ウェルビーングなプロジェクトで大事なのは実はグラレコ
ウェルビーイングなプロジェクトに必要なこと。それは決めることです。またそのためにはグラレコが有用になると考えています。
ウェルビーイングではないプロジェクト
IT関連のプロジェクトでは「デスマーチ(死の行進)」と呼ばれる現象があります。これは締切に間に合わせようと残業をし続ける。心身を休ませることがおろそかになることで作業効率がさらに下がる。さらに残業時間が増える。などで参加者が疲弊していく様子のことです。
この状態はウェルビーイングとは真逆。プロジェクトの失敗確率は非常に高い。仮に締切に間に合ったとしても心身ともに辛い。メンバ間のいざこざも多く人間関係がボロボロになる。さらに辛いのは会社からは評価されることもなかったりします。
IT関連プロジェクト以外でも、年に1度ぐらいの頻度で行うイベントなども一歩間違えばデスマーチになりかねません。
また、こういうプロジェクトには特徴があります。先送りするというものです。
ウェルビーイングなプロジェクト
理想的な状態
では逆にウェルビーイングなプロジェクトはどうなるでしょうか。
プロジェクトが期日通りに完遂
メンバ間の人間関係が良好もしくはプロジェクト開始前より良くなる
メンバ全員が心身的に良好もしくはプロジェクト開始前より良くなる
ではプロジェクトをウェルビーイングにヘルシーにするにはどうすれば良いのでしょうか。
QCDバランス
QCDバランスを考慮します。もともとは生産管理の用語ですがプロジェクトマネジメントでも引用されることが多いものです。
今回対象としているのが完全無料のイベントの運営です。QCDバランスでは品質/コスト/納期の3つがトレードオフになるということです。
まず納期を見ていきましょう。shiawase 2023の場合納期は固定です。2023年3月21日前後の1週間となります。
次にコストを考えます。完全無料イベントなのでコストは0。実はそうはなりません。今回、運営のための実幸委員会が結成されます。人数も増えています。その委員会参加者がどれだけの時間をかけるか。これがコストとなります。
最後に品質を考えます。トレードオフとなるのはコストです。つまり、より良い会にしようとすれば委員会メンバの時間を奪っていくことになります。実幸委員会のメンバは皆志願してなっています。モチベーションは比較的高いといえるでしょう。
モチベーションが高いが故の悲劇
より良い会を望めば望むほと委員会のメンバの時間が費やされます。生き過ぎると心身が疲弊する。最悪は「燃え尽き」などが発生する可能性があります。
また、心身が疲弊するとコミュニケーション・ミスなども多発します。人間関係が悪化することもよく起こることです。
だからと言って品質を下げてしまえば良い。そうはいきませんよね。ではどうするのか。
時間を活用できるかが鍵
時間を如何に活用できるかが鍵になります。アリとキリギリスという話があります。アリの様に時間に余裕があるうちに対処してしまうことが肝要です。キリギリスの様に冬が来てから、つまりギリギリになってから始めるのは最悪の結果になります。
では時間を活用するためにはどうするのか。
先送りにせずに決めていく
大事なのは先送りせずに決めてしまうことです。決められないものがあったらいつなら決められるかを決めます。誰がそれをやるのかも決めます。とにかく何らか決めていきます。
決められない場合というのがあります。それは先行タスクがある。その先行タスクで決まっていないことがある。そもそも誰が決められるのかわかっていない。などなど。
先行タスクの結果しだいだとしても打ち手はあります。結果にいくつパターンがあるのか。そのパターンごとに発生確率はどれぐらいか。発生確率が高い、影響が大きいなどの基準で対策をはじめてしまうことも可能なはずです。
これまでの知見を活用する
先送りにせずに決めていくにしても全部やっていては日が暮れます。優先度が高いものから対処するのが良いでしょう。
ではその優先度はどうやって知るのか。
そのプロジェクトに類似ぷろじぇくとが あればその時の知見、経験を活かすのが定石です。今回の場合であれば、shiawase 2022、shiawase 2021などハイブリッド・イベント、オンライン・イベントなどの事例があります。この場合の知見、経験を活かすのです。
例えば、集客を○○人を目標にする→参加者の関心をひくために基調講演の登壇者を人気のある人/有名な人にする→人気がある/有名な人の予定は半年前でも埋まっていることが多い→お願いする前にその今回のテーマなど会の趣旨説明がいる、会期・テーマなどが決まっている必要がある。
つまるところ、遅くても8月には会期・テーマなどが決まっていないと集客が悪くなってしまうのです。
グラレコや議事録を活用する
では知見や経験はどうやって活用すれば良いのでしょうか。
グラレコや議事録を使って振り返ることが大事だと思っています。つまり、グラレコや議事録を残すこと。これがウェルビーイングなプロジェクトの鍵だと考えています。
まとめ
プロジェクトは計画的に進めないと容易にデスマーチ化する
デスマーチと化したプロジェクトではメンバのウェルビーイングは著しく下がる
ウェルビーイングを向上させるためには時間的な余裕があるうちから作業をどんどん積み上げていく
優先順位を考えて効率的にタスクをこなす
優先順位はこれまでの知見や経験を活用する
知見や経験を活用するためには記録があることが望ましい
グラフィックレコーディングやビジュアルファシリテーションの成果物があればそこから知見や経験を見出すことも容易