1.5.1. 無意識に任せる - 1.5. 楽に楽しくかくコツ - 第1章 ビジュアル・ファシリテーションの学び方と心構え - 絵と文字でビジネスを加速する方法〜ビジュアル・ファシリテーションのすべて〜(抜粋)
あなたは、無意識に任せることで、ビジュアル・ファシリテーションのスキルを劇的に向上させることができます。
ビジュアル・ファシリテーションとは、会話や議論の内容をビジュアル(図やイラストなど)にすることで、コミュニケーションや問題解決を促進する手法です。この本では、ビジュアル・ファシリテーションの基礎知識と実践方法を紹介します。
目次
第1章 ビジュアル・ファシリテーションの学び方と心構え
本書の背景と目的
ビジュアル・ファシリテーションとは
本書の対象読者と構成
学びとは双発で認知を変えること
楽に楽しくかくコツ
予測する
脳科学やヒトの特性を理解する
第2章 ビジュアル・ファシリテーションの基礎知識
種類と分類
定義とメリット
歴史と背景
第3章 図解の基本スキル
絵心の正しい意味を知る
見えるモノをかく
似顔絵をかく
見た目をよくする
第4章 図解の応用スキル
関係性をかく
時間をかく
ビジョンをかく
第5章 理解することとわかりやすく伝えること
シンプルにする
対象を理解する
抽象度を上げ下げする
ロジカルシンキングで納得してもらう
第6章 ファシリテーションの基本原則と実践方法
ファシリテーションとは
ファシリテーションの基本原則
ファシリテーションの実践方法
第7章 ビジュアル・ファシリテーションの活用事例
ビジュアル・ファシリテーションの活用事例
教育
コミュニティ
ビジネス
その他
本文
1.5. 楽に楽しくかくコツ
1.5.1. 無意識に任せる
あなたは、無意識に任せることで、ビジュアル・ファシリテーションのスキルを劇的に向上させることができます。
ビジュアル・ファシリテーションとは、図や文字を使って、自分や他者の思考を整理/伝える/共創したりするスキルです。このスキルは、ビジネスにおいて、利害関係者の卓越した能力を引き出すことに役立ちます。また、ライブドローイングなどをカンタンに学ぶ方法があります。
しかし、多くの人は、ビジュアル・ファシリテーションを学ぶときに、以下のような残念な考えに陥ってしまいます。
絵をかくことがゴール
絵をかくことは難しい
絵をかくことは時間がかかる
絵をかくことは恥ずかしい
これらの考えは、ビジュアル・ファシリテーションの本質を見誤っているだけでなく、学びを妨げるものです。なぜなら、これらの考えは、あなたの脳のシステム2に頼っているからです。
システム2とは、書籍「ファースト&スロー」で有名な心理学者ダニエル・カーネマンが提唱した概念です。システム2とは、意識的で論理的で努力が必要な思考のことです。たとえば、計算や推論や判断などがシステム2による思考です。
システム2には、以下のような特徴があります。
処理速度が遅い
処理量が少ない
疲労しやすい
気分が悪くなりやすい
これらの特徴からわかるように、システム2は、ビジュアル・ファシリテーションには向いていません。なぜなら、ビジュアル・ファシリテーションは、以下のような要素を含むからです。
スピード
多様性
楽しさ
創造性
これらの要素は、システム2ではなく、システム1によって発揮されます。システム1とは、無意識で直感的で努力が不要な思考のことです。たとえば、感覚や感情や習慣などがシステム1による思考です。
システム1には、以下のような特徴があります。
処理速度が速い
処理量が多い
疲労しにくい
気分が良くなりやすい
これらの特徴からわかるように、システム1は、ビジュアル・ファシリテーションにはぴったりです。なぜなら、ビジュアル・ファシリテーションは、以下のような効果をもたらすからです。
フロー状態になる
冥想に近い状態になる
脳の活性化が高まる
創造力が増す
これらの効果は、ビジュアル・ファシリテーションのスキルを向上させるだけでなく、あなたの人生を豊かにするものです。
では、どうすれば、システム1に任せることができるのでしょうか。以下のような方法があります。
処理能力の限界に挑戦する
たとえば、時間制約を課す、複数の要素を同時に処理する、など
音楽を使う
たとえば、120BPM以上の曲を聴く、リズムに合わせてかく、など
楽しむ
たとえば、笑顔になる、好きな色や形を使う、など
これらの方法は、あなたのシステム2をシャットダウンさせ、システム1をフル稼働させることで、ビジュアル・ファシリテーションのスキルを劇的に向上させることができます。
この章では、ビジュアル・ファシリテーションを楽に楽しくかくコツについて学びました。次の章では、ビジュアル・ファシリテーションの基礎知識について学びます。