところ、PSVRの勝利数が一番多くなってしまいました。それでは、PSVRが3つのなかで一番かというと絶対に違います。

PSVRは古いハードであるため、画面がボケ気味です。今からPSVRを買うのはおすすめしません。来年には全てがパワーアップしたPSVR2が発売されます。今回の比較を踏まえれば、PSVR2にはかなり期待ができそうです。

PICO4は高い解像度のクリアな画質が良いです。期待のパンケーキレンズは、視野の端が暗かったり、周りが少し歪んで見えたり、グレアが溢れやすかったりと、発展途上な部分もありました。

Rift Sは解像度の低さと視野の狭さが時代遅れになっています。ただ、それ以外の欠点はないため、Rift SからPICO4に乗り換えても良いことばかりでもないです。

そもそも、Rift Sは既に絶版、PSVRも今から買う人はそういないため、これからVRを始める人はQuest2とPICO4あたりを比較すべきです。まずは「Quest2 PICO4 比較」で検索しましょう。

PICO4の最大の武器は値段の安さ

PICO4は128GBタイプが49,000円で、現行のVR機では最安です。キャンペーンで5,000円引きになっているのもよく見かけます。この金額ならPICO4は価格相応のVR機だと思います。

これまでにないハイクオリティなVR機を期待しているのであれば、来年発売のMETA Quest3やPSVR2まで待ってみるのも良いでしょう。


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