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アニメ制作のデジタル化は、アーカイブにも直結する!

私たちはMakuakeプロジェクト「捨てたくない! でも残しておけない! アニメ制作で使われた紙をもう一度使いたい!」で、アニメ制作現場から廃棄される紙資料を再利用する企画に挑戦します。
では、「その紙資料は本当に廃棄してしまっていいの?」「アーカイブとして残してあるの?」という疑問について、『東京ミュウミュウ にゅ~♡』(22)や『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』(23)などを手掛けるアニメーション制作会社ゆめ太カンパニーの取締役会長 アニメーターの山口聰さんにお話を伺いました。

【関連記事「アニメ制作現場で使われる「紙」、その魅力と課題とは?」はこちら


―ゆめ太カンパニーでは、制作資料のデジタルアーカイブは進めていますでしょうか?

山口聰さん(以下、山口) 原画や絵コンテを紙に描いたりデジタルで描いたりというのは混在しているのですが、紙に描いたものも制作の過程で一度スキャンしてデータ化しています。その時点ですべてデジタルデータとして揃うわけですね。
もとの紙は廃棄処分にするのですが、データとしてはすべて残っています。
絵を動かす作業や仕上げもデジタル上で行うので、それ以降の作業は確実にデータとしても残ることになります。制作が終わっても結果的にそのデータが、アーカイブとして残っていくわけですね。

―デザイン画や設定資料など、映像作品自体に入らない資料もアーカイブされるのでしょうか?

山口 もちろん、それらも同じですね。すべてデジタル化しています。

株式会社ゆめ太カンパニー 取締役会長 アニメーターの山口聰さん

―アーカイブしたデータを後日活用することはあるのでしょうか?

山口 作品によりますね。例えば〇周年イベントなどがあるような作品の場合は、アーカイブしたデータを使う機会はあります。
また、アーカイブしたデータを活用して、新人研修に使うこともあります。もちろん、権利者の許諾を得てからですが。私たちには長い歴史があるので、そういった過去の蓄積があることもアドバンテージかなと思っています。

―データの整理はされていますか?

山口 話数ごとにフォルダを分け、本編のデータやキャラクターデザインのデータ、美術設定のデータを格納していて、いつでも取り出せるようになっています。

―制作資料が販売されたりしていることもありますね。

山口 権利を持っていて公式にビジネスにされているところもありますよね。
でも、下描きとかはあんまり見られたくない人もいます。あまり上手くいっていないところがあったりもしますし。私たちとしては、動いている絵を見てほしいですから。
コマで止めて「中割り(動きの途中の絵)がおかしい」という視聴者もいますが、アニメは動いてなんぼなので。
手塚(治虫)先生からは、「中割りというのは必ずしもキチンと綺麗な絵だけじゃなくてかっこ良くないポーズが入っていた方が動きがスムーズになるよ。」と教わりました。

「動きの途中は極端に歪んだ絵になっている」とアニメならではの表現方法を説明してくれる山口さん

―紙資料の現物が流出して、転売されたりするリスクもあるのでしょうか?

山口 製作委員会との契約もありますし、昨今は情報セキュリティについても徹底するようになっています。情報流出はまずいので、しっかりと廃棄します。
そういう意味では、今回の企画「捨てたくない! でも残しておけない! アニメ制作で使われた紙をもう一度使いたい!」では確実に溶かされて再生紙になるので、安心できますね。さらにそれが、もう一度使えるようになって世の中の役に立つわけですから。

―資料のアーカイブに関して、課題に感じられていることはありますか?

山口 新作に関しては、制作のワークフローの中にデジタル化が組み込まれていて、それが結果的にアーカイブにもなっているので、特に困っていることはないですね。
逆に言うと、そのようにデジタルがワークフローに取り入れられていなかった、古い時代の制作資料が弊社にもあるので、それらを今後どうしていくかが課題ですね。

―ありがとうございました。アナログ時代の歴史ある資料のアーカイブも進むよう、私たちも何かお役に立てればと思います!


「捨てたくない! でも残しておけない! アニメ制作で使われた紙をもう一度使いたい!」
Makuakeにてプロジェクト実施!

運営:株式会社バリュープラス
実施期間:2024年8月21日(水)11:05 ~ 2024年11月17日(日)22:00 
目標金額: 500,000円

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※プロジェクトの詳細は、SNS公式アカウントにて更新していきます。

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