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3Dスキャンを活用したビジネスは新たな市場を生み出すか【2023年12月更新】
こんにちは、newtraceの柴原です。
3Dスキャンをテーマに語るシリーズ、今回は3Dスキャンの利点をビジネスに活用するにはどうしたらいいのかという話です。
リアルとバーチャルをつなぐ役割
3Dスキャンのメリットとしてまず最初に浮かぶのが「簡単」というキーワードです。バーチャルの世界でなにかを作るとき、イチから3Dデータを作らなくてもいい。フォトグラメトリー(Photogrammetry)方式なら特に容易にデータ化できます。
昔のように3DCGをひとつひとつ作っていくのは本当に手間も時間もかかります。これが一気に短縮できるのは素晴らしいメリットですよね。
仮に、もし3Dスキャンがなかったら、バーチャルの世界がずいぶんとリアリティのないものになってしまうのではないでしょうか。擬人化や模写されたものばかりで埋め尽くされるわけですから。
さらに手作業で作ったCGデータですから限界もあります。きっとアニメに近しい世界になるのでは、と思います。
「バーチャルはバーチャル」と割り切ってやるならそれでもいいと思いますが、withコロナの今求められているのはリアルとバーチャルのハイブリッド。リアルをどこまで取り込むかによってUI/UXが大きく左右されてしまうのです。
そういう意味で、リアルとバーチャルを繋げる鍵を握っているのが3Dスキャンだと言えます。
3DスキャンとARの組み合わせは最強
ARでの3Dスキャン閲覧がよりスムーズに
3Dスキャンの使い道としてアパレルが最有力である、というのはこちらのコラムでも述べました。ファブリックの素材感を表現する上で3Dスキャンは最適ですし、ECに導入すれば返品率の減少と売上アップに貢献するものと期待しています。
もちろんそれは間違いないのですが、私はもうひとつの可能性に強く惹かれています。それが3DスキャンとARとの組み合わせです。
スキャンしたものをARで見る、ということに関していえば以前はアプリが必要でした。でもいまやWebブラウザだけで見ることができます。しかもQRコードから読み込むだけという手軽さ。
新しい購買体験の提供
これができると何がいいか。たとえば椅子を3Dスキャンしますよね。そのデータの横にQRコードを載せておきます。ユーザーはQRコードを読み取れば自分の部屋にその椅子を置いてみることができるというわけです。
大きさや配置など、これまでは頭の中で必死にイメージしなくてはならなかったことが、リアルに目の前でシミュレーションできる。平面ではなく立体でわかる大きさの感覚。これはコミュニケーションのレベルが一つ上がったといえますよね。
購買体験にいままでと全く違う感覚が付与されるのです。
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私自身でいえば、これまで趣味でもある観葉植物の鉢植えを購入する際に置き場所に適したサイズ選びで成功したことがないので、ぜひ試してみたいと思っています。ご家庭での利用場面ならたとえばキッチン雑貨も、シンクのサイズやコンロまわりのスペースにあわせて失敗しないショッピングができるようになります。
お客様が実際の利用シーンに即したシミュレーションを経て購入することで届いてから「こんなはずじゃなかった」というようなギャップがなくなるため、返品率が激減するという効果も期待できます。売る側にも買う側にもメリットがあるのです。
この流れはGoogle Glassなどの進化によってさらに加速することでしょう。Webで見ていたものが眼鏡越しで見られるようになる。シームレスで手間もいりません。冷蔵庫のサイトを見てふと横のキッチンを見るとサイズ感がつかめる。これは便利以上の快感がありそうです。
課題は写真の精度によってコストが嵩むこと。一発撮りでOKならいいけど写真と一緒でレタッチしますから、そこの作業で工数がかかりそうです。このボトルネックを以下に削ぎ落とすかで金額が大きく変動するでしょう。
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ご質問もリンク先で承っているのでぜひ見てみてください。
価値あるものをスキャンしてさらに価値を上げる
3Dスキャンのビジネスにおける可能性をいろいろ考えてきましたが、いずれも技術的には充分実現可能なモデルばかりです。
では新しい時代を牽引するビジネスにおいて、3Dスキャンが必要とされるのはいったいどのような場面でしょうか。
私は「現在すでに価値あるものをスキャンして、さらに価値を上げる利用法」に大きな可能性を感じています。
たとえば有名デザイナーがデザインしたオートクチュールの一点物。世界にただ一着しかありません。二度と復元もされないでしょう。これを3Dスキャンし、データ化します。
有名デザイナーだからファンがいます。一点しかないからコレクション性も高いです。さらに洋服は3Dスキャンの得意領域。これは価値が高騰すること間違いありません。
このデジタルデータをNFT※「Non-Fungible Token (非代替性トークン)」として出品したら…どうなるでしょうか。これが現在すでに価値あるものをスキャンして、さらに価値を上げる利用法です。
コアなファンがいて、年数経過による劣化があり、さらに複製されたら価値がなくなる一点物。なかなかハードルが高いですがこの条件を満たすプロダクトやアートと3Dスキャン、そしてNFTの組み合わせが大きな将来性を秘めているのではないかと思います。
さらにそこにバーチャル空間を絡めると今後はアバターのデザインも価値高騰しそうですよね。あれこそ一点物だし、複製されたら大変ですから。
NFTとバーチャルの相関については以下の記事でも詳しく書いているので、ぜひ読んでみてください。
いずれにしてもリアルとバーチャル、あるいは新しいビジネス文脈とが交わる分岐点に3Dスキャンは立っていると言っても過言ではなさそうです。
3Dスキャンデータをビジネスに活用すれば新しい市場が生まれるか…その答えはまだ未知数ではありますが、ひとつ間違いなく言えるのは新たなビジネスの潮流に欠かせない存在である、ということだと思います。
▼3Dスキャンについてはこちらの記事もチェックしてみてください。
▼弊社3Dスキャンスタジオ発コラムはこちら(弊社サイトへ遷移します)
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